「文字を読む」ブログから、「見てタッチする」ブログへ

 ブログをリニューアルした。以前のレイアウトは「記事」を読んで貰うことを重視していたので「文章」を目立つようにしていた。それ自体は成功していたように思うが、最近スマートデバイスからのアクセスが増えてきたことも有り「記事」を「見せる」「タッチする」ことを重視するように変更した。

 これには次のような仮説を含んでいる。スマートデバイスユーザの嗜好性として
 ・記事のタイトル一覧より、アイキャッチ画像も含んだ「視覚」で記事を「探す」
 ・大量の「アイコン化」された記事を「探す」ことは楽しい
 という嗜好性が有るのではないかと考えた。

 キーボード&マウスでは「文字を読んで頭で判断して興味がわけばクリックする」が、タッチデバイスの読者は「目で見て感じてタッチする」、そんな行動特性があるように感じる。キーボード&マウスが知性で動く男性的な選択思考なら、タッチデバイスは感性で動く女性的な選択思考になりやすいように思うのだ。

 私自信もiPadで幾つかのブログやニュースサイトを巡回するが、昔ながらの文章中心のサイトや、記事の紹介が文章中心のサイトは見ていて退屈に感じる。また、マウス操作の時は縦方向にスクロールするのは億劫だったが、タッチデバイスでタッチスクロールさせるのは「何故か楽しい」。むしろ一画面に全ての情報が収まっていると少し寂しく感じてしまう。

 そんな仮説から「文字中心」から「ビジュアル中心」へとレイアウト変更を行った。

■紙媒体のライターとウェブ系ライターの感覚の違い
 以前に新聞記者の方と意見交換をしたことがあるのだが、私が「紙媒体は良いですよね、読んで貰えるスペースがあるから記事の質が良ければ読んで貰える。ウェブ系の媒体は記事の質が良いだけじゃ読んで貰えなくて、記事を公開するタイミングや導入部分の切り口で読まれるかどうかが変わってくるんです」と言うと随分関心された。

 新聞記者にとっては「記事の質と鮮度」が命。どうやって「読んで貰うか」は編集の仕事なのだ。

 しかし、私のようなウェブ系で育ってきたライターは、取材をして記事を書いて、記事が公開されれば告知もしてPVも集めることがある程度期待されているから「記事」を書くことがゴールでは無く、「読んで貰う」ことがゴールになっている。

 そういった環境で育ってきたからか、どうやって「読んで貰えるか」どうすれば「伝わるか」は非常に重視する指標なのだ。そのせいだろうか?最近の7インチタブレットブームやウィンドウズ8によって「タッチ」が主流になる流れを感じていて、サイトのレイアウトに求められる要素も変化してくると感じた。

 ソーシャルメディアが流行りだしたころ、こぞってソーシャルプラグインが追加されたが、その時と同じような変化が訪れるように感じている。

■ブログはお金をかけずに楽しめる最高の暇つぶし
 そんな仮説を立てながらビジュアル中心で記事をタッチ出来るレイアウトへ変更したのだが、準備も含めれば二日もかかってしまった。大の大人が二日夢中になれで「金」が掛からないとは、なんとリーズナブルな趣味だろう。

 くわえて、記事を投稿することで多少なりとも人に感謝られることもあるし、上手くいけば雑誌などから執筆依頼が来る事もある。「食べていく」ことを考えれば難しいブログだが、趣味と割り切ってしまえば、お金はかからないし、情報収集で勉強になるし、人の役にたつことも出来るということで「最高の暇つぶし」と言えるのでは無いだろうか。

 ブログを書く目的を「収入」や「知名度」に重きを置くとモチベーションを保つのは難しいが、ブログを通して世の中の変化を感じる、世の中の人の目や耳となることをモチベーションにすれば、わりと面白いように思う。くわえて昔流行ったアルファブロガーの時代とことなり読者層も「普通の人」が増えている。奇抜な行動に出なくても良い記事を書いていれば評価してくれる土壌も出来つつある。ブログを通じての出会いもまた魅力の一つだ。

 情報が溢れる世の中で、情報を自分なりに租借し、解説する技術は今後ますます求められるようになっていくだろう。これからの時代に「趣味としてのブログ」は「わり」とお勧めのように思う。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。