iPadの10分の1以下の$35という驚異的な価格のタブレットをインドが開発。2011年から高等教育機関で導入を検討。

iPadは大きな革命をもたらしました。一つはキーボードとマウスという古いUIを排除した事。もう一つは、それにより、直感的に誰でも操作出来るようにした事で、PCアレルギーだった人にも「PC」を使えるようにした事。

iPadによって、どこに居ても、誰でも、簡単に、世界中の情報にアクセス出来るようになりました。

しかし、そんな偉大なiPadでも成し得てない事が一つあります。それは、「貧困層」へのデバイスの提供です。

世界を見渡して見ると、iPadの$499を安いと思って手に入れる事が出来る人達はまだまだ少数です。中国やインドの平均的な毎月の月収が「月3~5万円」と言われていますから、このような国にとって、iPadはまだまだ高嶺の花である事に間違いありません。

先進国ではiPadのようなデバイスが登場する事で、ますます情報の入手や整理が容易になる一方で、そういった優れた製品を購入する事が出来ない国の人達との情報格差はどんどん拡大してしまう。今、世界的なデジタルデバイド(情報格差)が問題になっています。

$35のタブレット

そこで登場したのが、$35のタブレット。$499のiPadの10分の1以下の価格でタブレットPCの開発に成功したと、インド政府が発表しました。

Indian Expressによると、OSは価格を下げるため、無料で利用可能なLinuxを基に開発。オフィスソフト、PDF Reader、テレビ会議、メディアプレイヤー、ウェブブラウザが利用可能になるとの事です。更にオプションとして、ソーラパワーによる駆動も提供される予定との事です。

インドの人材資源開発大臣(Human Resource Development Minister)のカピル・シバル(Kapil Sibal)はこう言います。
「米国のMITも同じような目的で$100のラップトップを開発しようとしていた。今回発表した$35のタブレットは、それに対する我々からの答えだよ。」
 ※2005年に、マサチューセッツ工科大学(MIT)は世界の子供達のために$100のラップトップのプロトタイプを公開しました、しかし、それは結局、倍のコストがかかることになりました。

この$35のタブレットは、インド政府が計画している、インド国内に存在する25,000の大学と、500 大学院・研究所をブロードバンドで結ぶ計画の一部であり、学生をターゲットにしています。

Sibal氏は、この夢のようなデバイスが、来年にはインドの高等教育機関で導入される予定だと語っています。

$20での販売を目標とし、最終的には$10での提供を目指すという事ですから、これが実現されれば、本当の意味で「誰でも」利用可能なPCが登場する事になりそうですね。

全ての生徒が自分のPCを持ち、日常的にテレビ会議を利用し、クラウドの整備された学校で学んだ学生が社会に出て行くインド。今でもインド人は優秀だと言われていますが、今後増々優秀な人材を輩出する国に成長していきそうですね。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。