あなたのFacebookのファンページのファンは、あなたのファンですか?それとも単なる数値ですか?

ループスの岡村さんのブログで興味深いエントリーが掲載されていた。

内容は、Facebookのファンペーシを如何に盛り上げるかという点について公開コンサルを実施するというものであり、私自身もFacebook上にファンページを持っているため、興味深く拝見させて頂いた。
このエントリーの内容については、私はFacebookコンサルでも無いので、とやかく申し上げる事は無い。しかし、ファンページのファンに対する考え方が私とは異なっていたので、私の考え方を述べたいと思う。

定量面ばかり議論されるファンページ

Facebookファンページの話になると、如何に「ファン」を獲得するかという事が常に話題になる。ファンページ運営者なら誰でも考える事だろう。しかし、少し立ち止まって「ファン」という言葉の持つ本来の意味を少しイメージして欲しい。

あなたが欲しい物は「ファン」ですか?それとも単なる「数値」ですか?
企業のマーケティング担当者なら、きっとこう答えるだろう。「業績評価に反映しやすいので、数値が大切」と。

そう答えるのも無理も無い。ファン数1000人という数値があって、それが純粋なファンの数なのか、そうでないのかを判断する事は難しい。仮に純粋なファンを判断する方法があったとしても、純粋なファン1000人と、そうでない人達が1000人だった場合に、どの程度、業績に反映するのかを証明する事も難しい。

そういった点を考慮すれば、マーケティング担当者が、自身の業績として報告しやすい「ファン数」という定量面に傾倒する事は仕方がないとも言える。

しかし、私がFacebookファンページのコンサルをまかせられたなら、ファンページの定量面に着目するのでは無く、定性面で判断すべきだとアドバイスする。

見過ごされがちなファンページの定性面

マーケティング担当者にとって、フェースブックのファンページは個人の業績考課のための「数集め」が中心になるかもしれない。しかし、それでは単なる告知媒体が他の媒体からFacebookに移っただけの事であり、Twitter、Facebook、企業サイト、広告媒体への出稿等を考えれば、告知手段だけがやみくもに増加し、マーケティング担当者の業務量を増加させているだけだと言える。

しかし、そもそも、企業という物はマーケティング担当者だけで成り立っているわけではない。テレビ局なら番組制作者や脚本家、アナウンサー等たくさんの「個人」が存在する。出版社にも編集者や記者やイラストライターといった様々な能力を持った「個人」が存在する。製造業にも製品の企画を担当する人、製品を作る人、製品を販売する人等、役割に応じて様々な人や部署が存在する。

そこで、私はこう考える。
ファンページはファンの声を、実際のコンテンツや商品、サービス提供者に届けるための場所として活用すべき。

そうなると何が嬉しいだろうか。これは、実際にファンページを運用した事のあるならすぐに実感出来る事だ。

純粋なファンからのアクションは例えどんな些細な事であっても、単純に「嬉しい」くて「励みになる」のだ。イイね!を押して貰うだけでも良い、たった一行のコメントを残して貰うだけでも良い。例えノーレスポンスだったとしても「ファンページに加入してくれた」という事実だけで嬉しいのだ。Facebookのファンページは「自分の創りだした何か」「自分の携わった何か」について純粋に「イイね!」と言ってくれる「生身の人」が存在するという事を可視化してくれる。そういった行為で感じる「嬉しい」が次の創作意欲に繋がり、「もっと良い物にしたい」という気持ちを育むのでは無いかと思う。

私の例を一つ紹介してみよう。

私のFacebook上の友人に長期間の入院を余儀なくされている子が居る。私はその子とそれ程面識があるわけでは無いけれど、Facebookのウォールへの書き込みからその子の病状や、悩みを垣間見る事が出来る。その子はどうやら入社して間もない状態で身体を壊してしまい、入院生活を余儀なくされているらしい。自分がその子と同じ立場に置かれたらどう考えるだろう。きっと周りの成長して行く同期達を見て不安に思う事だろう。その子のウォールからもそういう心情が見て取れた。

「あぁこの子に何かしてあげられる事は無いだろうか?」と思った時に、私に出来る事はこのブログを通して、少しでもその子の所属する業界でどういった事が起きているかを、伝えてあげる事ぐらいだと考えた。

時折、その子事を思い浮かべながら、「こういう情報を知りたいんじゃ無いだろうか?」といった視点でエントリーを書く時がある。私からはその子に何も言わないけれど、そのエントリーに対して、その子が「イイね!」と押してくれている時、私は「少しは役に立てたかな、良かった、良かった」と思い、例え「イイね!」と言ってくれた人が、その子だけだったとしても、書いて良かったとホッと胸をなでおろす。

そして、また、その子が「イイね!」と思ってくれて、少しでも不安な気持ちが和らぐような、エントリーを書きたいと思う。

顔や、名前の分かる人達から「イイね!」という言葉や「コメント」を貰えるという事は、コンテンツの提供者が自分の手がけるコンテンツに対して愛情を注ぐ事に良い影響を与える事に繋がる。上司からの命令で作れと言われて「仕事と割りきって」作ったものと、「その商品を買った人が心から喜んで貰える良い物を作りたい」と思い作ったものと、どちらが素晴らしい商品になるだろう?答えは考えなくても明らかだろう。

「イイね!」という声は、単なる「数値」では無く、そこに「生身の人が居る」という事を教えてくれる。その「生身の人の声援」を自社に届ける仕組みを作る事が出来れば、企業全体の価値を向上させる事に繋がるだろう。

一歩先を行く、マーケティング担当者は、ファンページの持つこういった定性面にも注目すべきだろう。



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    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。