Google ネット検閲反対を訴える takeaction をオープン

 Googleが政府によるネット検閲反対を訴える takeaction をオープンした。

 Googleは次のように問題を呼びかけている。

 インターネットの自由を規制しようという動きは、近年顕著になりつつあります。42 の国で、インターネット コンテンツが恣意的に選別され検閲が行われています。このわずか 2 年間で、オンラインでの表現の自由を脅かす 19 の新法案が世界各地で成立しました。

 いくつかの国の政府は、12 月に開かれる非公開の会合でインターネットを規制する動きを進めようとしています。この条約の修正案が適用された場合、インターネットの検閲が許され革新や創造の芽が摘み取られる恐れがあります。

 修正案の中には、合法的な発言への検閲や、インターネット アクセスの遮断さえも政府が行うことを許可するものがあります。

 YouTube、Facebook、Skype などのサービスに対し、国境を越えてサービスを提供する場合は一定金額の新しい関税の支払いを要求する案もあります。これは、特に新興国の市場の人々にとって、情報にアクセスする足かせとなる可能性があります。

 こういったネット検問に対して「自由で開かれたインターネット環境への支持を表明しましょう」とGoogleは呼びかけている。既に二百万件を超えるユーザの声が世界各国から届いている。

高まるネットの脅威

 弱者に力を与えるインターネットの脅威は、政府にとってソーシャルメディア普及以降、日を追うごとに強くなっている。Twitterの美談として語られる「アラブの春」はまさにその典型だ。

 「Freedom House」による「インターネットの自由度」の調査レポートでも、アラブの春が起きた中東諸国を中心に、政府の介入が強くなってきている。

 私も今年の頭に、2020年を視野に入れたインターネットの次なるステップに大きな影響を与えるのは政府の介入になるだろうとする記事を書いていた。

問われる「インターネットとは?」

 インターネットが常にオープンで中立で有り、オープンだったという特性が、インターネットを社会基盤に成し得た理由の一つである事は明らかだ。これがもし、何をするにしても政府の許可が必要で、ホームページの開設やブログの記事投稿ですら政府の検閲が行われていたとしたらここまで発達したとは思えない。

 インターネットにとって「オープンで有り自由」というのは最大のキラーコンテンツなのかもしれない。

 しかし、その一方で「中立で公平。オープンであるべき」という理念は、通信事業者には次なるインフラ革新の道を困難にしている要因の一つでもある。また、現在のインターネットの議論の一つでもある「インターネットは雇用を生むのか?奪うのか?」という観点でも、マッキンゼーの調査によれば今現在では雇用を生む効果の方が高いとされているが、これが2020年頃にはグローバルに繋がった世界で労働の奪い合いが今より過酷になる可能性も有る。

 既にインターネットは「コンピュータを繋ぐもの」という検証室の実験段階から、「人と人を繋ぐもの」にかわり、「産業と産業」を繋ぐものへと変わろうとしてきている。

 今までのインターネットの歴史は、アトム(物質)の世界とは独立したビットの世界を作り上げてきた、言わば過渡期。TCP/IPしか流れていなかったビットの世界をアトムの世界同様にリッチにするために雇用が生み出されてきた。しかし、これからのインターネットは、従来人が行っていた判断や異なる組織間で行われていた重複した作業を「自動化」することに活用されるようになっていくと考えている。

 そういったより重要な役割を担いつつあるインターネットに対して、私は「言論の自由を阻む」「表現の自由を阻む」「監視を行う」といった「検閲のための規制」には反対だが、産業の発展や国レベルでの雇用の維持という観点からは今のままで良いのかと思う部分はある。

 極端な話インターネットで全ての経済が行われる時代に、Googleがインターネットの有望なサービスを提供しそこから生まれる全ての富を獲得している可能性もある。実際ネット上の広告ビジネスの多くはGoogleが胴元となっている。

 「検閲」には反対だか、「これからのインターネットを考えた中立性と公平性」については協議されるべきなのでは無いだろうか。

 

 



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    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。