電子書籍の成功の鍵を握るブロガー

2012年10月1日~2012年12月31日までに、当サイトから購入されたKindle電子書籍の数は195書、合計310冊となった。商品毎のグラフを作成するとこのようになった。

複数売れたのは195書中27書籍のみ

アマゾンのビジネスモデルが登場して以来、eコマースの世界でロングテールという言葉を耳にしない日はない。良く売れるのは上位20%の商品だが売り上げを支えるのは下位80%の余り売れない商品達で、それをグラフにすると長い尻尾(ロングテール)のようになるのでこう呼ばれている。在庫を持たないネットショップの基本的なビジネスモデルだ。

当サイトの売り上げも、二冊以上売れた書籍は上位27品で、この27品が売り上げの50%を占めたが、残りの50%を占めるのは一点ずつ売れた書籍達だ。まさにロングテールと言えるだろう。なおトップ3が73冊売れているが、これは当サイトの記事で取り上げた書籍であり、ブログの本文で紹介したものはやはり、「良く売れる」。

頭で理解するのと、実際に体験するのとでは、その数値から見えてくる光景が異なってくる。このロングテールの状態を見ていると、アマゾンが何故レコメンドを早期から実現していたのかも良く理解出来る。メディアや広告主体の告知に頼った販売や、展示数に限りのあるリアル店舗ビジネスでは「膨大な数の商品に埋もれてしまった、名作」が、多数出てきてしまうのだ。こういった埋もれた名作を放置しておくのは、商売人でなくても「もったいない、あぁこんな良書があるのに」と思ってしまう。そういう気持ちになれば、関連商品をレコメンドするというのは顧客視点に立つと自然な考えのように思える。

ちなみに、当サイトから購入された書籍の中で、一点ずつしか売れていないが、私が読んでみたいと思った本にこんなものがある。

生き方
 私の尊敬する京セラとKDDIの創業者、稲盛 和夫氏の人生哲学。「動機善なりや、私心なかりしか」という氏の言葉にとても感銘を受けた。2004年の刊行以来50万部を超えるベストセラー。

かわいい子には、『こづかい』をあげるな!
 タイトルが目についた書籍。ついつい子供には小遣いを与えてしまうものだと思うが、この本によれば高年収の人ほど子供に「こづかい」をあげていないという。学校教育ではお金の使い方の授業は無いが、金銭教育ガイドブックとして好評な一冊。

マネーボール
 ビッグデータの文脈で良く引用される書籍で映画にもなった。高額な年棒でスター選手を獲得するより、そこそこの年棒で堅実なプレイヤーを雇用した方が勝率が高くなるという、勘では無くデータで導き出した実話をベースにした小説。

心にしみる31の物語 仕事の作法・生き方の仕法
 心にしみる「名経営者」の物語、心にしみる「プロフェッショナル」の物語といったエピソードが31個紹介されている。値段は300円と手頃だがレビューを見ていると「泣けた」「感動した」と中々好評。

京都の寺社505を歩く<上> 洛東・洛北(東域)・洛中編 (PHP新書)
 私も何回か京都には訪れたことがあるが、その寺の歴史等は詳しくなかった。京都のエリア毎の見所や歴史を丁寧に解説した良書。

オウンドメディアは大型店。ブロガーは小さな書店

 出版社が自社のオウンドメディアを育てればそこからある程度の販売は見込めるかもしれない。しかし、一つのサイトで売れる商品の数には限りがある。出版社のオウンドメディアが紀伊国屋のような大型店なら、ロングテールの部分を担当してくれる「無数のブロガー」は小さな書店に該当する。「ブロガー」に販売員になって貰うことが、電子書籍時代に上手に本を売るポイントになってくるだろう。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。