私のTwitter活用術と成功事例

ツイッターノミクスが先日発売され話題ですね。私のTL上でも良く名前が飛び交っています。

私はまだ読んでいませんが、購入されている方の感想を見ると、購入の動機は「Twitterを遊びで使う」というよりは、「Twitterをビジネスで活用する」方法に興味があるように多いように感じます。こちらの解説文を読んでも単なるTwitter本ではなく、ソーシャルメディア全体を扱った内容のようです。

豊富なアメリカの事例をもとに著者自らの体験から書き起こされた新しいビジネスの本。
「これはTwitterについての本ではないTwitterに代表されるウェブ2・0に花開いた数々のツールブログ、ポッドキャスト、SNS,wiki、ソーシャルブックマークetcで、私たちの世界のルールがどう変わったかを革命的に教える本だ!」(解説の津田大介氏)

さて、という事で、私もTwitterをビジネス活用している人間の一人です。今回は私なりのTwitter活用術を紹介したいと思います。
 ※あくまでもビジネス活用を例とした向けの内容であり、コミュニケーションツールとして楽しんでいる方向けではありません。Twitterの使い方はシンプルであり、そのため使い方は人によって様々であり、私の活用例や考え方を強制する物ではありません。

■140文字で何が出来るか?
先日、Yoniuri Onlineのこんな寸評が話題になった。

なぜ、こんなものがはやるのか。インターネットの世界で利用者が急速に増えている「ツイッター」にそう首を傾かしげている人は多かろう◆140字以内の短文を誰でもネットに発信できる。読んでもらう相手を決めておく必要はない。いわば「つぶやき」だ。「腹減った」「もう寝る」もある。政治経済や国際情勢、宇宙を語っている人もいる

Twitterがメディアで注目を浴びる一方で、こういった批判も目にするようになった。Twitterを批判する方々の多くは140文字しか使えない点を挙げる事が多いようだ。しかし、140文字という文字は少ないだろうか?140文字と言えば、三回呟けば原稿用紙一枚分だ。小学生の頃、夏休みの宿題で原稿用紙三枚分の読書感想文を考えるのに頭を抱えていた人も多いのでは無いだろうか?

時折ふぁぼったー等を見ていると、原稿用紙1枚分を140文字に納めたような、深い呟きに出会えるのもTwitterの魅力。国内最大の発行部数を誇る読売新聞の寸評とは異なり、海の向こうでは、その140文字を最大の脅威と捉えているメディアも登場してきている。

そして、最も大切な事は文字では無い。140文字をきっかけとして、「人とのリアルな出会いが生まれる事」と私は思っている。

■私のTwitterを軸としたソーシャルメディア活用術
私はTwitterとブログを活用して、このような流れで人脈形成に利用している。

  1. 日々の関心事をTweet
  2. Twitterの検索で類似の発言者をフォロー
  3. Twitterで得た情報を整理する
  4. アウトプットの質が向上する
  5. トレンドや最新情報を整理してブログ更新
  6. Twitterでブログ更新を告知
  7. 興味分野が類似しているフォロワーが増える
  8. 勉強会やオフ会で名刺交換
  9. 情報交換や挨拶と称して会社等オフィシャルな場で実際にお会いする
 10. 最初に戻る

私はTwitterとブログをこのように使いわけている。
 - Twitterは情報を収集するツールであり、人と繋がるための入り口
 - ブログは自分の知識を整理するためのノートであり、自分を知って貰うための履歴書

様々な分野の方がTwitterで厳選したニュースを私のTLに運んできてくれる。このお陰でその分野で何を注目すべきかを知る事が出来、やみくもに情報収集するより格段に効率よく、意味のあるニュースを知る事が出来るようになった。
そして、ブログはパーソナルブランディングのためのツールとして利用している。流石に140文字で自分の全てを伝える事は出来ない。Twitterで私に興味を持って頂いた方に、ブログを見て貰う事で、自分の専門領域等を伝える事が可能だと考えている。

