著者「ウィキペディア」で日本語コンテンツを水増しする楽天 Kobo

 あまり良い噂の聞かない楽天 Koboだが、新着コンテンツ一覧を見ていて驚かれされた。2012年9月17日に追加された日本語コンテンツ一覧を見ると、本日追加された342コンテンツのうち全ての著者が「ウィキペディア」となっており、それも赤川次郎や司馬遼太郎といった有名作家のウィキペディアの内容をそのままコンバータか何かで転載した形となっている。

2012年12月末までに全ての日本語ウィキペディアをコンバートすれば目標としてる20万冊も達成可能と思われるが、果たしてそんな水増しだらけの日本語コンテンツで読書の期待は満たせるのだろうか。

■koboとkindleの差
 koboとkindleの差は様々あるが、細かいハードの差は抜きにしても「コンテンツの内容」に対する両陣営の自信の差が透けて見える。KindleはKindleのハードを持っていなくても、PCやスマートフォンにKindle用のアプリケーションをInstallすれば内容を見ることが出来る。
 
 しかし、KoboはPC用ソフトをInstallしてもKoboリーダは付属していない。日本でKoboが発売される前からKoboを利用していた人の話では、Koboが日本で発売されるまではデスクトップアプリや無料のiPhoneアプリでも読めていたらしいのだが、koboが日本で発売されてからはリーダでは読めなくなったそうだ。

 なぜそのような変更があったのかはわからないが、邪な目で見れば、水増ししたコンテンツの内容がkoboを持っていない人に知られるのを恐れているのではないかと勘ぐってしまう。
 ※ちなみにKindleにも著者「wikipedia」のコンテンツは存在するが検索した所19件しか存在しないようだ。かつ、koboのように単純にコンバートしたものとは違うようだ。

■量も大切だが質も大切
 国内の著者達の電子書籍に対する期待は大きい。Kindleの上陸を期待する声も大きいが、日本企業の楽天が推進するkoboに対する期待も大きい。ハードを普及させたいという強い思いは非常に良くわかるが、今の「日本語で著作権的に利用可能なものは何でもコンテンツにしてしまえ」というやり方ではウェブ上の無料コンテンツを読まされるにすぎない。

 今は質より量で攻めの時期という考え方は理解出来るが、周囲でkoboで読書しているという人を本当に見かけないし、発売当初は話題になったが今ではFacebook上でもkoboの話は見かけなくなってきた。今回のようなやり方で水増しされたコンテンツばかり提供されても読むに値しないのは当然だ。

 既に購入したユーザが呆れて離れていかないうちに、「量と質のバランス」を担保しながら少しペースを落として「読む価値のあるコンテンツ」の提供を試みてはいかがだろうか。

 



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プロフィール

大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。