サイボウズ式編集部流 オウンドメディア運営の流儀

奇跡の商品を生んだ このチームがすごい!サイボウズが運営するサイボウズ式がなんと本を出したということで、献本頂いたのでご紹介したい。

てっきりサイボウズLiveを活用しているチームの紹介だろうかと思ったらどうやら違った。私はこの本で始めて知ったのだが「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2012」という、チームワークを表彰するイベントが毎年開催されているそうだ。

そこで賞を受賞した、東京スカイツリー運営チームやLINE開発チームへのインタビューという構成で「いかに良い結果を出すチーム」を作るかのノウハウが紹介されている。しかし、機をてらった派手さは無い。例えば多くのチームが「自分では何も出来ないことを知る、ゴールとミッションを明確に設定する」という「当たり前」のことを挙げている。「当たり前のことを、当たり前にこなす」ことが実は一番難しい。与えられた期間と制約の中でその当たり前を継続させる各チームの「工夫」が垣間見える。

内容も読みやすく、流石、賞を受賞したチームだけあって実践的な話になっている。売れ行きも好調なようで既に増刷が行われているという。ムック形式なので店頭に並ぶ期間は他の書籍より短い。入手困難になるまえに興味のある方は早めに入手されることをお勧めする。

サイボーズ式編集部流 チームワークの流儀

さて、今回は特別にこの本を作り上げた「サイボウズ式編集長 大槻 幸夫さん」に、チームワークの秘訣を聞いてみた。

Q1 サイボウズ式編集部の狙い

サイボウズは組織の「チームワーク」を生み出す専門家でありたい、というコンセプトで始めたサイボウズ式ですので、ネットだけでなく幅広い層とコミュニケーションしたい、という願いを変えてくれるのが、この宝島さんからの出版オファーでした。

ネットだけで展開していたサイボウズ式の取り組みだったので、「チームワーク」を切り口としたコンテンツが、「本」という紙媒体を通じて、普段ネットを見ない方々にも評価されるものなのかどうかという点を確認したかったというのが大きなポイントです。

Q2 書籍を完成させるにあたって大切にしたビジョンとゴールは?

「チームワーク」にこだわったコンテンツはブログ編集の時点で実現できていました。なので、出版にあたってはそれを分かりやすく再編集する、という点にこだわりました。有名企業のチームワーク事例を3つのテーマでカテゴライズしたり、事例だけでなくコラムや対談記事なども間に挟むことで、読んでくれた方の仕事でのチームコラボレーションを考えるきっかけになれば、という点を大切にしました。

Q3 サイボウズ式編集部流 チームワークの流儀は?

1.差別化につながるビジョン共有の徹底
 世の中は多種多様な情報サイトで溢れています。後発メディアがその中でより多くの読者に存在に気づいてもらい、ためになると思ってもらうためには「差別化」が鍵になります。ともすれば、記事数を増やそうとしてあれもこれもと手を出して散漫になりがちな、企業によるオウンドメディア運営の中で「チームワーク」という切り口をメンバー全員が意識して頑なに守り、サイトの独自性を保てるかどうかが立ち上げ期には重要なポイントです。
編集長の私は企画会議ではこのことばかりを言っているような気がします。。

2.自分が得意とする分野をつくる
 「チームワーク」はプロフェッショナルである個人がチームで協調作業をすることで生み出されます。それぞれの編集部員が得意なサブテーマを追求することで、メディアとしての多様性が生まれ、おもしろさが出てくると思います

3.企画〜記事制作のノウハウを徹底共有
 編集者としての経験がないメンバーがほとんどなので、記事のネタとなりそうな情報収集の過程から、記事制作に関してのやり取りまでをすべてグループウェア上で行う事で、他の人の進め方も参考にしながら、自分のスキルを磨けるように心がけています。記事制作で参考になるネット情報も共有しています。

変化の激しい時代だからこそ、ぶれないチームワークが大切

実は私も現在執筆中の書籍があり、目まぐるしく環境が変化する今だからこそ、一つの確固たるビジョンを作り、そこに向かって共に進む「チーム」の存在が何より大切なのではないかと考えている。結局のところITは道具でしかない。それを利用して推進する優れたチームの存在が不可欠なのだ。

この本は、日本で最も優れた現在進行中のチームの成功例が詰まっている。どんな人にもお勧め出来る一冊だ。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。