Kindle Fire HD、Nexus 7、iPad mini 何を買えばいいの?

先月 Kindle fire HDが発売され、Apple、Google、Amazonの7インチタブレット機が出揃いました。値段が手頃になったこともあり、悩んでいる方も多いことでしょう。三機種を利用シーンや用途、スペックから比較してみました。購入時の手助けになればと思います。

用途別に考える各機器の特徴

■Kindle Fire HD 高音質、高画質で映画や音楽を楽しむ
 Kindle Fire HDを購入するにあたって、一番注意すべきポイントは、OSはAndroid 4.0.3ですがGoogle Play Storeを利用出来ないという点です。従ってAndroid製品でありながらAndroidマーケットの豊富なアプリを全て利用出来るわけでは無いという点です。そのかわりAmazonの提供するアプリストアからKindle Fire用のアプリケーション等を利用出来ます。

 この点からもわかる通り、Kindle Fire HDはアマゾンの得意とする映画や音楽を楽しむデバイスであるという点です。Kindle Fire HDが特徴的なのはレビューに高音質を評価するレビューが多い点にあります。スマートデバイスには珍しくドルビーオーディオ・ステレオスピーカーを搭載しているため、広がりのある音を得意としています。

 また、HD画質の動画を安定して再生するために通常のWi-Fiよりもストリーミングが早く、接続の安定性が高いデュアルバンド、デュアルアンテナWi-Fi(MIMO(複数の送受信アンテナで通信品質を向上させる技術))を搭載しています。他のタブレットよりも、接続は切れにくく、ダウンロードは40%速く、より遠くから無線LANスポットにアクセスできます。

 速くて安定したWiFi、高音質なスピーカによって、Huluによる映画視聴やYoutubeを見たり、音楽を聴きたい方には最適です。

 反面、WiFiモデルしか用意されていないので、外出先での利用には不向きであること、Androidマーケットのアプリが利用出来ないという点から、ビジネス利用やゲームにタブレットを利用したいという方には不向きです。(ウェブブラウザやメールは利用出来ます)

 エンターティメント = ◎
 ゲーム = △
 ビジネス = ×

 エンターティメントを楽しみたい方には最も適しています。

■iPad mini 何でもこなす万能タイプ
 iPadシリーズから洗練された思想とデザインを受け継いだ、三機種の中で最も完成度が高いモデル。値段が他機種の二倍近いですが、その値段が気にならないのであれば最も良い製品では無いでしょうか。

 ビジネス利用でもKeynoteによる高品質なプレゼンテーションは最近の講演等では最早定番となっています。iWork系のアプリを使えばMS Officeのファイル等を編集することも可能であり、ビジネスシーンでも十分利用可能です。背面カメラが唯一搭載されている機器でもあるため、このカメラを利用した書類のスキャン等も可能です。

 一時問題になったiOS6の地図問題もGoogleがiOS用に「Google MAP」を提供したので影響はそれほど大きくなくなりました。

 一点改善点を挙げるとすれば、Retinaディスプレイでは無いといった所でしょうか。LTEモデルも提供されていますので、外出先でも問題なく利用出来ます。

 欠点を挙げるとすれば、何でも出来る万能モデルであるがゆえの値段の高さと、何でも出来てしまうのでこの価格ならスマートフォンと用途や利用シーンが被ってしまい、結局はスマートフォンかiPad miniのどちらかしか使わないという結果になってしまう可能性があるといった所でしょうか。

 エンターティメント = ○
 ゲーム = ○
 ビジネス = ○

 質感やデザイン性を重視する女性には特にお勧めです。

■Nexus 7 Aandroid版万能タブレット
 iPad miniがアップル版万能タブレットなら、Nexus 7はAndroid版の万能タブレットといった所でしょうか。しかし、iPad miniと状況が異なるのは、Android市場には「まともなタブレット」が殆ど存在していなかったという点です。

 iPad miniはiPadやiPhone5等といった完成度の高い製品があったため、どちらかの機種を持っている場合には利用シーンが重複する可能性があります。しかし、Androidのタブレット製品はお世辞には「良い」と感じる製品は殆ど無かったため、Googleの提供するクラウドサービスやAndroid市場のアプリに魅力を感じる方は、初めてタブレット製品で使用に耐える製品が登場したというのがポイントです。

 ビジネス利用では、Googleのクラウドサービスは魅力的ですが、サードパーティから提供されるアプリやセキュリティという観点ではiPad miniの方に若干軍パイがあがるります。

 Androidの魅力はアングラな世界も垣間見えるという所ですが、アーケードゲーム等の多数のエミュレータ等もリリースされているので、一番プレイ出来るゲームの数は最も多いです(但し、違法にアップロードされたゲームをダウンロードするのは違法です。)

