有料メルマガに向く人、向かない人

永江さんの記事に「本邦初公開!! 有料メルマガのビジネス化のポイントを考えてみた」私の記事がリンクされていたので、少しコメントします。

永江さんの書かれている「有料メルマガを成功させるポイントとはなにか」では、下記の四つがポイントとだとされています。

1 有名であればいいけど、有名だからといって成功するとは限らない
2 無名な場合はアクセスのとれるブログなどがないときついかも
3 肝心なのはメルマガのコンセプトです
4 死んでも出す。刑務所に入っても出す。出さないのは詐欺

概ね間違っていないと思います。ただ、「3」の部分で「ブログで書けないディープな話」を書くと良いとアドバイスされているのですが、これが実に難しい。どれ位難しいかと言えば「高校野球で優勝するには時速160kmの速球を投げればよい」というのと同じレベル。しかも、お金を払って良いレベルの話となれば、普通の人間には真似が出来ないレベルなんですね。

そして、実は私がつまづいたのも「3」の部分で「記事の質」にフォーカスしてしまったからなんですね。ここの部分を少し補足したいと思います。

そもそも、有料メルマガは人を選ぶ媒体

私も一年続けてみて、その間周囲の成功している人達の内容を見ていると成功している人にはパターンがあるように感じました。
1 知名度の有る人
  世間的にも良く知られた人。ホリエモン、津田さん、佐々木としなおさんのような圧倒的知名度のある人は有料メルマガが「ビジネス」と言えるレベルに成長しています。

2 ファンの多い人
  世間的に知名度は無くてもファンの数が一定数居る人。「信者ビジネス」と揶揄する人も居ますが、百名単位で有料メルマガを購読してくれるファンを獲得することは誰にでも出来ることではありません。百名が一つの目安になると思いますが、このレベルに到達すると「創作活動」を続ける最低ラインの収入を毎月獲得出来ると思います。

3 記事の内容はビジネスよりエンタメより
  ビジネス系の硬い記事よりエンタメ系の読んでて面白い記事の方が有利では。というのもビジネス系の有料メルマガは読書は誰も感想を呟かないからです。しかし、エンタメ系だと「今日のメルマガ面白かった~」と気軽に感想を呟くことが出来ます。そういう感想を見つけたらすかさずRTすると、それが宣伝になった他の人が新規購読を開始する。そういう循環があるように思います。

恐らく、成功するにはこの三つの要素のどれかを複数個持っていないといけません。読者は「メルマガの質」より「発行者との密な関係」を望んでいる稀有な媒体です。例えばホリエモンの読者との質疑応答コーナや、津田マガのTwitterでのRTは読者にとっては普段接点の無い人と交流出来るわけですから、そこに購読料を支払っている側面は強いのではないかと思います。

AKB48が握手券を売るCDの販売方法だとしたら、有料メルマガは著者との交流券を買うための記事配信媒体であり、「人気者タイプ」の著者が成功しやすいのだと思います。

ビジネス系の有料メルマガは失敗する

この点に気づかず、「有益な情報を有料で販売する」というスタイルで失敗したのが、私や常見さんではないかと思います。「交流」より「対価に見合った記事の作成」に拘ってしまったタイプの人種ですね。

私の読者にはシンクタンク系の企業の方が三割ほどいらっしゃいました。そのため毎週、様々な指標や業界動向に関わるネタを収集して掲載していたりしましたが、読んでて面白く無いんでしょうね。当然誰も感想とかRTしてくれたりしませんし、レスポンスが得られない。当然毎月の購読料は入るわけですが、著者というものは我侭なもので、読者がどう感じているのかわからない状態が長く続くとフラストレーションが溜まっていくものなんですね。しかも、その読んで頂いてる人数は百人にも満たない。その記事を書くために費やした時間を他媒体への露出に充てていたら、そういうトレードオフを考えると、有料メルマガを続けることが出来なくなりました。

もし、「有益な情報を有料で販売する」という方向性では無く、「読書と交流する」というスタンスであったなら、今でも続けていたかもしれません。例えばメルマガの本文の中で読者を名指しで指定して「いじってみる」とかすると、良かったのかなとか今でも少し思ったりはします。しかし、私の普段の記事のスタイルだとそういう方向性は打ち出しづらく、私のようなビジネス系の記事を手がける人間は有料メルマガという媒体は適していないのかなと思います。

このような経験から、失敗した人間の言葉で恐縮ですが、もし有料メルマガを始めたいと考えている方がいらっしゃれば「記事の質」に拘るという堅苦しい考えを捨てて「ファンと交流する」という観点でコンセプトを検討されてみた方が良いんではないでしょうか。

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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。