成功者には腰が低い人が多いという理由がわかった気がする。

決して私は成功者と言える程の人間では無いのですが、成功している方は腰が低い方が多いと前々から思っていたのですが、最近理由が少しだけ、いえ、間違っているかもしれませんが、分かってきたような気がします。

自分の力だけでは成功出来ない

当たり前のことですが、何かを成し遂げようとした時に、一人の力では大きな事を成し遂げる事は出来ませんよね。良く言われることだし、自分でも理解しているつもりでした。

しかし、最近とある経験を通して、本当にその言葉の意味がわかってきました。その経験とは、今年の自分の目標である、ソーシャルカンファレンスの運営を通してです。正直、いつも不安で押しつぶされそうになるんですよね、大きな事を言ってしまった、本当に人は集まってくれるんだろうかと、毎日ビクビクしています。

しかし、そんな私の心配とは関係なく、色々な人が力を貸してくれるんですね。もう、本当にそれは私が把握しきれない程に。ご協力頂いた方のお名前はこちらに記載させて頂いているのですが、本人からの希望もあり記載していない方々もいらっしゃいます。先ほどのページの記載者以外の企業名をパッと思いつくだけ列挙しても、TechWave様、キャノン様、VMware様、マイクロソフト様、ゴールドマン・サックス様、三菱東京UFJ様、デジタルハーツ様、といった錚々たる企業の方々が支援して下さっています。

なんの見返りも提供させて頂くことが出来ないかもしれないのに、この私の個人的な想いから起ち上げたイベントに本当に感謝しきれない位の協力を惜しみなく提供して下さっています。だから、心から思うんですね、何かを成し遂げたいと思った時に、自分の力だけでは実現出来ないと。

そして、思うんです、きっと世の中で成功した人というのは、こうやって支援してくれる人が居たから成功したんだろうと。そして、更に感じるのは、大勢の人から支援されて一つ一つの事が進んでいくので、腰が低くなっていくんだと。

私は今まで「成功した人は腰が低い」という言葉の意味を「ごまをするのが上手い、建前を話すのが上手い人」と思っていました。そういう人も多くいるのだと思いますが、私は今、なんだか、本当の言葉の意味を理解出来たような気がしています。

力を貸してくれた人に報いるために成功させる

そして、今僕はそういった体験を経て「成功する」という言葉の意味にも、違う理解をするようになりました。正直な所、このイベントを起ち上げた時に、自分の中には自分が注目をされる事が一つの目標だった部分はあると思います。

でも、今は違うんですね。自分を支援してくれた人達に報いる事が成功なんだと感じています。協力してくれている人達と飲んだ時に、自分の夢を語ってくれた人が居ました。その人は「自分の娘が将来、大きくなった時にパパの会社で働きたい」と言われるような立派な会社を作るのが夢だと、語ってくれました。僕は、それに対してどこまで力をかせるかはわからないけれど、その人の会社が大きくなって欲しいと思うし、少なくとも、その人が「パパはこんな、イベントを昔やったんだよ」と娘に語った時に「パパ凄いね!尊敬する!」と言ってくれるようなイベントにしたいと思いました。

ある人は「大元さんの誠実なイメージがあるから、スタートアップを紹介したい」と言ってくれた人が居ました。そんな人が紹介してくれるスタートアップなのだから、僕はその人達が羽ばたくきっかけになるようなステージを作りたいと思いました。

父の背中

私には父が居ます。両親は共働きで私が小さいころ殆ど家には居ませんでした。そんな環境もあってか、私は父を尊敬していませんでした。恐らく20代中盤位まで、父を見下していたと思います。いつだったか、私の給料明細を見て父がこう言いました「お父さんの給料、隆志にもう抜かれてる、立派になったな」と。そんな事を言う父が私には、とても小さく見えました。

そして、暫くして父の会社は倒産し失業することになりました。幸いにして定年間近であったため、家族の生活に倒産の影響は殆どありませんでしたが、そんな父を情けないと思いました。

ある日、ライフイズビューティフルという映画を観ました。お調子者の父親が、綺麗な女の人をナンパして、結婚し、子供が生まれるというお話です。いつもお調子者のお父さんが出ているチャラチャラした映画だと、初めは思いました。しかし、戦時中をテーマにしたその映画は、徐々に暗い話になっていきます。ナチスの収容所に入れられ、悲しい最後が訪れます。

その映画を見て、僕は涙が止まりませんでした。映画で感動した以上に、自分の父親がどれほど素晴らしい人だったかを初めて理解したからです。

父親という存在は、常に家族を安心させるために存在していたんだと。私が生まれてまもない頃、私に貧しい想いをさせないために昼夜を問わず働いていたんだと、初めて気付きました。父の会社が倒産した時、どれ程辛い想いをしていたんだろうと、初めて当時の父の気持ちを思いやりました。

私が父を見下し、情けないと想い、小さく見えたその背中は、子供には辛い想いをさせまいという優しさと、家族を守る愛情で一杯の背中だったんだと私は初めて気付きました。

父親という存在がどれ程偉大な存在なのか、初めて気付きました。こんな大切な事を一本の映画から教えられました。それ以来、私にとって自分の父というのは、誰よりも誇れる存在です。

僕は、そんな風に思うから、スタートアップとして頑張るお父さん達を応援したいんだと思います。その後ろには、お父さん達が守ってあげないといけない家族が居るんだからと。

そして、僕達の世代は父親になる世代です。これから生まれてくる子供達が、笑顔で暮らせるように、自分の出来る事から始めたいと思います。そんな僕の小さな想いに協力して下さっている方々に、この場を借りて心から感謝致します。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。