三半規管で観るプラネタリウム「スペースボール」体験記

「宇宙飛行士にしか見ることの出来ない光景を全ての人に」をテーマに、東京国際フォーラムでテレビ東京主催で開催されていたプラネタリウム「スペースボール」。東京最後の公演となったが体験してきたので、興奮を伝えたい。

まず、スペースボールとは直径10mの移動式球体シアター。これに、JAXA(宇宙航空研究開発機構)提供による最新の衛生画像と宇宙からの映像がシアター全体に投影され、正面だけでなく足元、側面、天井、全てが「満天の星空」に包まれる。その光景はまさに「宇宙船」そのものとなっている。

視聴では無く体感するプラネタリウム

当初、プラネタリウムと聞いていたので、シートに座って天井の辺りに星座が現れ、ナレーションと共に時折流れ星が流れていく、そんな光景を想像していたのだが、まったく次元が違っていた。IMAXシアターを遥かに超える包容力で映像と音の力に圧倒されっぱなしだった。

一番驚いたのは、ロケットの外に星空が見える演出で、ロケットが加速するシーンで「身体が動く」のだ。断っておくが酒に酔っていたわけでも、よくあるアトラクションのようにシートが動いたりするわけではない。自分は立っているだけなのだが、ほぼ視界の全てがスクリーンとなっているので、映像が高速に動くと「身体が移動している」と錯覚してしまうのだ。

どんな大きな映画館や、IMAXシアターでも視界の一部はスクリーンの枠等があり、そによって脳は「これは映像だ」と認識することが出来る。しかし、「スペースボール」は映像が繋ぎ目を感じることなく視界全体に映し出されている。更に18.2chの立体音響によって自然な音が再現されている。

視界全体を覆う映像と、自然界の音を再現したこの新たな「プラネタリウム」は三半規管が騙されるのだ。

一通り人類が到達する最も遠い場所への旅が終わり「人類とは」を問いかける。最後に流れるサラ・ブライトマンの「ANGEL」が流れると、なぜか感動がとまらなかった。

3Dや4Kより「視界」がポイント

上映時間は10分ほどであっというまに終わってしまった。もっと続きがみたいと思わせる久しぶりに興奮したアトラクションだった。ここ暫くiPad等でHuluを観て「品質」は「利便性」に勝てないと思っていたが、スペースボールは映像・音楽・音響、全てが最上級のものが使われており、「良い物は良い」んだと、改めて認識させてくれる良い時間と空間だった。

もしこれが、3Dや4Kのスクリーンで普通の映画館でみていたらここまでの感動は無かったと思う。もし未来の映画館があるとすれば「スペースボール」のように「家庭では再現できない」見せ方が今後重要になるのではないかと感じた。

東京での公演は残念ながら終了となったが、大阪、名古屋などでも順次開催されるようなので、この新しい体験を多くの人に体感して貰いたいと思う。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。