2012年9月携帯契約数はiPhone5効果で明暗くっきり。ソフトバンクグループが実質二位に。

 電気通信事業者協会(TCA)は、2012年9月度の携帯電話・PHS契約数を発表した。

 純増数一位はソフトバンク32万200件、二位にKDDI22万4900件、三位NTTドコモ15万8600件となっている。また、UQコミュニケーションズは17万800件、Wireless City Planningは11万7400件、PHSのウィルコムは4万3500件の純増となっている。

 MNPを利用した数(差し引き)は、auがプラス9万5300件でトップ。ソフトバンクがプラス1200件、ドコモがマイナス9万5200件。
 

■2012年4月水準に戻ったドコモの転出数
 9月は9月21日に発売されたiPhone5の発売が各社の数値に大きく影響を与えた。 ソフトバンクは旧機種の買い替え施策で顧客流出を防ぎ、KDDIはドコモから大きく顧客を奪うことに成功した。特にドコモは2012年に入ってから毎月10万件近い流出(他社への流出)が続いており、2012年3月にmova終了によって14万5900件という転出を経験した。しかし、それ以降、徐々に転出数が回復傾向にあったが、今回の転出で2012年4月水準に逆戻りしてしまった。

 今後も暫くはiPhone5フィーバは続くことが予想され、iPad miniの発表も予想されている。唯一アップルブランドを扱わないドコモがどうやって巻き返していくのかが注目される。

■総力戦で二位となったソフトバンク
 2012年10月ソフトバンクは業界第四位のイー・アクセスを買収した。今回のTCAの発表に基づき、各社の総回線数を計算すると下記のとおりになる。
 一位 ドコモ  60,628,000
 二位 ソフトバンク+ウィルコム+イー・アクセス+ワイヤレス・シティ・プランニング  39,372,700
 三位 KDDI+UQコミュニケーションズ  39,338,800
 ※TCAの2012年9月分データに基づく。但しイー・アクセスのみ公開されていないので、2012年10月1日のソフトバンク、イー・アクセス買収発表時の公開データである420万回線として計算。

 僅差ではあるが総力戦ではソフトバンクグループがKDDIグループを飛び越えた。ソフトバンクは数年前からイメージ戦略を巧みに利用しており、「格安」、「純増数連続一位」、「iPhone」、「プラチナバンド」と誰でもわかるアピールポイントで「支持されているソフトバンク」というイメージを作り上げてきた。今後は長年三位に甘んじてきたソフトバンクだが「業界二位」をアピールポイントとして「勢い」のあるキャリアであることわ一層印象づけてくるだろう。

 イメージ戦略で回線品質を二の次にしてきたソフトバンクだが、来年にはプラチナバンドの効果やイー・アクセス買収の効果も現れてくると考えられ、各社の競争は更に激しさを増しそうだ。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。