電子書籍、AR、世界同時配信、週刊誌の未来が詰った「少年ジャンプ45周年記念号」

週間少年ジャンプの今週号は45周年を記念して電子書籍版と紙版の両方が発売された。紙版は250円だが、電子書籍版は286円少し高くなっているが、デジタル版では紙版と比較して150Pも増量しているという。

アマゾンやヤフーブックストア等で購入する事ができる。Kindleでも読むことが出来るので、三十年ぶりくらいとなるが「ジャンプ」を購入してみた。Kindle paperwhiteだと画面が小さくなり読みづらいが、iPadならとても快適に読むことができる。下の写真はiPadのスクリーンキャプチャだが、紙のジャンプと違って発色が非常に美しいことがお分かり頂けるだろうか。
Jump45TH

鳥山明氏の新連載は世界七ヶ国同時配信

45周年を記念して鳥山明氏の新連載「銀河パトロール ジャコ」も開始された。これは推測だが鳥山明氏のドラゴンボールに夢中になっていた世代は、30~40代になっておりスマートデバイスを保有している率が高く、デジタル版を発売するにあたりその層へのアピールも考えられているのではないだろうか。

更にこのジャコはアメリカ、カナダなど世界七ヶ国に翻訳され同時配信されるという。

紙版ではARジャンプ

45周年記念号にはデジタル版だけでなく、従来の紙版も勿論通常どおり発売されているが、これにも意欲的な試みが行われている。スマートフォンをかざすことでジャンプの紙面からキャラクターが飛び出すという。ARジャンプを体験するには、まずスマートフォンアプリを事前にダウンロードする必要がある。その後専用アプリでジャンプの表紙やマンガのロゴにかざすと、紙面とは違った動きを体験することが出来る。

ARジャンプ

UIは改善されることを期待

iPadでデジタル版を読んでみたが、画面は非常に美しく、購入ボタンを押せばすぐ読めるようになるのは、電子書籍では語り尽くされたことではあるが「ジャンプ」に関しては、小学生の頃の記憶がふと甦った。ジャンプが書店に並ぶのは月曜日。それを一日前の日曜日に販売を始める駄菓子屋の前で行列していた当時のことを思い出すと、クリック一回で読めるようになる電子書籍化は「快適」の一言だ。

しかし、購読が便利になった一方で、まだ紙面が電子化したにすぎないという側面も感じさせる。例えば目次をクリックすれば個別の漫画にアクセスするという仕組みが用意されていない。ジャンプなどのように「お目当ての漫画」がある週刊誌は、全てを頭から順番に読むという読書はそれほど多くはないだろう。お目当ての漫画にたどりつくまで、1ページずつページを送るのはかなり苦痛だ。勿論スクロールバーでページを飛ばすことも可能だが、なかなか探すのは難しく意外にもランダムアクセスには「紙の方が便利」と紙の良さを認識するはめになってしまった。

また、URL等が表記されていてもクリックしてブラウザが起動するという仕組みも無い。この辺りは今後是非改善して頂きたい。

細かい不満はあるものの、ジャンプ程の有名誌が電子書籍版を出したという事実は他の雑誌にも大きな影響を与える筈だ。キンドルの発売でハードとしてはようやく電子書籍元年となった2012年。今回のジャンプをきっかけとしてコンテンツ側も電子書籍元年となることを期待したい。



この記事のタグ: ,


関連する記事

  • 電子書籍時代突入で「一巻目」は格安価格で提供する時代

  • iPad + Kindle を持ち歩く人にお勧めのケース muse

  • 電子書籍の成功の鍵を握るブロガー

  • Kindle Paperwhite に Instapaper の未読記事を自動配信する

  • Kindle fire HD カバー 5選を紹介

  • エンジニアに好評な Kindle Paperwhite

  • Kindle Fire ケースカバー 5選を紹介

  • Kindle テストマーケティングの勧め

  • kindlegen download 方法

  • Kindle Paperwhite を電子辞書として利用する


  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。