この二つが相互に作用し、初めて人と繋がるための入り口としてTwitterが機能する。

もし、Twitterしか無かったら?140文字だけの世界であれば自分を偽り続ける事は可能。ためになるニュース記事のURLを呟くだけで、その道のエキスパートと偽る事は可能だ。ブログで一定量の記事を継続して書く事で「本物」と証明する事が出来る。言わば自分のリアルを写す「履歴書」だ。

しかし、ブログしか無かったら、毎日更新し続けるには多大な労力が必要となるし、ブログは読書からの感想を得られにくいため、モチベーションが維持出来ない。感想を得られないという事は、人とも繋がれないという事を意味する。更にブログでは告知方法が限られており、自分の知人と時折訪れる検索ワードにひっかかった人の目にしか触れる事は無い。そんな状況では「自分を知って貰う」事等出来る筈もない。

Twitterとブログがお互いの欠点を補完しあう事で「人と繋がるツール」に進化する。

■トラックバックとコメント欄は過去の文化
余談だが、先日のオルタナティブ・ブロガーミーティングにてブロガーのトラックバック、コメント率のランキング等が発表されていた。コメントは一つのエントリーに対して平均して1.5前後だった。100万PVを誇るオルタナティブブログですら、一つの記事に対して貰えるコメントは2個も行かないとすれば、平均PVが100前後の個人のブログならコメントなんて付かなくて当たり前と思って、ただひたすら記事を投稿していくしかないだろう。

しかし、コメントは無くてもTwitter上でのRTや感想が大量に発生しているという事はよくある。時折自分のブログの名前をTwitterで検索すると記事に関する議論が飛び交っている光景も良く見える。

ブロガーとの接点がコメント欄とトラックバックしか無かった時代と異なり、Twitterというメディアが登場した今となっては、ブログのコメント欄や、トラックバックは過去の文化になったと感じる。

この事からも、読書との接点をキープしたいと考えるブロガーは、Twitterを活用すべきだと思う。

■Twitterを活用する利点
 Twitterを活用する以前も、懇親会等にはよく参加していた。残念な事に、そこで名刺交換をしても次につながるような事は無かった。しかし、Twitterを活用しだしてからは状況が変わった。

 名刺交換を行い、両者がTwitterを利用しているという話になればそこでお互いのアカウントを教えあう。私の場合は本名なので簡単に検索して貰う事が可能だ。
 そこで、お互いに相互フォローしあうだけで、繋がりがうまれる。緩い繋がりかもしれないが、「全く関係が途絶える」という事より全然良い。そして、TwitterのTLを通して自分という人間を知って貰える。見られているという事を意識して誠実で聡明な発言を心がけるようにすれば、その後に繋がっていくだろう。

■Twitter成功例
 私のTwitter成功例としては下記のような物がある。

 ・ITmedia オルタナティブブログへの参加
  まず、こちらのブログへ参加させて頂いた事が一つの成功事例だろう。Twitterを通して知り合った「ビジネス2.0の視点」の林さんからお誘い頂き、晴れてオルタナティブブロガーの一員に加えて頂いた。

 ・二冊目の書籍オファー
  ある分野に関して興味を持っていた所、Twitterを通してより詳細に情報収集を行う事で、企画を立てる事が可能になり、二冊目の書籍執筆へと繋がった。書籍のタイトル等は近々紹介させて頂きたい。

 ・IPv4枯渇TFへの参加
  こちらに関して、とある東京大学の先生から「入ってよ」と、お誘いはあったものの、運営されている方からのコンタクトが無く、どうしたらいいものか?と思っていた所、Twitter経由で理事をされている方から「参加」許可を頂き、メンバーに加えて頂いた。

 ・帯域制御動向調査に伴なうヒアリング
  こちらの件に関して、関係団体に対する動向説明をする際に、Twitterでお付き合いのある通信事業者、ISPの方々からヒアリングさせて頂いた。

