週刊誌を超える発信力を個人に与えるヤフーニュース個人

ヤフーニュース個人で記事単位の課金が始まったということなので、入稿ツールにアクセスしてみた。課金方法には定期購読型と記事単位毎の販売の二種類が提供されている。私は記事単位の販売を選択していたので、一記事あたり84円~315円のレンジで販売することが出来るようだ。今は書籍の執筆中であり有料記事を書いている余裕は無いが、執筆が終わったら一度利用してみたい。

アクセストップの記事は500万PVを稼いだ

システム改修に伴いヤフーニュース個人のアクセス数を確認出来るようになったのだが、PVを見て驚いた。「自分達が対価を払う価値が無い物に、海外のファンは対価を払うのか?」という私の書いた記事のPVが169万PVにもなっていた。

ヤフートピックスに取り上げられていたせいもあるが、一つの記事に対して169万PVもアクセスがあるというのだから、ヤフーの集客力の凄まじさを見せ付けられた。佐々木 俊尚さんの「生きづらい時代に、結婚式はこう変わった」という記事も96万PVに到達していたようだ。

しかし、これだけのPVを集めてもアクセス数はトップではない。私の書いた記事では無いが先月の最高のPVを集めた記事は500万PVに到達していたという。無用な煽りが不要でこれだけのPVを集められる媒体は非常に稀有な存在だ。

ちなみに、Blogosの最近の人気記事トップ5の下記記事の総計は94万PV。Blogosも相当人気のあるサイトだが、ヤフーニュース個人のトップPVの記事は10倍のPVを叩き出していることになる。
 1位 済美安楽投手の“余計なお世話” 約40万PV
 2位 済美・安楽投手の連投に思うこと 約20万PV
 3位 かわいそうな松井秀喜氏と、またも露呈した国民栄誉賞のバカバカしさ 約13万PV
 4位 さて、語ろう。僕の渡米について。 約11万PV
 5位 マクドナルドは復活するか 約10万PV

雑誌の発行部数を超えている

ヤフートピックに取り上げられれば一記事100万PVも夢ではないヤフーニュース個人だが、雑誌と比較した場合にどの程度の差があるのかと思い、雑誌の発行部数を調べてみた。日本雑誌協会の調査によれば2012年10月~2012年12月 平均発行部数を見ると、週刊文春が71万5千部でトップ。リーチ出来る層に違いがあると言えども、リーチしている数は圧倒的にヤフーニュース個人が上回っている。

つまり、ヤフーニュース個人は週刊誌を超える情報発信力を個人に与えていることになる。※ヤフートピックに掲載された時という条件付だが。
2012年10月~2012年12月 平均発行部数

ヤフーがニュースを作り始めた

既に週刊誌を超えるリーチ力を持つ「オリジナル記事」を配信しはじめたヤフー。これは大きな転換点のように思う。ヤフーはポータルサイトとして人気を集めていたのは前からだし、ヤフーニュースのアクセスが多いのも前からだった。しかし、それはポータルサイトとしての人気であり、ヤフーは新聞各社のニュース配信を請け負ったり、リンクを貼っていただけなのである。

ヤフーニュース個人の記事は「ヤフーが作成しているオリジナルコンテンツ」である点が大きい。新聞社らのニュース記事と並んでヤフーオリジナルの記事も充実する。江川 紹子さんの記事などは雑誌などで読む記事と遜色ないレベルだと思う。これはヤフーそのものがオリジナルニュースサイトとしての価値を持ち始め、今後のニュースサイトの勢力地図を塗り替えることになるかもしれない。また、それを支えているのが「個人」の力だというのも面白い。

今後もヤフーニュース個人は積極的にオーサ獲得に動くということなので、著名な政治家やジャーナリストが今後も参加する可能性は高い。一記事あたり100万PVも超えることが可能ということなら、知名度アップという点でも魅力的に映るだろう。ましてやネット選挙が解禁となった今ならヤフーの集客力は大きな魅力に映るだろう。しかも、投稿に対するコメントもFacebookアカウントが必要なので匿名コメントが可能なBlogosと異なり誹謗中傷が書かれることは少ない。まさに、ネット選挙と相性の良い個人の情報発信ポータルと言える。

ゴールデンウィーク明けからはいよいよ、ハフィントンポストがスタートする。ハフィントンポストもヤフーニュース個人同様に「個人」に発信力を与えるメディアとして人気を集める世界最大のニュースサイトだ。軌道に乗り始めたヤフーニュース個人と、ハフィントンポストがどのようにして日本のニュースサイトを変えて行くのかこれからが非常に楽しみだ。

★関連書籍★
・出版大崩壊 (文春新書)



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。