ワシントン・ポストがリポータとライターの人気をFacebookフィードで可視化

米国 ワシントン・ポスト紙がユニークな試みを開始した。

自社の記者やリポータのFacebookフィードの一覧を掲載した。

19日に公開されたこのリストによると、現在フィード購読者数の合計は約30万人。デスク毎の集計では最も多いのが、Editionalで8万4千、次いでLocalが8万1千、Nationalが6万2千となっている。下図にデスク毎の購読者数をグラフ化した。

■記者・リポータの影響力がメディアの影響力になる
メディア業界ではソーシャルメディアが導線として確立してきていることは、欧米だけの現象だけではなく、日本でも誰もが認めている。こういった流れが生まれるのは自然な流れると言える。

従来までのソーシャルメディア活用はFacebookページ、Twitter公式アカウントといった流れが一般的であった。これが、Facebookフィードの登場によって、「単一のメディアの窓口」だけのPRでは無く、その中で働く「情報発信者」全員によって、メディアの影響力とする新たな時代の幕開けと言えるだろう。

■有力記者・リポータは転職に有利に?
こういった試みによって、市場で評価されている記者・リポータが一目瞭然になる。6万人を超えるフィード購読者を持つ「Amanda Zamora氏」は、購読者がゼロの「Trey Johnson氏」と比較して、6万倍以上の影響力を持つことになる。この試みはまだ始まったばかりで一年後にはその差が50万倍位に拡がっている可能性すらある。

当然、影響力が可視化されることによって、上位人気記者には他社からのスカウトも増えると予想される。そういった流れが出てくると考えるのは当然だが、それは当の記者・リポータ本人達が一番自覚していることだろう。それによって、市場から評価されるもっと良質な記事・リポートをしようというモチベーションアップに繋がるのでは無いだろうか。

■横並び文化の日本での導入は難しいか
日本のメデイア業界ではソーシャルメディアの利用について社員が社名を公開することなどを禁止している企業が多い。また、日本の文化としてこういった個人の「成績」が一覧となって公開されることは少し考えにくい。(最下位として表示され心労のため欝になり会社を辞めたとなれば、企業側が訴えられかねない)

しかし、一部でメディアの信頼低下に伴い、記者個人の信頼を評価する「署名記事」を求める声も年々高まっているのも事実である。ワシントン・ポストのような試みによって、記者・リポータが個人として社会に評価される仕組みを作ることは、記者・リポータのプロ意識の向上や、モラルハザードの防止にも繋がるのでは無いだろうか。



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    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。