キャリーバックの売上20%UP。無印良品「MINI to GO」の感触を聞いた

現在、世界五カ国の無印良品で同時展開されている「MINI to GO」。良品計画、ANA、PARTYのコラボによって、家族との想い出を写真では無く、3Dプリンターで残す新たな「家族の想い出の残し方」を提案している。

今回、良品計画で本キャンペーンを担当している、川名 常海さんに、現在までの反響をうかがった。

Q1.現時点のキャンペーンの反応はいかがでしょうか?3D画像に対する反応などは?

キャンペーン開始から約2週間が経過し、折り返し地点にきております。 期間経過率50%に対して、既にKPIが前年を上回っています。 また、中心商材であるキャリーバックの売れ行きも昨年の20%増ということで、 好調にスタートしております。
昨年の施策がソーシャルゲームを使った販売促進よりの内容に対して、今年はMUJI to GOブランドの認知拡大、話題化を目的にしています。

そのため、MUJI to GOのコンセプトを体現する無印良品ならではの旅行、3Dスキャン体験などのブランデッド・コンテンツを用意し、その中に「アンチパッケージツアー」「家族の絆」それを下支えする無印良品という思いを込めました。

故に、KPIはブランド体験という視点で、コンセプトムービーの視聴、3Dスキャン体験者数を中心に置き、地球の背中への旅応募者数、フィギュア制作応募者数、パブリシティ、ソーシャルアクティビティにどれだけ広がったかを見ています。

 ◎YouTube再生回数 累計再生回数:405,909

 ※中国の動画サイト Youkuでも公開されています。

 ◎キャンペーンサイト
  731,838PV 205,307UU
 ◎Twitter #minitogo
 ◎地球の背中への旅応募者数
  単日実績:520 累計実績:25,338
 ◎フィギュア制作応募者数
  単日実績:358 累計実績:6,601
 ◎3Dスキャン体験者数
  東京 累計実績:770
  大阪 累計実績:851
  ニューヨーク 累計実績:884
  上海 累計実績:313

 また、現在海外メディアに露出されているパブリシティを共有させていただきます。 クリエイティブ系メディアや、若干マニアックな3Dプリンティング系情報メディアなど多岐に渡りますが、グローバル・キャンペーンとしての話題化につながっていると考えています。

  ・Core77
  ・3ders.org
  ・PSFK
  ・ADVERBLOG
  ・Creative Review

Q2.良品計画、Party、ANAのコラボのように見えますが、このコラボはどのようにして実現したのでしょうか?

PARTYとの企画会議のなかで旅行を実現するためにパートナーが必要ということになり、SNS上など協業の実績のあるANAにお声がけさせていただき、とんとん拍子に話が進みました。

Q3.3Dフィギュアのアイデアは単純に3Dプリンタが流行っているから採用されたのでしょうか? それとも、「形を残す」ということに何か 特別なこだわりがあったのでしょうか?

3Dプリンタのアイデアは新しい技術であり、流行ってもいるのですが、今まで写真という形で思い出を2Dで残していくという行為が、テクノロジーによって3Dで残すという行為にイノベーションを感じ、これからの当たり前になっていくと思い、旅の思い出を3Dで残すアイデアを採用しました。

Q4.このキャンペーンが好評だった場合、店頭で3Dスキャンを提供するなどのサービスが実現する可能性は あるのでしょうか?

その様な話も実際出ているのですが、サービス化には多くのハードルをクリアしなければならないことも見えてきているので、検討中という感じですね。

ソーシャルメディアの活用でも早くから成功事例として取り上げられ、デジタルマーケティングという観点でも世の中をリードする無印良品。キャンペーン期間経過率50%に対して、既にKPIが前年を上回っているという状況を見ても、同社が培ってきたソーシャルメディアの「地力」が功を奏してきているのではないだろうか。実際、無印良品のFacebookページの本キャンペーンの投稿は230シェア、5349いいねを獲得しており、無印良品自体の情報発信力が高まっていることが容易に想像出来る。

また、「話題作り」という観点で、ファッションとは関係無い、3Dプリンター等を扱う「ギーク」なメディアにキャンペーン情報を紹介して貰っているという点も面白い。こういう地道な努力が「地力の強化」につながっているのだろう。

個人的には無印良品の家具等が3Dプリンターで印刷され「ミニチュア」を作るサービスが実現すると嬉しい。自分が気に入った家具を一回300円位でプリントアウトし、自分だけの「ミニハウス」を作ることが出来れば家具のレイアウトや、他の家具との調和を視覚的に判断することが出来るし、毎日ミニハウスを眺めていたら購買意欲も高まるのでは無いだろうか。超えないといけないハードルが何点かあるとのことだが、良品計画には、これからも是非「WoW」を創造し、日本のデジタルマーケティングを牽引して頂きたい。

なお、良品計画と凸版印刷が3Dプリンターを活用し、世界三大広告賞の一つ「One Show」で表彰されたO2Oプロモーション「KNIT Like COLLECTION」実現の舞台裏を「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」に収録したので、無印良品の「WoWへのこだわり」が知りたい方は、是非手にとって頂きたい。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。