Pinterestの19歳のアプリデザイナーが立ち上げた gumroad の五つの魅力。

誰でもコンテンツをアップロードし、手軽に販売出来る「gumroad」が話題を集めている。話題になるのは当然で、このサービスは今国内でも大人気の「Pinterest」と、「Turntable」のアプリデザイナー、SahilLavingiaが単身で立ち上げた新サービスなのだ。SahilLavingiaは若干19才ながら、110万ドルのシード資金の投資を受け、gumroadを立ち上げた

■gumroadとは何か?
 一言で言えば、誰でもコンテンツを「格安手数料」で販売可能なプラットフォームだ。写真、動画、小説、なんでも良い。デジタルコンテンツで無くてもよいかもしれない。必要なのはTwitterかFacebookのアカウントと、Paypalアカウント、そしてコンテンツを作る才能のみだ。

 それらがそろって入れば、アカウント作成の10分後には、世界へ向けてコンテンツを販売することが可能だ。非常に簡単な操作でコンテンツを販売出来る「gumroad」だが、アカウント登録からコンテンツ公開までの一連の流れを説明しよう。

■アカウント登録から告知までの流れ

 ◆アカウント登録と、コンテンツ登録
 1) gumroadにアクセスする
 https://gumroad.com

 2) Twitter、又はFacebookのアカウントでログインする

 3) コンテンツを登録する。

  下記三点の内容を入力する。
  Name = コンテンツのタイトル
  http:// = コンテンツのURLを入力。
        又はアイコンをクリックしてgumroadに直接アップロード
  $ = 金額を入力

  全ての入力を完了しAdd linkを押せば登録完了となる。

 ◆アカウント設定
 次に決済用のPaypalアカウントを指定する必要がある。
 4) 画面右上の「Settings」をクリック
  下記三つの内容を入力する。
  ・gumroadで利用するユーザ名
  ・gumroad用メールアドレス
  ・Paypayのログインに利用するメールアドレス

 5) 決済通貨を決定する
  円、ユーロ、GBP、$のいずれかを選択する。

 6) 設定を保存

 ◆手数料について
 1コンテンツあたり販売価格の 5%+30セントが手数料となる。

これらの流れでコンテンツの登録が完了する。あとは、Add Linkで作成したリンクをFacebookやTwitterで告知すると完了となる。こちらが実際にgumroadで作成したリンクをユーザがクリックした時の画面だ。もし、ユーザがこのコンテンツを気に入り、欲しいと思えば「I want this」をクリックすると決済画面に移行し、販売完了となる。
 

■告知方法は工夫が必要
 gumroadでLinkを作成すると、Facebook、Twitterへリンクをシェアすることをうながされる。
 しかし、FacebookやTwitterで日常的に会話をしていた環境で突然「コンテンツ販売」をしだしても、なかなか反応は良くない。場合によっては、周囲から反感を買うこともあるだろう。

 勿論、普段からビジネス色の強いアカウントであれば問題ないが、コミュニケーションツールとして使っていたアカウントなら、「物売り感」は出来るだけ控えることをお勧めする。
 コンテンツ販売用ページを自分のブログ等に設け、gumroad用のリンクを貼っておいた方が良いだろう。

■gumroadに感じるメリット
 私が感じるgumroadのメリットは下記の五つだ。
 1) コンテンツをアップロードするストレージ
 2) 決済システム
 3) コンテンツへのリンクの生成を行ってくれる
 4) グローバル展開可能
 5) 低い手数料

 個別の特徴を持っているシステムは今までにも存在したが、全てを包括しているというのはgumroadが初めてだと思う。あと、これに欠けている所があるとすればコンテンツPR用サイトといった所だろうか。

 こういったシステムが登場することで、勘の良い方ならすぐに気づくと思うが、「Amazon」ならいつでも対抗することが出来るということだ。試しに今回私はメルマガを販売してみるという試みに出たが、電子書籍コンテンツを販売することも勿論可能だ。

 Kindleが国内で遂に販売されるとあって話題を集めているKindleだが、Kindleの普及を期待しているのは、私たちのような著者達も期待を寄せている。私達著者にとってKindleというプラットフォームは魅力的だ。それは電子書籍手数料の安さだ。プランによっては7割の印税収入を得ることが出来るようになるからだ。
 
 しかし、それでも30%はアマゾンの取り分となる。gumroadを利用することで、著者の取り分は更に大きくなることとなる。

 以前に「電子書籍リーダが変える産業構造。消える産業、産まれる産業」と題したエントリーを書いたが、当時、今後プラットフォーム戦争が勃発し、その結果プラットフォームの取り分は10%程度になり、著者印税率90%の時代が訪れるのでは無いか?と書いたが、gumroadの普及は、アマゾンやアップル達のようなコンテンツアグリゲータに手数料率の低下をうながす要因になるかもしれない。 

■クリエイターの可能性を広げる
 クリエイターが作成した写真や動画を販売することが可能だ。これによって、従来まではコンテンツを作成しても、手渡し出来る範囲以外では販売することが難しかった規模にまで販売することが可能になる。

 メディアに等にとりあげられることの無かった隠れた才能が、ファンと直接繋がることで、収入をえることが出来るようになる。それは生活の糧となるには程遠い額かもしれないが、心の糧にはなるだろう。

 そして、そのファンの期待に応え、ファンと共に成長することで、やがてその心の糧が大きくなり、生活の糧に出来る時が訪れるかもしれない。そんな夢を感じさせてくれる、「gumroad」、違法コンテンツや決済方法等、まだまだ改善の余地はあるが、こういったプラットフォームが一般的に市場に認知され、「コンテンツはクリエイターから直接買う」という文化が普及することを期待したい。
 
 



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。