ルサンチマンにならないために

ソーシャルメディアの魅力に人との出会いを挙げる人は多い。日常の生活では遠い存在だった人と接点を持つことが出来る。もしかすると個別にメッセージを送り合う仲になるかもしれないし、食事をする機会を得ることもあるかもしれない。

しかし、遠く憧れだった存在が、身近に感じることで、「憧れ」が「ルサンチマン」にかわることがある。

ルサンチマンとは?

「ルサンチマン」とはニーチェ曰く「弱者が抱く、強者に対する怨恨感情」である。この感情には「嫉妬」や「妬み」も含まれる。遠い存在であった時には、憧れであったが、身近になるにつれて、生活レベルの違い、交友関係の違いが気になるのだ。

「嫉妬」や「妬み」のレベルならまだ良い。憧れの対象だった存在が、自分の身近な人になるお蔭で、対等な付き合いを求め出す。私が貴方の投稿に常に反応するように、私の投稿にも反応して欲しい。私が貴方の会話を覚えているように、私の会話も覚えて居て欲しい。自分が相手に抱く感情と同じレベルで、自分にも向けて欲しいと思うようになるのだ。

しかし、実際には今まで雲の上だった存在の人とソーシャルメディア上で繋がっただけであり、実際の心の距離が縮まったわけでは無い。相手にとってはまだまだ身近では無いのだ。

ここで、ふとしたきっかけで、対等に自分を扱わない相手に対し、「怒り」の念に代わる。今まで抱いていた憧れが強ければ強いほど、「憎む」あるいは、「失望」に捕らわれる。

これは、極端な例かもしれないが、ソーシャルメディアの奇跡的な出会いは、時に興奮を、時に失望をもたらすこともある。

出会いをより良いものにするために

せっかく訪れた奇跡の出会いを無駄にしないために、2つのことを提案したい。

一つ目は、ソーシャルメディアとはあくまでもきっかけをもたらす物だということを理解することだ。そのきっかけは貴重な物だが、人の距離を急速に縮める魔法の杖では無い。奇跡の出会いから、友人のようになるまでには現実の世界と何ら変わらないということを理解しておくと良いだろう。

二つ目は、憧れの存在との間に感じる距離は、自分の成長の伸びしろだと思うことである。憧れの存在との間に感じる溝は、自分の成長のために必要な溝なのだ。その溝を埋めていくことで、次第にその存在に近づくことが出来る。その溝が深ければ深いほど、成長することが出来るのだ。奇跡の出会いが無ければ、その溝を感じることは出来なかっただろう。その出会いに感謝し、その溝を埋める努力をすることで、成長出来る。そして、その溝が埋まったとき、憧れだった存在は、きっと貴方を同等の人間として接してくれるようになるだろう。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。