Facebookページのリニューアルで改めて考える「Facebook依存のリスク」

「2012年3月30日をもって、Facebookページが全てタイムラインになる」ソーシャルメディア界隈は朝からこの話題で持ちきりだった。特にウェルカムページやファンゲートを作成していたページは、タイムラインへ移行することによって特定のページを強制的に表示させることは出来なくなる。

今回の突然の仕様変更で、企業がFacebookを利用する際のリスクを考えてみたい。

想定されるリスク

 ・リニューアルコスト
 ウェルカムページやファンゲートを作成していた企業は軒並み対応を迫られる。自社サイトであれば自社の計画でリニューアルを行うことが出来るが、今回のようにFacebook側の都合で、強制的に改修することを迫られる。

 ・戦略の変更
 企業によっては、ウェルカムページからの誘導や、診断アプリ等を利用したキャンペーンによる「いいね」獲得の目標数値が存在していたことだろう。今回の仕様変更によって、そういった戦略を変更する必要が発生する。

 ・運営者のトレーニング
 既にFacebookのタイムラインを利用していた人にとっては、今回の変更は操作方法の統一につながりかえって好都合だ。しかし、プライベートではFacebookを利用していない運用者も中には存在するだろう。Facebook運用担当者がFacebookについて熟知しているかと言えば、必ずしもそんなことは無いのだ。Facebookページの運用はアルバイトの人員にまかせているケースすらある。
 それ程高度な知識は必要とされないが、運用トレーニングが必要になるだろう。

 ※今回掲載したリスク以外にも想定されることが御座いましたら、コメント欄等にご意見頂ければ幸いです。

改めて考える自社サイトの存在意義

 日本では一部の市でウェブサイトを撤廃し、Facebookページへ移行したことが話題になった。今回の件で、当然職員達は新たな操作方法を学ばなければならないし、場合によっては新たなカバー写真の発注等が行われるだろう。
 市役所の職員の働く原資は当然我々の税金であり、特定のソーシャルメディアのサービスに、その税金から対応コストが発生するというのは、如何な物だろうか。「コスト?大した額じゃないよ」と言われて、それは本当に数万円のレベルかも知れないが、「増税」が議論される今の世の中で僅か数万円でも無駄にして欲しくは無いというのが、国民の一人としての率直な意見だ。

 市役所の例に限らず、一時期、Facebookが国内でもてはやされ出した当時、企業サイトを捨ててFacebookページに一本化した企業があると盛んに紹介された時期があった。Facebook自身が無くなるリスクは低いと考えられるが、今回のように大きなリニューアルが行われる可能性が今後無いとは言い切れない。むしろ、「ある」ことを前提に考えた方が良いだろう。

 今回の件で私自身は、改めて、Facebookに限らずソーシャルメディアのサービスは、導線としての利用や、そのソーシャルメディアを利用するの人々との接点とすることが適切な使い方だと考えさせられた。

「永続的に利用する」自社サイトのような「看板」に求められる最も重要な機能は、「自社でコントロール可能である」という点に他ならない。今回の件でどこまでをFacebookに依存し、どこまでを自社サイトで提供するのか?改めて考える良い機会になったのでは無いだろうか。

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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。