NTT Com SDN技術を利用したクラウドマイグレーションサービスを提供開始

2013年6月28日、SDNで業界をリードするNTTコミュニケーションズは、同社が提供するエンタープライズ向けクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」にて、顧客設備(オンプレミス)からクラウドへの円滑な移行を実現する世界初のクラウドマイグレーションサービス「オンプレミス接続サービス」の提供を開始した。

本サービスは、ユーザ宅にSDN対応のゲートウェイ装置を設置することで、主に下記の二点のメリットから同社の試算では、最大で約七割のコスト削減になるという。
 ①システム移行に伴う設定変更や作業工数を削減することが可能
 ②オンプレミスのサーバーに付与されていたIPアドレスを、移行先となるクラウド環境でもそのまま利用できるため、サーバーの設定変更など、クラウド移行にかかる作業も削減可能。
 

サービス利用に伴う初期費用は220,000円、利用料金は一日毎に10,800円、月額上限223,000円となっており、一日単位での課金が可能になっている。

オンプレミス接続サービス利用イメージ

本サービスを利用することによって、オンプレミス設備をクラウドへスムーズに移行出来ることが期待出来るが、IPアドレスの制限や、移行後の構成について疑問を感じたので、サービス担当者に直接お話をうかがった。

Q1) 顧客環境のIPアドレスをそのまま利用可能とありますが、これは御社のIPアドレス配下のお客様の場合など制限があるのでしょうか?(顧客側がIIJのインターネットサービスを利用していたりなど)

 →本サービスではプライベートIPアドレスを利用したサーバー等の移行を対象としています。

Q2 御社のIPアドレス配下のユーザで無かったとした場合には、ゲートウェイ装置と御社クラウドDCとの間でL2トンネルが設定され、L2環境が構築されるのでアドレス変更が不要という理解で宜しいでしょうか?

 →ご認識のとおりです。お客様オンプレミス環境と弊社の提供するサーバーセグメントを同一ネットワークセグメントで接続する機能を提供します。

Q3 ”Q2″の方法を実践した場合、移行時は問題ないように思いますが、移行後はどのようにしてクラウドDCに移設された設備にアクセスするのでしょうか?移行後もゲートウェイ装置は必要となるのでしょうか?(ゲートウェイ装置のレンタル代が継続される?)

 →サービスとして別途インターネット接続およびVPN接続(弊社Arcstar UniversalOneと接続)するメニューを利用することでお客さま拠点からクラウド環境に接続することができます。ただし、その場合はL3接続となります。L2接続が必要な場合はゲートウェイ装置を継続してご利用いただきます。

Q4 上記の内容だとした場合トンネル技術による部分が大きく、SDNがどの程度関与するのか見えないのですが、SDNでは具体的にどのような処理を行い、7割もの工数削減に繋がっているのでしょうか?

 →SDNのコントロール機能はお客さまに開放しておらず、弊社作業にかかわるリードタイムの短縮が主なメリットです。
  今回のコスト計算には、トンネル技術による効果お客さま移行作業の削減によるものが大きいです。

  根拠としましてはクラウド一般で提供しているVPNによるL3接続を用いて移行する場合は、ネットワーク関連の再設計や構築、移行にかかわる費用が増大します。対してL2接続を行うことを考えますとクラウド事業者はそもそもL2接続を制限しているのが一般的です。
  提供されているサービスを利用する場合でも、別途コロケーション設備やネットワーク回線および機器をお客さまに別途ご用意いただく対応が必要です。弊社Enterprise CloudではL2接続をサービスとして提供していることから、これを利用することで導入や移行にかかわる費用を最小限に抑えることができると見積もっております。

  具体的には、数百人規模のお客さまで想定サーバー台数を20-30台(3ステム程度)、20拠点程度とした場合、移行の際の設計期間(2ヶ月)、移行期間(1ヶ月)が半分程度になることで、サーバー系SE、ネットワーク系SEのそれぞれの稼働や、NW費用の削減できることによりおよそ7割減としています。

なるほど、SDNは主にプロビジョニングの部分に関わっており、トラフィック転送の部分はトンネル技術による所が大きいようだ。SDNと言えばOpenFlow、OpenFlowと言えばフロー制御とトラフィック転送ばかりに意識がいってしまいがちだが、本質的な部分で適用されているようだ。

しかし、顧客目線では「七割コスト削減」というキャッチコピーは大きい。同社がSDNやクラウド技術によって業界を牽引することで、更なる競争が活性化し、ひいてはユーザ企業全体の利益になることを期待したい。

★NTTコミュニケーションズ★
NTT コミュニケーションズプレス



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    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。