グーグル、データ通信料不要の「フリーゾーン」をフィリピンで提供開始。非インターネットユーザの獲得狙う

 米グーグルは2012年11月8日から、フィリピンの携帯事業者グローブ・テレコム(Globe Telecom)と協力し、フィーチャーフォン、スマートデバイスから通信料無料で利用可能な「フリーゾン」の提供を開始した。

 このフリーゾーンを利用すると、グーグルが提供する、Google+, Gmail, Google Searchの三つのサービスにアクセスしても、携帯電話のデータ通信料が課金されない。しかし、Google Searchなどの検索結果から他サイトへリンクする場合には課金が発生する。※グーグルの検索結果が表示されても課金は発生しない。課金が発生するのは検索結果で外部サイトへのリンクをクリックした場合。

 同社のFAQによれば、フリーゾンへのアクセスは、フィーチャーフォン、Androidスマートフォンからのアクセスは可能だが、PCやタブレットからのアクセスはサポートしていない。

■非インターネットユーザのインターネットへの接触が狙い
 フィリピンに限らず所得の低い新興国では携帯電話を所有していても、音声通話とフィーチャーフォンの利用に留まっていることが多い。今回、グーグルが自社のサービス利用に限りデータ通信料を無料にすることで、インターネットサービス利用のきっかけを与えることを狙う。通信キャリアにとってもフィーチャーフォンユーザがデータ通信サービスに馴染むことで将来的なARPU向上が期待出来る。

■激しさを増す「初めてのブランド」争い
 フィリピンではフェイスブックも、通信料無料で利用可能な 0.facebook.com を提供している。既にフェイスブックは45ヶ国、50のモバイルオペレータで0.facebook.comを提供している。

 グーグルとフェイスブックの狙いは「インターネット」を知らないユーザに対して、自社のサービスを認知して貰い、インターネットで接触する「最初のブランド」になること。グーグルはフリーゾーンで新たな10億人のユーザにリーチすることが目的だという。

 アマゾンがKindleによってユーザとの新たなタッチポイントを獲得しようとしているのは有名だが、専用端末だけでなくフィーチャーフォン、スマートデバイスでも「最初のブランド」になる競争が激しさを増してきたと言えそうだ。

■国内ではヤフー+ソフトバンクのタイアップに期待
 基本的には所得の低い新興国向けのサービスではあるが、通信費の高騰に頭を悩ませている状況は先進国と言えども同じ。日本でも格安MVNOを利用した低価格通信サービスは人気を集めてきている。スマートフォンへのシフトを急ぐヤフーがソフトバンクモバイルのスマートフォンから音声通話、SMSの利用とヤフーの各種サービスが利用可能でデータ通信プランを選択する必要が無いライトユーザ向けのプラン「ヤフープラン」を提供するというのも面白いのでは無いだろうか。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。