IS03購入。購入してから三日間のIS03体験記。 - IS03 First Impression -

予約だけで27万台を突破した、Au期待のスマートフォン「IS03」を12月1日に入手しました。恥ずかしながら私にとっては、これが初めてのスマートフォン体験記となります。

IS03のレビューが各所で掲載されていますが、ガラケーからスマフォンに移行した者の目線でレビューさせて頂きます。

スマトーフォンへの期待と、IS03へ期待していた事

私がスマートフォンを購入して、こんな事が出来るようになったら良いのにと想像していた事を紹介します。

 Point1 Twitterの引用付きQTの実現
  ガラケーでのTwitter閲覧は引用付きのQTを行う事が出来ませんでした。
  私のポリシーとしてQTは、相手になんの呟きに対してか分かるように引用
  するようにしたいと思っていたのでこれを改善したいと思っていました。

 Point2 Twitter、Facebookの閲覧性の向上
  TwitterやFacebookでリンク付きのURLが含まれていても、ガラケーでは大半が
  「メモリ不足」と表示され閲覧出来ない状態でしたので、これを改善したいと思っていました。

 Point3 GPSによる目的地までのナビゲーション
  iPhoneを使っている人達と飲み会等に行くと、当たり前のようにiPhoneナビで目的地に到達しています。
  私は紙の地図を頼りに目的地まで移動していたので、スマフォンによるナビに憧れていました。

次に上記に加えて、IS03に期待していた事を紹介します。

 Point1 携帯電話のメールアドレスの引き継ぎ
  元々Auのガラケー「W52T」を利用していたので、ガラケーで利用していた
  メールアドレスがそのまま引き継げるという点が大きな理由

 Point2 Cメールが使える事
  Cメールを結講していたので、他スマートフォンには無い魅力に感じました。

 Point3 赤外線によるアドレス交換
  iPhoneユーザの不便な点として赤外線が利用出来ないという場面に良く遭遇していました。

 Point4 Jibeを触ってみたかった
  個人的にスマートフォン時代のデータARPU向上のキラーアプリはソーシャルメディアだろう
  と考えているので、モバイルキャリアが、ソーシャルメディア用アプリを標準搭載してきた事に
  興味を持っていたので、どのようなものなのか触ってみたいと思ってしいました。

上記のように、スマートフォンに期待したことと、IS03に期待した事が、IS03購入に至った動機です。

購入初日の使用感

IS03購入初日の感想は「最悪」の一言でした。初めてのスマートフォンという事もあり、期待が高かったせいもあるとは思いますが、初日の感想を一言で表すと「苦行」に尽きました。なぜ、不満に感じたのかを列挙します。

- 不親切なUI
まず、IS03の電源を投入して突然現れる「鍵」のアイコンに驚きます。

購入したばかりで、パスワードなんて設定した覚えは無いのに、「ロック解除」という画面が出るのですから、困惑します。更に、鍵の絵をタップすれば、文字入力の画面でも出てくるのかと思いましたが、何も表示されず、困りました。マニュアルを読んでも特に説明も無いので、時間だけが過ぎて行きます。仕方が無いのでインターネットで検索すると、鍵のアイコンを鍵穴までスライドさせる事で解除出来る事がわかりました。

スマートフォン、またはAndroidユーザには当たり前の事なのかもしれませんが、ガラケーから乗り換えたユーザにとっては、そんな操作はわかりませんし、決して直感的な操作とも感じません。更に、一番初めの操作なのですから、説明書の「はじめに」でも記載しておいてくれれば、すぐにわかるのにそういった配慮も無く、電源投入時から、「不親切さ」を感じました。

- 全体的に動作が「もっさり」している
苦労の末、ロックを解除して、初期登録されているTwitterを試しに使ってみました。しかし、またここでガックリです。TLがカクカク表示されて重いのです。その他ブラウザー等も試してみましたが、全体的に「もっさり」していて軽快では無い。TwitterのTLを見るだけならガラケーで見た方が余程快適です。

