設備投資のピークを超えたソフトバンク

2013年7月30日、通信キャリア三社の2013年Q1の決算が出揃った。ソフトバンク、KDDIの二社は増収増益、ドコモのみ増収減益となった。ソフトバンクが営業利益でNTTドコモを上回り、Q1の結果では初めてトップとなった。各社の業績を純利益順に並べると以下のようになる。

1) ソフトバンク、売上高8811億円(21%増)、営業利益3910億円(92%増)、純利益は2.3倍の2383億円
2) ドコモ、売上高1兆1135億7300万円(3.9%増)、営業利益2474億7000万円(5.8%減)、純利益は1580億900万円(3.8%減)
3) KDDI、売上高1兆24億円(16.3%増)、営業利益1,787億円(89.6%増)、純利益は682億円(23.1%増)

ソフトバンクが米国進出、ドコモの利益を抜いたということで、メディアの報道もその二点に集中しているように見える。しかし、筆者が気になったのはソフトバンクの決算資料の設備投資計画だ。

ソフトバンク-設備投資

一目でわかる通り、2012年度をピークとし、2014年度以降は設備投資が急速に減少する計画になっている。これはソフトバンク視点、同社株主視点では好ましい計画だ。しかし、ソフトバンクの通信設備で「食っている」ベンダー達にとっては、戦々恐々となる計画だ。

スマートフォン市場の急拡大でここ数年、通信キャリアのみならず、その周辺ベンダーも好業績をあげる企業は多かった。ソフトバンクはそれにプラスしてプラチナバンド獲得と共に大幅な設備投資の前倒しを行っていた。ソフトバンクの設備計画はそういった周辺ベンダーへの出費が削減されることを意味している。

ソフトバンクの米国進出で「笑う企業」と「泣く企業」、大きく明暗が分かれそうだ。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。