Nexus7購入で感じた万能だけど中途半端なファブレット市場

ようやくNexus7を入手することが出来た。本体写真は散々既出なので割愛する。率直に感想を述べると良く出来たバランスの良い端末だと思う。ウェブを見るのも携帯するのもバッテリーの持ちも特に不満は感じない。売れているのもうなずける。

しかし、私はスマートフォンとiPadを既に持っていたので、これにNexus7が加わるわけだが、あまりNexus7を使うことはないように思う。外出時にはスマートフォンは必ず持ち出すし、帰宅してスマートデバイスを利用する用途はニュースサイトの閲覧やHuluを見るときが多い。そうなるとiPadの出番になる。

もし、タブレットを持っていない人ならNexus7は自信を持って勧めることが出来るが、タブレットを持っている場合どちらかを使わなくなる可能性がある。

スマートフォン、ファブレット、タブレットの比較

最近、Nexus7のようにスマートフォンとタブレットの中間サイズを「ファブレット」と呼ぶようになってきた。下記に各スマートデバイス毎にコンテンツ毎に比較を行った。なお、私の環境はスマートフォンは3G/WiFiを使用し、その他はWiFiのみとなっている。スマートフォンはIS03、ファブレットはNexus7、タブレットはiPadだ。

SmartDevice

・利用場所
まずモバイル用途では3Gが利用可能という点とサイズが小さくスーツの内ポケットに入るという点でスマートフォンが断トツで優れている。ファブレットは持ち運ぶことは出来るが鞄の中に収納することになるので電車の中で取り出してまで見るということは殆ど無い。タブレットは購入当初は持ち歩いたがやはり殆どのことはスマートフォンで事足りるので、一週間もすれば自宅から持ち出すことは無くなった。

自宅での利用となると様子は異なる。自宅ではHuluのサービスで映画を見たりすることがあるのでタブレットを良く利用する。ウェブの閲覧なども表示が快適という点もありタブレットをメインで利用する。スマートフォンは友人からのメールが入ることもあるので連絡手段として利用する機会がある。ファブレットは自宅で活躍する場面が殆どない。

・情報閲覧
情報閲覧に関してはどれを利用しても大差無い。しいてあげるならばTwitterをRSS等の情報収集代わりに利用しているならば、いつでもどこでも手軽に確認出来るスマートフォンとTwitterの相性は良い。タブレットを鞄から出してみるのは少し億劫といったレベルだろうか。あえて差をつけるならばというレベルであって、どれを利用するにしても問題無く利用出来るだろう。

・メッセージ
LINEやSkypeといった「即時応答」が好まれるコミュニケーションツール。これも携帯性の高いスマートフォンが相性が良い。Skypeのように音声を利用するアプリはファブレットやタブレットは形状的に電話をするには利用しづらい。

・SNS
SNSのメッセージや自分の近況を投稿する用途であればどれも大差無い。Facebookについてはニュースフィード上に写真や動画のリンクが流れてくることが多いため、画面が大きい方が使いやすいと感じている。

・電子書籍
Kindleアプリで比較したが、これは画面サイズの差が顕著に出る。スマートフォンでも読めないことは無いが文字が小さくなるため目の負担が大きくなる。画面のサイズが大きくなるにつれて実物の書籍を読んでいるのと変わらない読書体験に近づいていく。

・動画視聴
最も差を感じるのはこのコンテンツだ。Youtubeのアマチュアが投稿した動画を見る分にはどれでも大差ないが、プロが投稿したHD画質の動画等は画面のサイズに比例すると感じる。

私のタブレットの主な用途はHulu視聴だが、ファブレットだと画面が少し小さく映画を見るにはやや迫力にかける。

有料コンテンツのタブレット、無料コンテンツのスマートフォン

かってジョブスは「7インチは生まれる前から死んでいる」と評したことがあるが、こうやって三種類の形状を手にしてみるとその意味を良く理解出来る。

もしファブレット一台しか持っていないなら電話としての利用は不便に感じるだろう。電話が鳴ったときに鞄が取り出さなければいけないし、そもそも鞄の中で着信したことに気づかないかもしれない。Nexus7がWiFi版という理由もあるがNexus7だけを持って外出するということは無さそうだ。

Huluや電子書籍といった「有料コンテンツ」を見るためにタブレットは最適なデバイスだと感じる。スマートフォンは携帯性の良さから「無料コンテンツ」の視聴や「連絡手段」に最適化されている。

無料コンテンツ用デバイスと、有料コンテンツデバイスという視点で考えた時、スマートフォンとタブレットがあれば事足りると感じる。ファブレットは両者の長所を備えていて特に欠点も無いが、「用途に最適化」されたデバイスがある状態では「中途半端」な位置づけになってしまう。目的に対して最もベストな解を「シンプル」に紐解くのがジョブス流であるならば、確かにファブレットはどっちつかずな印象になってしまう。

Nexus7は良く出来ている。全てのコンテンツに対して不満無くアクセスすることが出来る。しかし、限定された用途に◎の付く「最適なデバイス」があれば自然とそれを利用するようになってしまう。

スマートフォンは持ってるけど、タブレットは高くて買えないという層のための、タブレット購入までの繋ぎのような印象を受ける。これからタブレット市場がより低価格化が進行するようになればファブレットの市場は無くなる可能性もあるのでは無いだろうか。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。