 ・著作権侵害コンテンツ対策に伴なうヒアリング
 現在こちらの件に関して、ある分野に関する動向調査を行っている。ここでも、国内大手コンテンツプロパイダーCEOと、海外大手コンテンツプロパイダーCEOの方々からのヒアリングに成功した。勿論きっかけはTwitterだ。

上で挙げた最後の三つの成功事例は、そもそも一企業、一個人という視点ではなく「国家として、業界としてどうあるべきか?」という視点で考えるべき内容であるため、企業間の枠組みを超えて、様々な立場の方々からの意見を収集する事が大切だと私は考えている。特に著作権侵害については、権利者の主張、プロパイダーの主張、消費者の主張、国家の成長というそれぞれの視点によって、対処したい内容が異なり、判断を誤れば「自由な創造の場」が奪われ、コンテンツ市場自体が縮小する事になりかねない。

Twitterがなければ、これらのヒアリングを行うにしても、一企業の社員でしかない私がコンタクトを取っても門前払いされていた事だろう。これらの成果は全てTwitterの緩い繋がりが実現してくれた事だ。

■私が見た、他の方々のTwitter成功事例
 ・Twitterで次々と企画を実現していく孫社長

 中山君、コンタクトね。RT @higamoeru: @masason エヴァンゲリオン携帯の企画プロデュースをしたものです。iPhoneとツイッターを使った、番組企画があるのですが、企画を持ち込んたら、ご検討いただけますでしょうか?

 中山君、すぐコンタクトしてね。RT @tsubuyakuNTV: 御社のご担当者様より編成局金田までご連絡頂ければ幸いです。RT @masason: 了解‼ RT @tsubuyakuNTV #tsuburen

 検討しましょう。日テレさんにも。中川、栗坂君、宜しくRT@4001field: @masasonさん、Ust & twitterをする番組作らないんですか? 日テレはもうやってるので、協力ぐらいしては?#tsuburen

中山さんも大変だ。
 日本企業の中でTwitterの活用方法という面で、一歩先を行くソフトバンクグループは、ソフトバンクオープンDAYと呼ばれイベントを企画し、企業とユーザが対話するシーンを積極的に作り出そうとしている。
 従来型のマスへリーチする広告戦略から、ユーザと企業の距離を縮める対話型の広告戦略が注目を集めているが、「白い犬のお父さん」によるイメージ戦略で急激にシェアを伸ばしているソフトバンクグループのこういった対話型イベントは、他企業も大いに学ぶべき所があるのでは無いだろうか。

 ・Twitterで一躍有名になった福岡の高校生
 孫さんがTwitterを開始した時に、孫さんが三番目にフォローした事で有名になり、ダイヤモンドで特集されるまでになったumekenさん。彼はまだ高校生であり、この年齢でメディアから注目を浴びる事は大きなチャンスになるだろう。

 ・Twitterとブログを活用して新聞にまで登場した林さん
 「ビジネス2.0の視点」の林さんもTwitterを大いに活用されている方の一人だ。こちらの記事によれば、遂に新聞にまで取材されたとの事。これからの更なるご活躍に期待したい。

そして、これまで述べた事以外に大切だと感じている事がある。

■最も大切な事
Twitterを通して上記の成功例以外にもたくさんの方々と日々呟きあっている。その呟きの内容は、時には落ち込んだ内容であったり、愚痴であったりする時もある。

そんな時、私はジャチェック・ウツコさんのこの言葉を思い出す。

私のように貧しい国に住み、小さな会社のつまらない部署で働きながら、予算も何も無い所でも、それでも「自分の仕事を最高レベル」に持って行くことが出来ます。

Twitterの中には自分の状況とは全く異なり、仕事の成功でやる気に満ちている人も居る。自分を励まし応援し、力づけてくれる人達が居る。そういった人達と呟きあう事で、自分のモチベーションを維持し、「自分の仕事を最高レベルに維持したい」と気持ちを駆り立ててくれる事だと私は感じている。

これだけの事を実現してくれているTwitterに、140文字の文字制限に拘る意味が何処にあるんだろう?



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。