孫さんtwitterへ登場。その本当の狙いは?

昨日から孫さんがtwitterに登場。その少し前に鳩山総理の偽アカウント問題が発生したため、またまた偽物登場か!?という話題で盛り上がりましたが、一部のtwitterユーザがソフトバンク広報部へ確認するという行動に出て、どうやら本物だという見解に至った模様。

ちなみに孫さんのtwitterアカウントはこちら。
http://twitter.com/masason

本物だと判明してからの孫さんのフォロワーの伸び率は凄まじく、24日のクリスマスイブの初呟きから現時点で約1万8千人のフォロワーを集めています。現在呟きの数は8個ですから、1呟きで2250人のフォロワーを集めている計算になります。

twitterが様々な面で注目されるなか、こと企業においては情報漏えい等を危惧してtwitterの活用を見合わせる企業トップも多い中で、今回の孫さんの英断は今後の企業におけるtwitter採用にも影響を与えるのではないでしょうか。

孫さんの真の狙いは?

孫さんの呟きを引用させて頂くと、今回の狙いは次世代ビジョンの検討に活用したいとの事。

「来年は、我が社の創業30年。今年の株主総会で宣言しました。来年の6月の株主総会で次の30年分のビジョンを示す事を。 21世紀の人々のライフスタイルをもっと豊で楽しいものにしたいと思います。志を共有する多くの皆さんの意見を取り入れたいのでつぶやいてみてください。」

しかし、本当の狙いはそうでしょうか?私はこんな仮説を立ててみました。

仮説:「孫さんの真の狙いは口コミによる広告効果」

停滞する広告メディア
 2009年度の中間決算によると、電通、博報堂DYの両社共に主力のテレビ、新聞といった広告取扱高は、前年に比べいずれも10%以上の減少。

 ・電通
  売上高が前年同期比17・2%減の7858億円、純利益は12・0%減の71億円。

 ・博報堂DY
  売上高は14・0%減の4424億円、純損失が16億円。

疑問視されるテレビの広告効果
情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアが発表した、いわゆる「○○離れ」に関する関する意識調査の結果によると、最も◯◯離が進んでいるのは「テレビ」となっている。

最近した「○○離れ」は何ですか?
○○離れ

このデータを裏付けるかのように、TBSがテレビ広告の収入減によって赤字になるなど、娯楽の多様化によって、メディア広告の王様だった、テレビ広告に異変が起きていると考える事が出来るのではないでしょうか。

爆発的に増加するソーシャルメディア

では、メディアの王様だったテレビから離れていった人達は一体どこに行ったのでしょうか?行く先は様々ですが、ここに一つの手がかりになるデータが存在します。

Nielsenが発表した、ソーシャルネットワーキングメディアのユーザ滞留時間の伸びを記録したデータがあります。
Time Spent on Facebook up 700 Percent, but MySpace.com Still Tops for Video, According to Nielsen
Time Spent on Facebook up 700 Percent, but MySpace.com Still Tops for Video, According to Nielsen

この資料は米国での調査結果ですが、前年の4月と比較してFacebookが699%、Twitterはなんと3712%もの伸びを見せています。

どんなに技術が進化しても、一日が24時間である事を変える事は出来ませんから、こういったソーシャルメデイアが個々のユーザの心を魅了し、自由になる時間を奪っているとすると、テレビからソーシャルメディアへ人々の「楽しい時間を過ごす場所」がシフトしてきていると言えるのではないでしょうか?

バイラルマーケティングとしてのTwitter

全世界で爆発的なユーザ数の増加を記録しているTwitterですが、Twitterは140文字で言いたい事を伝えるという「お手軽」「リアルタイム」という特性を活かして、「今を仲間内で共有するツール」として利用されています。

この特性から「バイラルマーケティング」、と言ってしまうと難しく感じますが、ようは「口コミ」を広めるのに有効ではないかとマーケティングの業界で注目を集めています。

ニュースサイトに訪れた時に表示される、邪魔な広告のポップアップと、身近な友人が自分で使って良かった物を薦めてくれる商品、皆さんはどちらを選ぶ、又は注目するでしょうか?大半の方々は身近な友人の言葉を優先するのではないでしょうか?

ソフトバンク社員が「口コミ」の発生源に

孫さんがTwitterを初めると同時に、全グループ社員に対して、Twitterのアカウントを作成し、Twitterの利用を勧告したそうです。これを証明するかのように、ソフトバンクの社員と思われる方々が続々とTwitter上に現れました。

ソフトバンクの企業情報によると、ソフトバンクは現在グループ会社全てを連結すると約2万人の従業員を抱える一大グループとなっています。

twitterユーザの平均フォロワー数は100人前後と言われていますから、この2万人のグループ社員が100人前後のフォロワーを確保すれば、約200万人へ「口コミ」伝える広告販路が完成します。

孫さんの号令でtwitterへ参加されたソフトバンク系列企業社員のアカウントの特徴に以下のユーザをフォローしている特徴があります。
sb-twitter

左から「ソフトバンク公式アカウント」「SB新商品説明アシスタント」「白い犬のお父さん」「孫さん」となっています。恐らくは社内にtwitter登録用のウェブページ等がありそこから登録すると、この四人をフォローするようなシステムがあるのではないでしょうか。

これらのアカウントが発する内容を200万へRTする。そんな事が可能になります。下手なテレビや雑誌に広告を出すより、余程効果があるのではないでしょうか?

そして、最も大切な事はこの広告をソフトバンクが利用するのに「コストが発生しない」という事です。広告の費用対効果として考えるなら、これ程素晴らしい物はないのではないでしょうか。

孫さんの起源
今では携帯電話のソフトバンクが有名ですが、元を辿れば、書籍やソフトウェアの物流大手。孫さんはTwitterを利用した「口込み物流経路」を抑えにかかったのかもしれませんね。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。