ノマド論では無い キャリア未来地図の描き方

キャリア未来地図」の描き方もうすぐ三月が終わりを迎える。三月と言えば年度末であり異同のシーズン。昇進する人もいれば留まる人も、中には別の会社へ籍を移す人も。一年の中で一番自分のキャリアについて考える時期かもしれない。

そんなシーズンだから一冊の本を紹介したい。「キャリア未来地図の描き方」という書籍だ。友人の千葉 智之さんから献本頂いた。

この本は別に献本されたからというわけではなく、キャリアに関する考え方で共感する部分が多い、というより私のキャリア論そのままだ。一言で言ってしまえば「会社員を続けながら、もう一つのキャリアを歩む」ということ。カッコ良く言えば「パラレルキャリア」、ベタな言葉で言えば「副業」のことだ。

最近流行の「キャリア」の話というと「フリーランス(ノマド)になろう」と非正規雇用を推奨する本が多いが、私は基本的には勧めない。不安定な時代に、自ら進んで更に不安定な道に進む必要は無いと思うからだ。もし時代の流れでフリーランスにならざるを得ない時が来れば、なれば良いだけであって自分から進んでなるようなものではないと思う。そもそもフリーランスは自分が宣言したその日からなれるのだから焦ってなる必要性が無い。

ORではなくANDの働き方

こういった現代の「正社員」か「非正規社員」かという働き方論争に対して、千葉さんは「OR」の働き方と表現する。これからの時代は「OR」では無くて「AND」だと言う。正社員でも非正規社員でも先の見えない未来は同じ。仮に正社員になれたとしても会社だけの人生が正しいのかはわからない。正社員、非正規社員のどちらでも「ORしかない一本道の人生」はリスクがつきまとう。

選択の人生ではなく、創造を重ねる人生の方楽しい

もし、この言葉に共感するものを感じたら、本書を読んでみることをお勧めする。ライフワークとライスワーク。二つの軸の働き方から「副業」を趣味で終わらせず、本業にも相乗効果をもたらすための考え方がわかりやすく丁寧にまとめられている。

ANDの働き方で良かったこと

少し私の体験談を話そう。

私自身本業をもちながら、こうして時折文章を書き、講演などに招待されるときがある。普通のサラリーマンをしていて100人の前でプレゼンをする機会が何度訪れるだろう。もしかすると一生そんな機会が訪れない人も居るかもしれないが、プレゼンをする機会というのは突然訪れるものだ。上司の前かもしれないし、顧客の前かもしれない、結婚式のスピーチの依頼が来るかもしれない。そんな時皆さんは「あがらず」に話せますか?

幸いにも私は会社以外でそういった機会が頻繁にあったので人の前に立って話す時にあがることが無くなった。これも「ANDの働き方の成果」だろう。

調べごとのスタイルも変わった。少し前まではウェブを調べてそれ以上探すことが出来なければそれで終了していたが、今では有識者と思われる人のもとへ飛び込む度胸が出来た。もちろん断られるときもあるが、自分自身「有識者インタビュー」を企業から受けることが多くなったので「他の企業はこうやって情報収集しているのか」と知ることが出来た。だから私もそれを真似している。もし「ANDの生き方」をしていなければ「調査方法はGoogle先生」で終わってしまっていただろう。

可能性を自ら勝ち取ること

誤解しないで頂きたいのは、本書は「副業してお小遣い稼ぎましょう」というニュアンスとも少し違う。誰もが持っていた「夢」や「人生の喜び」を新しいキャリアデザインによって「勝ち取ろう」という内容になっている。

「正社員になったから」昔憧れた小説家の夢を諦めないといけないのだろう。夢を語ら無いのがかっこいい大人なんて誰が決めたんだろう。今の新しいテクノロジーは「二者択一」しか選ぶことが出来なかった時代とは異なり、働くことの多様性を与えてくれる。

そんな時代だから、人とはちょっと違うキャリアの未来を考えてみたい人に、この本は手引書になってくれるだろう。

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 ・キャリア未来地図の描き方



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    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。