- レスポンスの悪いタッチパネル
動作が「もっさり」して不快に感じる点と、併せて、全体的にタッチパネルの精度が悪いと感じました。私もiPhoneをそれ程触った事は無いですが、iPhoneユーザを見ていると、狙った所をタップする事が出来て、小気味よく画面がドンドン変化しているような印象を受けました。恐らく、タッチパネルの精度が良く、頭で考えた事を指先からiPhoneにスムーズに伝えているのでは無いでしょうか。私もそんな軽快な操作をIS03に期待していたのですが、的はずれな所をタップしてしまうし、本体を横にしても、画面が瞬時に横向きにならず、ワンテンポ遅れて変わったりと、軽快とは言いがたく、ガラケーの方が余程軽快に操作出来るというのが印象でした。

上記のように、購入した初日の感想は、挙動が遅いこと、慣れない操作に戸惑い、スマートフォンに描いていた淡い幻想は打ち砕かれ、「ガラケーの方が全然使い易い」という印象を持ったのが正直な感想でした。

しかし、良かった点もあります。Au携帯からのEメールアドレスの引き継ぎ、Eメール本文の引き継ぎ、Cメール、赤外線によるアドレス帳の移行等はガラケー同様に使えた事です。Au携帯からのスマフォンへの移行という点では、合格点だと思います。

購入二日目 Androidアプリをインストールしてみる

「IS03使いにくい!」とTwitterで呟いていたら、色々な方がアドバイスをくれました。その方達のアドバイスに従って、AndroidアプリをInstallしてみました。

 □標準アプリの入れ替え(推奨)
 - ホーム画面   ADW.Launcher
 - ウェブブラウザー   Galapagos Browser
 - gMail   mod.Email for Eclair
 - Twitter   twicca

 上記のアプリケーションをInstallした所、「もっさり」が解消し、非常に快適に動作するようになりました。特にADW.LauncherとGalapagos Browserは動作が非常に軽快なのでお勧めです。まるで別の機種のように動作が改善されます。

 □導入推奨ツール
 Androidはマルチタスク対応ですが、複数のアプリが常駐している事に気づかず、次第にアプリケーションの動作が重くなる時があるので、下記二つのアプリケーションをInstallする事で、スリープモードになるタイミング等でそういったアプリケーションを一旦終了してくれるため、動作が重くなる事を防ぐ事が出来ます。

 - Automatic Task Killer(日本語版)
 - Advanced Task Killer

 □ガラケーにあった標準的なアプリケーシション
 - QRコード読み取り QRコードスキャナー
 - 電車検索 乗換案内
 - Cut&Paste   CopiPe
 - ファイルマネージャー   アストロ
 - 辞書  Web辞書ランチャー
 - 天気予報 天気予報
 - 映画館情報検索 CineShowTime

 ※地図機能は標準でGoogle MapがInstallされています。また、QRコードはIS03のカメラアプリでも読み取り可能です。

 □スマートフォンならではのアプリケーション
 - Facebook   Android用Facebook
 - RSSリーダ   NetaShare
 - クーポン検索 クーポンマップ
 - スケジュール管理 ジョルテ
 - 連絡先交換ツール Bump
 - InstPaper共有    Read Later
 - InstPaperクライアント AndReader
 - 大手新聞5社の記事をまとめて確認 新聞速報リーダー
 - 英語学習  VOAの最新ニュースで英語学習
 
これらのアプリケーションをInstallする事で、動作が軽快になり、初日に感じた、「もっさり感」は全く感じ無くなった所が大きなポイントです。その他アプリもInstallする事で、ガラケー時代に使用していたのと同レベル、または、それ以上の便利な機能を享受する事が出来るようになりました。

また、充電中の状態でイチイチスリープモードになってしまうのも、不便なので、下記の設定を行う事でスリープモードにならないようにする事が出来ますので、ウィジェット等を活用される方は設定を有効にしておくことをお勧めします。

