ドキュメンタリー映画「100万回生きたねこ」が上映中

1977年に講談社から出版された佐野洋子氏の「百万回生きたねこ」を紹介します。初版から35年が経過しても色あせない人気。現在、この絵本に人生を動かされた人たちを綴った「ドキュメンタリー・100万回生きたねこ」が上映されています。

原作のあらすじ
100万年も死なない猫が居ました。100万回死んで、100万回も生きたのです。立派などら猫でした。

100万人の人がその猫を可愛がり、100万人の人がその猫が死ぬたびに、涙が枯れるまで泣きました。でも猫は、一回も泣きませんでした。

あるとき、猫は王様の猫でした。猫は王様なんか大嫌いでした。その王様はとても戦争が上手で、何時も猫を立派なかごに入れて戦争に連れて行きました。ある日猫は飛んできた矢に当たって死にました。王様は戦争中なのに猫に駆け寄り、猫を抱いて大きな声で泣きました。

あるとき、猫は船乗りの猫でした。猫は海なんて大嫌いでした。船乗りは世界中の海と島へ猫を連れていきました。あるとき、猫は船から落ちて死にました。船乗りは慌てて海に飛び込み猫を救い上げました。猫はびしょぬれの雑巾のようになって死にました。船乗りは大きな声で泣きました。

あるとき、猫はサーカスの手品使いの猫でした。猫はサーカスなんて大嫌いでした。手品使いは毎日猫を箱の中に入れて、ノコギリで胴体を真っ二つにする手品を演じていました。ある日、手品使いは間違って本当に猫を真っ二つにしてしまいました。手品使いはちぎれてしまった二つの身体を丁寧に包み、舞台の裏で大きな声で泣きました。

あるとき、猫は泥棒の猫でした。猫は泥棒なんて大嫌いでした。泥棒は犬の居る家にだけ泥棒に入りました。犬が猫に気を取られている隙に家に忍び込むのが手口だったのです。ある日、猫は犬に噛み殺されて死にました。泥棒は死んだ猫を抱えて街を歩き、声を押し殺して泣きました。

猫が死ぬ度に、みんな泣きました。猫はみんなに愛されて居ました。でも猫は、死ぬのなんて平気だったのです。



ある時、猫は誰の猫でもありませんでした。猫は初めて自由になりました。猫は自分が大好きでした。猫は100万年も生きた立派なドラ猫だったので自分に自信もありました。「俺は百万回も死んだんだぜ」と言うと、どんなメス猫も猫のお嫁さんになりたいと思いました。

そんな時、猫の目の前に、真っ白なメス猫が現れました。そのメス猫は、猫を見てもこっちに近づいてきません。気になった猫は、その白いメス猫に近づいて「俺は百万回も死んだんだぜ」とアピールしました。

でも、白い猫は「そぅ」とだけ呟いて、猫を相手にしようとしませんでした。猫は少しムッとしました。



でも猫は、次の日も、その次の日も、白い猫のもとへ通いました。「君は、まだ一回も死んでないんだろう?」、「そぅ」とそっけなく応えました。「俺はサーカスの猫だったこともあるんだぜっ!」そう言うと、猫はクルクルっと宙返りをして見せました。白いネコは「ふーん」と顔を横にそらしました。

「俺は百万回もっ!・・・」とまた言い掛けて、「そばに、、、居ても良いかな?」と白い猫に尋ねました。白い猫は「ええ」とだけ応えました。

それから、猫は、白い猫のそばにいつまでも居ました。月日は流れ、白い猫は可愛い子猫をたくさん産みました。猫はもう「俺は百万回も!!」とは決して言いませんでした。猫は白い猫とたくさんの子猫を自分よりも好きになりました。

やがて子猫達は大きくなって、それぞれどこかに旅立って行きました。白い猫は少しお婆さんになっていました。猫はいっそう優しくなりました。猫は、白い猫と一緒に、いつまでもいつまでも生きていたいと思っていました。

それからまた月日は流れ、ある日、白い猫は、猫の隣で静かに動かなくなっていました。猫は百万年生きて初めて「泣きました」。夜になって、朝になって、また夜になって、朝になって、、、猫は百万回泣きました。

ある日のお昼に、猫は突然泣き止みました。猫は白い猫の隣で寄り添うように、そっと静かに動かなくなりました。あんなに泣いたのに、猫の顔はとても幸せそうでした。猫はもう、決して生き返ることはありませんでした。

百万回生きて、百万人に愛されても、自分しか愛していなかった時には、死ぬことなんて怖くなかった猫。死ぬことがまるで自慢だった猫。
でも、たった一匹の「猫」に出会って「愛する側」に廻った時、猫は二度と生まれ変わることはありませんでした。

どうして、猫は生まれ変わらなかったのでしょう。愛を知って、愛する人が居ない世界に生まれ変わることに意味を見出せなくなってしまったのでしょうか。それとも「愛」を知ったことで、成仏できたのでしょうか。それとも自分を失った百万人の人達の悲しみを知り、生まれ変わることを止めたのでしょうか。

とても短い話ですが、読む人それぞれに異なる解釈の生まれる名作。私もまだ見ていないのですが、とても気になる映画ですね。

★ドキュメンタリー映画「100万回生きたねこ」★
公式サイト http://www.100neko.jp/index.html



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