コラム:当事者でもないのに義憤に駆られ、世界を変えようとする善人たち「社会起業家」という生き方

 世界には、自分には何の得にもならないのに、何かに立ち向かおうとする人達が居る。道義に外れたこと、不公正なことに対するいきどおりを「義憤」と言う。

 2009年頃から日本でも「社会起業家」が注目を集めだした。当事者でも無いのに、社会の不正や矛盾に義憤を感じ、立ち上がろうとする。大きな社会の中で満たされない小さなニーズのために立ち上がろうとする人々だ。

 NPOフォローレンスを立ち上げた駒崎弘樹氏は、現状の保育園運営に対する義憤から新しい病児保育の仕組みを編み出した。
  ※(保育園では37.5度以上熱が出ると預かってもらえないので、その母親が1週間会社を休んで看病したところ、会社を解雇された)

 マザーハウスの山口絵里子氏は、バングラデシュの労働者が奴隷のように黙々として働き、白人バイヤーが王様のように怒鳴り散らす様子を見て、「途上国発のブランドを作ることを目指して会社を設立した。

 NPOカタリバの今村久美氏は成人式に帰省し、無気力・無関心・無感動の同年齢の人々に接して、いろいろな取組にチャレンジする大学同級生のとのあまりのギャップにショックを受けた。このような義憤が、教育機会を沢山作ろうと、NPOカタリバを設立する動機になった。
 引用:週刊ダイヤモンド 09.4.11「社会起業家」(pp.32-38)より

 当事者でも無いのに義憤を感じることを否定したら、彼らの多くは誕生しなかっただろう。当事者で無ければ義憤を感じてはいけないというのなら、生まれた時から貧しさで明日食べることも出来ない国の人々の暮らしは永遠に改善されることは無いだろう。

 当事者でも無いのに「義憤」を感じる心、それは人間の持つ「思いやり」の心が原動力なのでは無いだろうか。そして、この心は「動物」には無い感情であり、この心があればこそ、弱肉強食の世界で他の動物よりも弱い筈の人間が、「助け合う」ことで進化した大きな要因なのでは無いかと思う。



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プロフィール

大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。