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Network Functions Virtualizationの課題

Network Functions Virtualizationを実装するにあたって、加速的に進歩するには、取り組まなければならない問題がいくつもある。どのようにするべきなのかについては後述する。対処すべき問題は、次の通り。(順不同)

  • ポータビリティ/相互運用性
  • 仮想アプライアンスを異なる標準データセンタ環境にロードし実行することができる。異なるベンダ、異なる事業者であっても。問題は、ユニファイド・インターフェースを定義し、ソフトウェアを、その下にあるハードウェアから切り離すことにある。仮想マシンとハイパーバイザのように。ポータビリティと相互運用性は非常に重要であり、これらは、異なる仮想アプライアンス・ベンダ、データセンタ・ベンダごとに、エコシステムを作り上げるのである。そこでは、どちらのエコシステムも結び付けられており、互いに相互関係を持っている。ポータビリティによって、事業者は自由に規制に縛られることなく、設置場所と必要仮想アプライアンスの最適化を行える。

  • パフォーマンス・トレードオフ
  • Network Functions Virtualizationアプローチは、業界標準のハードウェアが元にあり(例えば、アクセラレーション・エンジンのような、専用ハードウェアは避ける)、パフォーマンスの低下が起こりそうな場合には、考慮しなければならない。問題は、適切なハイパーバイザと現在のソフトウェア技術を使用して、パフォーマンスの低下をどのように抑えるかということだ。その結果として、遅延に対する影響や処理のオーバーヘッドを最小化する。プラットフォームから利用することのできるパフォーマンスを明確にする必要があり、その結果、ハードウェアから使えるものを仮想アプライアンスがわかることになる。白書の著者は、適切な技術を選択すれば、ネットワークの管理だけでなくデータ/ユーザ・プレーン機能も仮想化できることになると考えている。

  • マイグレーション、及び、レガシー&既存プラットフォームとの互換性の共存
  • Network Functions Virtualizationの実装では、通信事業者のレガシー・ネットワーク機器と共存させなければならないし、既存のエレメント管理システム、ネットワーク・マネージメント・システム、OSS/BSS、そして、仮に Network Functions VirtualizationとITオーケストレーションを共存できるならば、設置予定のITオーケストレーションに対して互換性を持たなければならない。 Network Functions Virtualizationアーキテクチャは、現存の専用物理ネットワークアプライアンスベースのソリューションから、よりオープンな標準ベースの仮想ネットワークアプライアンスソリューションまでのマイグレーション・パスをサポートすべきである。言い換えれば、 Network Functions Virtualizationは、クラシカル物理ネットワークと仮想ネットワーク・アプライアンスからなるハイブリッドネットワークにおいて、動作できるようでなければいけない。仮想アプライアンスは、それゆえに、既存のインターフェース(管理&コントロール目的で)使って、同じ機能を持つアプライアンスと相互動作する。

  • 管理とオーケストレーション
  • 管理とオーケストレーションの一体型アーキテクチャが必要である。 Network Functions Virtualizationでは、その柔軟性により、オープンで標準なインフラストラクチャによって、管理とオーケストレーションを迅速にNorth Boundインターフェースに割り当てることができ、きちんと定義された標準で抽象的な仕様に合わせることができる。これによって、新規仮想アプライアンスを、通信事業者の運用環境に統合して、コストや時間を削減できるようになる。Software Defined Networking (SDN) によって、さらに拡張され、効率的にパケットと光スイッチを、仮想アプライアンスやNetwork Functions Virtualizationオーケストレーションのようなシステムへと統合し、SDNを使った物理スイッチのフォワーディングを行えるだろう。

  • 自動化
  • Network Functions Virtualizationは、すべての機能を自動化することでスケールが可能になる。プロセスを自動化できると言うことは、成功へとつながる最重要事項である。

  • セキュリティ&復旧力
  • 通信事業者は、セキュリティの保証、復旧力、可用性が必要とされ、仮想ネットワーク機能の導入時にもネットワークが損なわれてはならない。Network Functions Virtualizationに期待されることは、ネットワーク機能を障害発生後にオンデマンドで作り直せるようにして、ネットワークの復旧力と可用性を改良することである。インフラストラクチャ、特にハイパーバイザとその設定がセキュアなら、仮想アプライアンスは、物理アプライアンスと同じようにセキュアでなければならない。通信事業者は、ハイパーバイザのコントロールを行い、検証できるようなツールを求めている。また、ハイパーバイザと仮想アプライアンスのセキュリティの保証も必要としている。

  • ネットワークの安定性
  • 異なるハードウェア・ベンダとハイパーバイザの間でいくつもの仮想アプライアンスを管理しオーケストレーションするときにも、ネットワークは安定していなければいけない。このことは、特に重要である。例えば、仮想機能のリロケート時、再設定時(例えば、ハードウェア、ソフトウェアの障害時)、あるいは、サイバーアタックの時である。これは、Network Functions Virtualizationに限られたことではない。また、現行のネットワークで起こりうる、ネットワークの不安定というものは他にもあり、様々な、コントロール、最適化メカニズムを組み合わせる時にも、ミスによって不安定になる(例えば、フローアドミッション・コントロール、コンジェスチョン・コントロール、ダイナミックルーティング、アロケーションなど)。ここで注意しなければならないのは、ネットワークの不安定性は、多大な影響を及ぼすということだ。パフォーマンス・パラメータが台無しになり、最適化されたリソースが使えなくなる。ネットワークを安定に保てるメカニズムは、Network Functions Virtualizationに、さらなる利益をもたらすだろう。

  • 単純さ
  • 仮想ネットワーク・プラットフォームの運用が、現在のものより単純なものであること。通信事業者が重きを置き、トピックとしているのは、何十年に渡るネットワーク技術の進歩とともに生まれてきた、あふれるばかりの複雑なネットワークシステムとサポートシステムをシンプルにしたいということだ。それとともに、収益をもたらすサービスを継続したいのである。手におえない悩みの種のために、もう一つの悩みの種を作るというのは避けるのが重要だ。

  • 統合
  • 複数の仮想アプライアンスを、既存の業界標準の高容量サーバ、ハイパーバイザに、シームレスに統合するのは、 Network Functions Virtualizationの主要な問題の一つである。通信事業者は、異なるベンダのサーバ、異なるベンダのハイパーバイザ、異なるベンダのアプライアンスを、大きなコストを被ったり、ロックインしたりすることなく“mix & match”できる必要がある。エコシステムは、サービスやメンテナンス、サードパーティー・サポートを統合しなければならず、いくつものサードパーティの間で生じる統合の問題を解決できなければならない。エコシステムは新しいNetwork Functions Virtualization製品を使えるようなメカニズムを持つ必要がある。ツールはこれらの問題に対処できるものでなければならない。

★NFV関連のドキュメント★
1.Executive Summary
2.イントロダクション
3.応用分野とユースケース
4.NFVの利点
5.NFVの実現手段



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。