変化するブロガーの発信力とそれに追いついていない検索アルゴリズムと広告モデル

 ここ最近ブロガーを取り巻く環境は変わってきているように思う。TwitterやFacebookを導線とするようになったとはまた「違う」変化を感じる。blogosに代表される「ブログアグリゲイトメディア」や、ヤフーニュース個人のような選抜オーサタイプ、Naverまとめのようなキュレーションサイトの登場によって、自分の発言をより広い範囲へ届けてくれるメディアが登場している。これらの「自身のブログ(オウンドメディア)」以外からの記事閲覧が無視出来ない規模になってきていると感じる。

 私の例だが、このブログに記事を書くと以下の三つに同じ記事が掲載される。
  ・本サイト
  ・Blogos
  ・ヤフーニュース「個人」
 この三つを合わせると10月の合計PVは45万Pvに達していた。これら以外にも商用媒体への寄稿やそこからExciteやgooといったニュースサイトへ配信されることも考えれば、10月の私の記事の総閲覧数は60万PV位前後に到達していると推測される。

■発信力を取るか、収入を取るかで方針が変わる
 ブログの目的にもよるが、もし自分の発言をより多くの人に届けたいと思うなら、積極的に他媒体へ寄稿するというのも一つの手段になっている。自ブログで10万PVと複数ブログの合計で10万PVというのは同じようでかなり違う。
 自ブログで10万PV有り、訪問者の内訳としてリピータが多い場合には、毎日同じ人が何回も見に来ているかもしれない。三千人の人が毎日訪れれば9万PVになるからだ。それが他のメディアを合わせて10万PVなら各メディアの常連にリーチ出来るため、自分のブログだけのPVより多くの人に読んで貰えている可能性が高い。

 しかし、広告収入やアフィリエイト収入を求めるなら自ブログに注力した方が良い。広告収入は基本的に自ブログからの収入となるためだ。

 発信力を高めたいならblogos等への転載を狙い、広告収入中心なら自ブログでしか読めない記事を増やした方が良い。

■Googleの検索アルゴリズムが追いついていない
 これは私のSEOの知識不足なのかもしれないが、blogos等に自分のブログの記事が転載される弊害として、検索エンジンからの流入が減る可能性が生まれている。自ブログとblogosを比較してblogosの方がGoogleページランクが高ければblogosの方が上位に表示されてしまう。
 それだけならまだ良いのだが、ひょっとすると「重複コンテンツサイト」「コピーサイト」と判定されGoogleから自ブログがペナルティを受ける可能性もあるように感じている。基本的にオリジナル記事は世界に一つというのが「今の検索エンジンへのマナー」だからだ。
 例えば、”@NHK_PR著作「中の人などいない」に学ぶ企業とソーシャルメディアの関り方。“と検索すると、blgosの私の記事はすぐに見つかるが、肝心の本サイトが見つからないのだ。

 blogosの用に著者とサイト側が契約して記事の転載を認めているケースが出てきているが、Googleの検索アルゴリズムはこういった現在の「全転載が容認」されている事情に対応出来ていないかもしれない。

 正しい契約の元に全転載されたケースと不正に転載されたケースを検索アルゴリズムが見抜くのは難しいかもしれないが、オリジナルサイトの検索結果を上位に表示する工夫や、コピーサイトと判別する仕組みの実装が望まれる。(私としては本サイトがコピーサイトと判断されていないかが気がかりではある)

■広告代理店ですらあまり気づいて無いのでは無いか
 ブロガーのこういった事情に対して、広告代理店もあまり気づいていないように思う。広告代理店の人間に「大元さんのブログは何PVですか?」と良く聞かれるが、私としては様々なメディアに記事が転載されるため自ブログだけのPVにどれほどの意味があるのかは、あまり気にしていない。

 自ブログのPVという指標はもう古く、ライターの一記事辺りの拡散力を指標にした方が良いのでは無いだろうか。

■著者紐付けの広告モデルに期待したい
 Google Adsense等の広告モデルも今の実情に追いついていない。現在の広告はメディアに紐づいていて、ライターに紐づいてはいない。しかし、最近の傾向としては前述したように一人のライターの記事が多くのサイトの転載されることも増え、それを歓迎するライターも増えてきた。

 最近、Authorタグが付与されてきている記事が増えてきている。このAuthorタグが付いていればその記事が誰のものなのかをGoogleの検索結果に反映させることが出来る。
 その記事が誰の物なのかをGoogleが知ることによって、ライター紐づけの広告表示も将来登場することを期待したい。Googleが実装しなかったとすれば、同種の仕組みを利用して広告を表示させることが出来れば、新たな広告枠としてGoogleも提供していない広告サービスの隙をつくことも可能だろう。技術力に自信のあるスタートアップは挑戦してみると良いかもしれない。

 前回の記事でソーシャルメディアとスマートデバイスの普及によって「インスタント社会が訪れる」と書いたが、インスタント社会の到来と共にblogosのように転載中心でPVを増やすメディアも今後増加することが考えられる。ライターを保護するためにも、検索エンジンアルゴリズムや新たな広告モデルの登場に期待したい。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。