Facebook Phone に期待する事。もう電話番号とメールアドレスに依存した携帯電話は要らない。

Facebookがスマートフォンを開発しているというニュースが話題ですね。

・携帯電話メーカーINQ Mobileと共同で、Facebookの中心的な機能を目玉にした2種類のスマートフォンを開発しているという。
・このスマートフォンはAT&Tのネットワークを利用する可能性があり、欧州で2011年前半、米国で2011年後半に登場するだろう。

正直な所、このニュースを聞いても特に驚きは感じませんでした。何故なら、ウェブサービスの主戦場はPCでは無く、既にモバイル経由でのトラフィックが大半を占めています。世界では次世代無線規格である「LTE」の提供を開始している国も複数有り、このLTEを利用している国では、モバイルの回線速度も固定網並、国によっては固定網以上にモバイルの回線速度の方が早くなる国が登場しています。

そんなモバイルの中でも、スマートフォンの人気は世界的なトレンドであり、ニールセンの調査によれば、米国では2011年のQ3にはスマートフォンは過半数に達すると予想されています。

スマートフォンの販売台数No.1は依然としてフィンランドのNokiaですが、Facebookのライバルでもある、GoogleはAndroidで成功を収めていますし、iPhoneを有するAppleも巨大な勢力です。ガートナは2014年にはGoogleのAndroidがNokiaを抜いてトップシェアになると予想しています。

もし、今後、google meがリリースされモバイルを中心としたSNSで主流に踊りでたら?AppleのPingがiPhone/iPadとより密に連携し、これもまたモバイルを中心としたSNSとして人気を博すとしたら?

これからの主流は明らかにモバイルである事を考えれば、今や全世界で5億人のユーザを集め、断トツの強さを誇るSNSの王者Facebookでさえ油断するわけには行かないでしょう。ですから、Facebook自身がモバイルプラットフォームを持ちたいと考えるのは、極めて自然な流れであり、別段の驚きはありませんでした。むしろ、「やっときたか」という印象を受けた位です。

■Facebookに求めるもの
しかし、Facebookがモバイルプラットフォームを作るからと言って、「Facebookという刻印の入った、単なるスマートフォン」を持ちたいとは思いません。

「Facebookを持ち運べるスマートフォン」にして欲しいと思います。

■電話番号が「主役」ではなく、ユーザそのものが「主役」なスマートフォンを
Facebookを持ち運ぶとは?それはこういう事です。以前こちらにも書いたのですが、もう、従来のスマートフォンや携帯電話では当たり前だった概念である「電話番号」中心のコミュニケーションスタイルを変革して欲しいという事です。

Facebookを利用されている方はおわかりだと思いますが、Facebookには様々なコミュニケーション手段が実現されています。
 ・Chat
 ・掲示板
 ・メッセージ
 ・動画、写真の共有

スマートフォンでもこれらの機能をFacebookのサービスとシームレスに連携出来るプラットフォームを実現して欲しいと思います。誰かにコンタクトしたいと思えば、友達リストから自分の好みのコミュニケーション手段を選択して連絡する。

このような仕組が実現されれば、スパムのような迷惑メールの「お知らせ」に悩まされる事も、時間を占有される「音声」によるリアルタイムコミュニケーションを強制される事も無く、キャリアを変更する度に電話番号と「アドレス変更のお知らせ」をする必要も無くなり、キャリアに依存しない機種選びが可能にります。

更に、ソーシャルによって、フィルタリングされた有益な情報、友達の「楽しかった」瞬間の共有、大切な「イベント」の開催情報、そういった物が常に表示され、アプリを立ち上げ無くても情報が更新されている、そんな新しい体験を体感出来るモバイルプラットフォームを実現して欲しいと思います。

勿論「ユーザアカウント指定で音声による通話」を「VoIP」で全世界のユーザとの通話の実現も忘れずに。

■標準である事の意味
勿論、多様な手段でコミュニケーションを取る事はiPhoneでもgoogleでも可能です。しかし、それが標準でサポートされているか?そのプラットフォームのユーザはそのコミュニケーション手段に慣れ親しんでいるか?という事が大切です。

従来のフューチャーフォンユーザやスマートフォンユーザにとって、標準で提供されていて、慣れ親しんでいるコミュニケーション方法と言えば、勿論、電話番号による通話と、メールアドレスによるメールでしょう。

それが「標準」なプラットフォームであれば、それを利用している人達とのコミュニケーションは、そのどちらかを利用するのが「標準的な」コミュニケーションする手段になります。

しかし、そもそもFacebookに慣れ親しんだユーザを対象としたプラットフォームであれば、旧来の制約にとらわれない「進化したコミュニケーション」を中心に持って行く事が出来るのでは無いでしょうか。

そして、もしその進化したコミュニケーションが「次世代の標準」になる時が来れば、世界の通信インフラで当たり前のように考えられてきた「電話を利用するための通信インフラ」という設計コンセプトから大きく変わるきっかけになるのでは無いでしょうか。

匿名が当たり前だったネットの世界に、実名の文化を持たらしてくれたFacebook。電話番号とメールアドレスというこの二つの習慣が「標準」となっている「電話」の文化に、「ソーシャルを持ち歩く」という新たな文化を注入して欲しいと思います。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。