 エンターティメント = ○
 ゲーム = ○
 ビジネス = △

 Windowsパソコンとの連携、Googleの提供するクラウドサービスをタブレットで利用したいという方には最適な製品です。

パソコンが無くても楽しめるKindle、パソコンの二台目としての他二台

 Kindle Fire HDはエンターティメントに特化した造りになっていることもあり、映画や音楽を楽しみたいという用途であれば、パソコンが無くても利用出来ますし、買って即利用出来ます。

 Nexus 7もiPad miniも100%有効活用しようと思えばパソコンが必須となります。利用しているパソコンの有無によっても、有効活用出来るデバイスは異なるでしょう。

スペックの比較

利用シーンや用途を考えれば、自ずと選択する機器も決定してくるかと思いますが、価格や重量、バッテリー持続時間で考えも変わることもあるため、下記にスペックの比較を掲載します。

価格はKindle Fire HDが最も安く、Nexus 7、iPad miniと続きます。次に重量は逆の並びとなり、iPad miniが最も軽く、次にNexus 7、Kindle Fire HDという順番になります。最後はバッテリーの持続時間です、Kindle Fire HDが11時間、iPad mini、Nexus 7という順になります。

Kindle Fire HD iPad mini Nexus 7
本体
価格 1万5800円 (16GB WiFi)
1万9800円 (32GB WiFi)
2万8800円 (16GB WiFi)
3万9800円 (16GB LTE)

4万4800円 (64GB WiFi)
5万5800円(64GB LTE)
1万9800円 (16GB WiFi)
2万4800円 (32GB WiFi)
OS Android 4.0.3 iOS 6.0 Android 4.1
ディスプレイ 7インチ
16:10
IPS液晶
7.9インチ
4:3
IPS液晶
7インチ
16:10
IPS液晶
解像度 1280 x 800
(216 ppi)
1024 x 768
(163 ppi)
1280 x 800
(216 ppi)
プロセッサ TI OMAP 4460
(Cortex-A9, 2コア1.5GHz)
アップルA5
(Cortex-A9, 2コア)
NVIDIA Tegra 3
(Cortex-A9, 4コア 1.2GHz)
メモリ(RAM) 1GB (512MB) 1GB
ストレージ 16GB / 32GB 16GB / 32GB /64GB 8GB / 16GB
ポート類 microUSB,
microHDMI,
3.5mmヘッドホン/ヘッドセット
Lightningコネクタ
3.5mm ヘッドホン/ヘッドセット
micro USB,
3.5mmヘッドホン/ヘッドセット
前面カメラ HDカメラ 1.2MP
720p動画
1.2MP
背面カメラ × 5MP
1080p動画
×
スピーカー ステレオ(デュアルドライバ x2),
ドルビーオーディオ
ステレオ ステレオ
セルラー通信 ×
(LTE版)
×
WiFi 802.11a/b/g/n
(2.4GHz/5GHz対応)
802.11a/b/g/n
(nは2.4GHz/5GHz対応)
802.11 b/g/n
(2.4GHzのみ)
Bluetooth 4.0 4.0 3.0
NFC × ×
バッテリー 11時間
(4400mAh)
10時間 8時間
(4325mAh)
サイズ 厚さ 10.3mm
幅 137mm
高さ 193mm
厚さ 7.2mm
幅 134.7mm
高さ 200mm
厚さ 10.45mm
幅 120mm
高さ 198.5mm
重さ 395g 308g (WiFi)
312g (LTE)
340g
発売日 2012年12月19日 2012年11月2日 2012年9月25日
備考 Google Play利用不可。
アマゾンAndroidアプリストア対応。

迷ったらNexus 7がお勧め

 映画や音楽が楽しみたくて、Huluとウェブブラウザのみで十分という人ならKindle Fire HDをお勧めしますが、やはり何でも出来た方が安心という方も多いでしょう。別に何に使うってわけでもないんだけど、タブレット流行ってるしとりあえず手頃なのが一台欲しいという方もいるでしょう。

 そういう場合には、Nexusu 7が値段も手頃で、入門機としてお勧めです。

 ただし、タブレットは利用してみるとわかりますが、結局「万能モデル」は最終的には求められなくなっていくようには思います。パソコンやスマートフォンと用途が重複してしまうからです。一台目はNexus 7やiPad miniといった万能型で自分がタブレットをどんな用途で利用する傾向があるのかを理解し、二台目以降はKindle Fire HDやKindle Paperwhiteといった用途特化型を選択してみるのも良いかと思います。

 参考までに私の利用例を紹介します。
 ・気が付けば増えているガジェット類

 二年程前の状況と異なり、特徴を理解して購入すれば、どれを購入してもそれほど不満を感じるデバイスは無いと思います。本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。