 ・充電中にスリープモードにならないようにする
  メインメニューで[設定]→[アプリケーション]→[開発]→[スリープモードにしない]

購入三日目 初めての外出

三日目は研修という事もあり、終日外出する事になりました。朝9時30分から、19時までIS03を充電する機会がありません。自宅や勤務先で十分しながら利用していても、バッテリーの消耗は激しいと感じていたので、念のため下記の省エネ設定を事前に行いました。

 - WiFi、Bluetoothの設定をオフ
 - バックライト点灯時間を30秒
 - タッチ、選択時の操作音オフ
 - 画面の明るさを一番暗く設定
 - 充電100%の状態で外出
   ※但し、スマートフォンとしての機能を活用するため、GPSとバッククラウンドの同期はON。

結果は惨憺たるものでした。使用したのは、GPSによる研修会場の最寄り駅からのNavi、時折Twitter、Facebook、携帯メールのチェック。5分程の音声電話。それ程酷使したつもりは無いですし、充電100%で出勤して、20時には充電は10%になっていました。23時には電源は完全に切れてしまいました。

一日、充電出来ない環境での使用は厳しいと言わざるを得ません。ネット上でも色々とIS03のバッテリー問題の解消について議論されていますが、上記の省エネ設定と、GPSとバックグラウンドデータの同期もオフにすると良いとの記載がありますが、正直な所、そこまでしするのならスマートフォンを持ち歩く意味があるのかと思ってしまいます。

特にバッククラウンドデータの同期は、Twitterやgmailでは自分宛のメッセージ等が届いた事を通知してくれたり、Googleカレンダーとジョルテの同期もとても便利です。こういった機能をオフにして、自分宛てのメッセージが届いた事を一々確認するのではガラケーで各サービスにアクセスしているのと代わりません。

更に心配な事は、購入して数日でフル充電状態から一日も持たないバッテリーです。リチウムイオンバッテリーの特性として年数が経つにつれ、より電池の消耗は激しくなるでしょう。数日しかたってないのにこの状態ですから、一年後、二年後にはどうなっているのか心配です。最近の携帯電話は半ば二年契約がデフォルトの状態なのですから、二年間位はマトモに使用出来るように改善して欲しいものです。

購入して数日の所感

IS03購入から四日経ちましたが、最初に感じた「もっさり感」は全く感じなくなり、UIについても慣れてきたため、操作面での不満は無くなりました。バッテリーの持ちだけが不満な所でしょうか。

冷静に振り返ってみると、下記のように良い点、悪い点を整理出来ました。
 □IS03の良い所
  - 赤外線により従来のガラケーと情報交換が可能
  - Eメールアドレス、Eメール本文を引き継ぎ可能(Auのみ)
  - Cメールが利用可能
  - ガラケーの絵文字がメールで入力可能
  - 画面が綺麗
  - 豊富なAndroidアプリが利用可能

 □IS03の悪い所
  - 標準でInstallされているアプリケーションは「もっさり」してて使えない
  - バッテリーの消費が激しい

バッテリーの持ち以外は、概ね満足です。購入前の動機は満たせています。バッテリーについても、終日外出という時は不安ですが、オフィスと自宅で充電環境がある場合には、数時間程度の無充電期間程度なら、問題無く利用可能だと思います。Au携帯からのスマートフォンへの移行を考えてるユーザには、十分選択肢に成り得る端末だと思います。Auユーザ以外の方々にも、ワンセグ、お財布ケータイ機能といったガラケーならではの機能をスマートフォンに求めた居た方々にも十分納得出来る製品だと思います。標準の文字入力でガラケーの絵文字が入力出来るのも、メリットと感じるユーザは多いでしょう。

