オラクルの考える カスタマー・エクスペリエンスとは?

今日は日本オラクル社主催の「調査データから読み解く、カスタマー・エクスペリエンスを活かす企業コミュニケーション勉強会」に招待されたので参加した。

カスタマー・エクスペリエンス(顧客経験価値)とは

“品質”や”機能”といった商品・サービスそのものの価値ではなく、購入したり使用する過程の”経験”から得られる価値。商品の付加的魅力として差別化要因になる。

「物を売るのでは無く、経験や価値を売る」とはここ数年マーケティングの世界で耳にする機会が増えてきた。スターバックス等の成功例を題材にセミナーが開催されていることも良くある。しかし、オラクル社の独自調査によれば「実践」している企業となると、少ないようだ。

93%の経営幹部がカスタマー・エクスペリエンスの満足度向上が今後二年間の最優先課題の一つであると認識し、97%が他社との差別化にかかせないものだと考えているにも関わらず、80%の企業がカスタマー・エクスペリエンス向上施策を満足に実践出来ていないという。

「物と値段で差別化できないことはわかっている。しかし、実践出来ていない」という企業が現状大多数を占めている。

広がる顧客と企業の「認識」のギャップ

企業の経営幹部の五割は、カスタマー・エクスペリエンスを満たせないことで自社ブランドから離れていくと考えている。しかし、顧客の九割はカスタマー・エクスペリエンスが満たされなかったことで他社ブランドへ乗り換えた経験があるという。

企業の経営幹部の五割は、顧客は優れたカスタマー・エクスペリエンスに対価を払うと考えている。しかし、顧客の九割は既に対価を支払っていると考えている。

つまり、企業の経営幹部が考えている以上に、顧客は「良質な経験」を求めている。企業は顧客の望む「良質な経験」を十分提供出来ていないことを謙虚に理解することが大切なのだ。

カスタマー・エクスペリエンスに関するオラクルの見解

冒頭でも述べたように「カスタマー・エクスペリエンスが大切」という考えは新しい考えではない。「考えるだけ」ならどこの企業でも出来ている。問題は実践できない点にあるのだが、サイロ化された組織、実現するためのテクノロジーの課題など簡単に超えられない壁は多数存在する。特にサイロ化された組織の問題は日本だけでなくグローバルに存在する共通の課題だという。

そんな中でもオラクルが「今企業が実践すべきこと」は「サイロ化を超越するほどの顧客満足度を追い求める企業文化の醸成」だという。テクノロジー企業のオラクルから、こんな定性的な言葉を聞くのは以外だったが、本質をついた見解と感じた。
CXに対するオラクルの見解

オラクル流カスタマー・エクスペリエンスを感じた勉強会

この勉強会に参加して一番驚いたことは、企業の広報部が主催しているにも関わらず「製品紹介、オラクルのPR」が一切含まれていなかったことだった。参加者の自己紹介から始まり、オラクルが独自に調査したデータ、企業事例の話を紹介して頂いたが「オラクル製品」について一切触れられることは無かった。

企業主催の勉強会というものは製品紹介があって当然なので、参加する側もある程度は覚悟して参加する。ただ、残念なことに参加する多くの人々は企業の思惑とは異なり「CMタイム」をつまらないと思っている。中には冒頭から30分近く会社紹介が続くセミナー等もあるがそういうセミナーは大抵本題に入る前に眠くなってしまうものだ。

今回の勉強会は「売りつける、紹介してください」という空気が一切無い、終始和やかな勉強会だった。一度でも会社の予算を使ってセミナーを開催しようと考えた人なら分かって頂けると思うが、懇親会のケータリング費用、PR会社の予算を捻出して「売らないセミナー」を主催するということは簡単なことではない。

「そういうのって大事だよね、だって製品紹介のセミナーって参加しても面白くないもの」とここまでは誰もが考えられるが、予算を確保して実行に移せる企業はまだまだ多くは無いだろう。

結果として私はこの勉強会に参加して「良い経験」を体験することが出来た。「良い経験」が出来たから、自然と記事を書くモチベーションも高くなった。いや、むしろ「オラクルさんのために書きたい」とまで感じた。

「カスタマー・エクスペリエンスの大切さ」を理解している企業の「おもてなし」とは、こういうものなのかということを感じることが出来た、久しぶりに参加して「良かった」と素直に思えた二時間だった。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。