ITの進化で生活は便利になった。しかし、ゆとりがなくなっていないだろうか

スタジオジブリ「熱風」

スタジオジブリさんから執筆依頼があった。「風の谷のナウシカ」等スタジオジブリのアニメはかかさず見ているが出版業も行われていたようで非売品の広報誌「熱風」への寄稿依頼だった。私も「熱風」という小冊子の存在を今回始めて知ったが、毎回著名人の寄稿記事が掲載されそれでいて年12回の購読料は2000円と破格。編集方針は「スタジオジブリの好奇心」ということらしく、ジブリらしい独特の切り口でどの号も味わい深い構成になっている。

今回私に頂いたお題はグーグル等のグローバル企業の租税回避戦略と「新しい公共と税」の考え方について。

寄稿先のメディアの特色によって「どんな風に書くか」を悩むのだが、スタジオジブリの媒体ということもあり、ITの話以外にも色々と想像が膨らんだ。一通り原稿を書き終えて色々と考えることがあった。

生活は便利になった。しかし、ゆとりがなくなっていないだろうか

確かにグーグルやアマゾン、フェイスブックといったハイパージャイアンツは新たな公共と言える存在だと思う。彼らの活躍のお陰で社会の変化の速度は加速している。私たちの生活は20年前と比較すれば考えられないほど便利になっている。生活に必要なコストも大きく下がった。

しかし、ふと「生き急がされている」ような感覚に襲われる時がある。IT化によってサービスはパーソラナイズされ便利になった、しかし核家族化を促進させている。ソーシャルメディアによって多くの出会いが生まれた、しかし一人一人の関係性は希薄になった。何時でも何処でも情報が手に入るようになった、しかし無理に情報が必要だと思わされていないだろうか。

世界の変化が緩やかだった時代。情報が今より少なかった時代。不便さは身近な人どうしが語らう「ゆとり」を与えていたのでは無いだろうか。

とはいえ、変化はこれからまだまだ早くなっていく。動き出した歯車は更に勢いを加速させ進んでいく。その世界が楽しみなようであり、少し怖くもある。自由をもたらす新たなルールの勝者達は、むしろ私たちを縛り付けようとしているのかもしれないのだから。

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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。