ソーシャルメディアの普及で電話番号やメールアドレスが不要になる

「高齢者はハイテクが苦手」一般的にはそう考えられている方も多いと思いますが、そんな風に決め付けるのは、もう過去の事と考えた方が良いでしょう。Windows95の登場でパソコンとインターネットが一般の方々に普及しはじめたのが1995年。当時50歳だった方々も、今では65歳。年金を受け取れる年齢に達しています。

現在はパソコンを持って居なくても、携帯電話さえあればインターネットに接続する事が可能です。携帯電話の普及台数は統計上は一人一台に達しています。日本国内で、パソコンも触った事が無い、インターネットに接続した事もない、メールも使ったことが無いというような人を探す方が、今では難しいでしょう。

現在は高齢者といえども、パソコンもインターネットも当たり前。「お爺ちゃんはパソコン音痴」なんていう考え方は、考え直す必要があるでしょう。しかし、それでも、TwitterやFacebookを活用しているのは、まだまだ若い世代だけと感じている方も多いのでは無いかと思います。しかし、そろそろこの考え方も、見直す時期が近づいてきているかもしれません。

先日、Pew Internetから発表されたレポートによると、若い世代は勿論の事、高齢者の間でも、ソーシャルメディアが普及してきた事を裏付ける結果となりました。

高齢者の約50%がソーシャルメディアを利用している

この資料によると、50歳から64歳までのユーザの47%がソーシャルメディアを活用し、65歳以上でも26%が利用しているとあります。2005年の4月には、この両層を合わせても5%程度だった事を考えると、素晴らしい浸透率です。また、若年層に至っては、ソーシャルメディアはほぼ「当たり前」の存在の域に達している事がわかります。

次に、こちらの資料が世代別の利用例です。

主な特徴は18~29歳までの大半がSNSを最も利用しているという事と、高齢者が最も利用しているのはメールであるという点です。Twitterの利用率が意外と低いという印象を受けました。この資料は米国のものなので、日本だと少し数値が異なるかもしれませんが、Facebookがそれだけ浸透しているという事では無いかと思われます。

高齢者にとって、メールがまだまだ主役とはいえ、SNSの利用も33%、約3分の1が利用してきているということですので、完全にキャズムは超えている状態である事がわかります。

ソーシャルメディアの普及が変えるコミュニケーションの在り方

ソーシャルメディアが全世代に浸透していくことで、インターネットの存在価値が、「検索」で何でも情報が探せるという時代から、「そこに居る人」に、重要性が変化してきているのではないかと感じています。

そして、この傾向は従来までのコミュニケーションに、ある変化をもたらすのではないかと思います。

それは、私達の世代では当たり前のように存在していた「電話番号」と「メールアドレス」を交換するという儀式の排除です。

私達の15年程前のコミュニケーションを振り返ってみると、メールが無かった時代には、まずは「電話番号」の交換でした。しかし、メールが普及する事で、やがて電話番号の交換をするケースは少なくなり「メアド教えて」が主流になりました。

これからは、全世代でソーシャルメディアが普及していくでしょう。次に無くなるのは「メアド教えて」という儀式の終焉です。最近私もTwitterとFacebookで誰かと知り合う事が多くなりました。そこで、教えあうのは、FacebookとTwiiterのIDです。この二つのIDを教えておけばメッセージが交換出来ます。

そして、仲良くなってGmailのアカウントさえ教えておけば、音声による会話が出来る時代も近づいています。先日発表され米国で開始されたGmailからの電話が開始初日で100万Callに達したと報道されています。

ここ2~3年で、電話番号とメールアドレスが凄い古い物に思えてきたと感じています。電話はメールに取って変わられ、メールアドレスは各種サービスを申込む時の認証用として取得するのが主な利用例になってきました。私にとって、コミュニケーションの主役はFacebookとTwitterです。

携帯電話のSIMロック解除が声高に叫ばれますが、これも、メールや電話番号の存在意義を問うキッカケになると考えています。SIMロックが解除され、携帯電話を自由に選べる時代になり、キャリアも自由に選べるようになる時代。しかし、何かを変える度にキャリア依存のメールアドレスの変更通知を行う必要が出てきます。

そんな、SIMロック解除の自由度を制限するキャリア依存のメールアドレスより、FacebookのIDと連携してメールを送れる機能を付与して欲しいと思います。そうなれば、キャリアや携帯電話を変更しても、「アドレス変わりましたメール」を送らずにすみます。SIMロック解除の恩恵が教授出来るようになります。

今から生まれてくる子供達が大人になる頃には、世界中の人達がFacebookに参加しているかもしれません。世界中の人達が自分達の今をTwitterで共有しているかもしれません。自分達の言葉や思いを伝えるために、電話もメールアドレスはもう必要では無くなるかもしれませんね。



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プロフィール

大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。