通信業界トピック 2013年 第五週

先週は国内モバイルオペレータ三社の決算が出揃った。詳細は別記事に記載しているのでそちらの記事を参照して欲しい。

今週の私が重要と考えた主な動きを紹介する。

ソフトバンク、スプリント買収を巡る海外動向

米司法省と国土安保省はソフトバンクのスプリント買収計画について国土安全保障の観点から調査を進めている。調査の目的は、何らかの事件が発生し裁判所命令があった場合、ソフトバンクが米当局に協力して通信傍受を行うことが実現可能かを確認することだという。

スプリントの広報担当者、ジョン・テイラー氏によれば、海外企業が重要な米国企業を買収する場合に定型的に行われるもので懸念する必要は無いとしている。

ソフトバンクによるスプリント買収に異議申し立てをしていた、米ディッシュ・ネットワークは異議申し立てを一旦見送る方針を明らかにした。

しかし、ディッシュの狙いはクリアワイヤだが、クリアワイヤとの買収協議は引き続き継続する。

ベライゾンもClearwirerのもつ豊富な2.5Ghz帯の周波数についてFCCにコメントを提出。

グーグル、フランスで6000万ユーロのデジタル出版基金設立へ

本トピックでも「グーグル税」として取り上げてきた欧州におけるグーグルとフランスのメディア各社との著作権をめぐる争いだが、筆者の認識ではこれは2010年から続く争いで「グーグル税」と表現されていたと記憶していたものだったが、最近は「リンク税」と呼ばれているようだ。(グーグル税とリンク税が別のものである場合にはご指摘頂きたい)

グーグルはこのリンク税を巡る争いで、下記二点について合意した。
 ・6000万ユーロを投じてデジタル出版基金を設立する
 ・メディア各社がオンライン広告から収益を得るための支援を提供

今回の合意によって、グーグルは検索結果にニュースの「抜粋」を表示することに対する金銭の支払いを免れた。

ホンダ、アップルの「Siri Eyes Free」を一部車種に採用

1月30日、本田技研工業の米国法人American Hondaは2013年モデルの一部車種にて、米アップルの音声操作機能「Siri」をハンズフリーで利用出来る「Siri Eyes Free」機能を搭載すると発表した。

Siri Eyes Freeとは昨年アップルがWWDCで発表した機能。車のハンドルにSiriを起動するボタンを組み込み、運転中にiPhoneに触れることなく、音楽を再生したり、地図アプリを見ることが出来るようになる。

対象機種は「Accord」、「Acura(アキュラ)」、「Acura RDX」、「Acura ILX」の四車種。

アップルのエコシステムがまた一つ拡大された。

アップル、米国で初めて携帯電話メーカー首位に

この所アップルに関するネガティブな報道が多いなかで、久しぶりにポジティブな話題。Strategy Analytics社の調査によると、2012年第4四半期の出荷台数で米国で初めて首位にたった。

アップルは同四半期に米国内で推計1770万台のスマートフォンを出荷し、34%の市場シェアを獲得。
第二位はサムスンで、1680万台出荷し、32%の市場シェアを獲得している。

Strategy Analytics社のエグゼクティブディレクター、Neil Mawston氏はアップルの好調は「アップルのエコシステム、キャリアによる販売奨励金、iPhone 5をめぐる大規模なマーケティング」が功を奏したと分析。

なお、2012年通年ではサムスンが出荷台数、市場シェアいずれも首位になっている。

米IDC 2012年Q4の全世界スマートフォン出荷台数を発表

米IDCによると2012年Q4スマートフォンの世界出荷台数は2億1940万台、前年同期比36%増となった。2012年通期では、スマートフォンの世界出荷台数は7億1260万台で前年同期比45%となった。

 2012年Q4出荷台数(単位は百万台)
 1位 サムスン 63.7
 2位 アップル 47.8
 3位 Huawei  10.8
 4位 ソニー  9.8
 5位 ZTE   9.5
 その他 77.8
 総計 219.4

中国、世界最大のスマートフォン生産国に

2012 China Internet Industry Annual Conferenceによれば、中国からのスマートフォン出荷台数が2億2,400万台に到達。世界最大のスマートフォン生産国になったという。

同カンファレンスでは中国のモバイルインターネットについても言及。それによると2012年、中国のモバイルインターネットは急速に拡大しており、2012年末、中国の携帯電話を使用するインターネットユーザは4億2,000万人に達し、総インターネットユーザの74.5%を占めに至ったという。

2015年に中国のモバイルインターネット市場は4,296億人民元(6兆1,738億3,800万円)に達し、インターネットユーザユーザ数は8億人にのぼるとの見解を示した。

※過不足とうあれば、ご指摘頂ければ幸いです。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。