しかし、ある程度ITリテラシーのある人で無いとつまずく事も多いと思うので、その点は注意した方が良いでしょう。

Au、いや、日本製スマートフォンとしては良く頑張ったと思います。しかし、デザイン面も含めて良くも悪くもiPhoneに近づこうと頑張っているのはわかりますが、「iPhoneを超えていない」という印象です。少なくとも標準でInstallされているアプリケーションを総入れ替えしないとストレス無く使えないようでは、一般ユーザには到底受け入れられる事は無いでしょう。もし、一般ユーザはまだまだスマートフォンを利用しないと考えているのなら、一般ユーザに広く受け入れられているiPhoneに遠く及ばないでしょう。

キャリアの囲い込み戦略重視より、ユーザの利便性重視を

今回IS03は赤外線、ワンセグ等のスペックの差別化を図り、予約だけで27万台、Auからシャープへの発注も60万台に到達しているとの事であり、数字面では「大成功」と言える状態です。しかし、本当にこの製品がヒットしてしまって良かったのかと、私は疑問に感じます。

IS03を購入すると、Au製のアプリケーションが多数Installされています。スマートフォンに注力して業績挽回を試みるAuの意気込みを感じるのですが、結局の所、これらAu製アプリは殆ど利用されないのでは無いかと思います。

キャリアとしてこういったアプリケーションで「他社との差別化」を図る気持ちは良くわかるのですが、Androidに限らずスマートフォンの魅力はなんといっても、その豊富なアプリケーションです。キャリアお手製のアプリケーションを幾らお金をかけて開発した所で、多くのAndroidアプリに埋もれてしまう事でしょう。

更に、キャリア独自のアプリケーションを盛り込む事で、Androidのバージョンアップ時にキャリア側の対応負担が発生します。IS01がAndroid1.6でバージョンアップが停止したように、キャリア独自の作り込みが多ければ多い程、ユーザにとっては、将来バージョンアップ対応が出来ないかもしれないというリスクを負う事になります。Androidのバージョンアップと共に、下位バージョンでは動作しないアプリケーションも増えてくるでしょう。もし、OSのバージョンアップが出来なければユーザは「進化しないAndroid端末」を使い続けるハメになります。

そんな将来的なリスクをユーザに背負わせる部分に注力するより、もっと注力すべき所はあったのでは無いでしょうか?
バッテリーの持ち、標準でInstallされているアプリケーションの選択(もう少し動作の快適な物を何故選ばなかったのか?)、ガラケーユーザのつまづきやすいポイントから初回ブラウザ起動までの簡易マニュアルの準備、色々と工夫出来る所はあったのでは無いかと思います。

今回のIS03の大ヒットで、「もっと注力すべき部分」が見過ごされてしまうのでは無いかと不安に感じてしまいます。

ガラケーの良かった所とは?という点をもう一度良く思い出して欲しいと思います。購入した時から、分厚いマニュアルを読まなくても、誰でも電話がかけれて、メールが送れて、ブラウザを見る事が出来る。「誰にでも簡単に安全な電話を提供する」それこそがガラケーから引き継ぐべき「伝統」だったのでは無いでしょうか?

これからも、Made in Japanのスマフォンが多く登場する事でしょう。ガラケーの最も素晴らしい点は「多機能、高性能」では無く「誰にでも簡単な事」だったのでは無いでしょうか。そして、その誰にでも簡単に使える事を最も重視して大成功しているのが、他ならぬ「iPhone」なのでは無いでしょうか。

amazonのKindle、AppleのiPhone/iPad、どちらもマニュアルを見なくても、ある程度の知識があれば、誰でも簡単に扱える製品です。グローバルな世界でヒットする製品とは、「誰にでも簡単な使える事」なのでは無いでしょうか。

皆さんが追いつこうとしているiPhoneは、皆さんが昔、一番得意としていた事なのでは無いかと思います。スペック面での追随より、日本人本来の極め細やかさで、「おじいちゃん、おばあちゃんでも簡単に使えるスマートフォン」を作り上げて欲しいと思います。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。