「SNSで目立ちたい症候群」に企業はどう対処すべきか

今度はステーキ屋「ブロンコビリー足立梅島店」の店員が冷蔵庫に入ったそうだ。同社は8月6日同社HPにて、謝罪文を掲載した。

ローソン・アルバイト店員のアイスクリームケース侵入に端を発した「SNSで目立ちたい症候群」だが、私の元にも店員が起こす不祥事に対してどのような対策を検討すべきかといった相談が相次いでいる。店員が起こす「モラル」を逸脱した行為について、企業が取りえる対策には、監視カメラの増設や店員の再教育など、かけられる費用や時間に応じて様々だ。

企業側の対策

今回は比較的簡単に用いることが出来る方法の幾つかを紹介する。

1) リスクを理解する
まずは、従業員が不祥事を起こした時に、どの程度の対策コストが必要になるのかを認識する必要がある。
ローソン高知鴨部店の時に行われた対策は下記の通り。

 (1)FC契約条項に基づく高知鴨部店とのFC契約解約
 (2)当該従業員を解雇させ他従業員の再教育を実施
 (3)上記に伴い、当該店舗を当分の間休業【7/15(月) 17時より】 
  ※近隣のお客様には大変ご迷惑をお掛けし申し訳ございません。再オープンの日程は決定次第お知らせいたします。
 (4)全社員及び全国の加盟店に対し、お客さまに心をこめてよい商品を提供させていただくという基本的な姿勢と、安心・安全な商品を提供する指導を再度徹底

FCオーナにとってはFC契約解約という重い罰則も最悪有り得るということ、ローソン側も店員の再教育、全店舗への周知、設備交換、店舗休業による売り上げの消失といった、コストと時間が必要になる。

更に、これに加えて、各メディアでも大きく報道されたことによる、ブランドイメージ低下も考慮する必要がある。

2) 現従業員への説明
当然、現在勤務中の社員・アルバイトに対して、一連の報道と当事者になった時の責任について説明する必要がある。

 ・報道、事例の説明
 ・損害賠償の有無
 ・解雇も有り得ること
 ・SNSアカウント、スマートデバイスの保有状況の確認

最後のSNSアカウントやスマートデバイスの保有状況の確認は、店側に「監視されているかもしれない」という心理が働くことで、行動に抑制をかける効果が期待出来る。
 
3) 採用時の確認
少し手間がかかるが、今後の新規従業員の雇用の際には下記のチェックを行うことを推奨する。

 ・ソーシャルメディアアカウントを保有しているなら、間近の呟きを確認し、人間性の確認を行う
  - 発言内容に反社会性はないか
  - モラルを逸脱した発言や写真を投稿していないか

4) 採用時の説明
新規に採用する従業員に対して、下記内容を説明することを推奨する。

 ・問題行為の説明
 ・損害賠償の有無
  - 未成年者の場合は両親の許諾

5) 勤務時の対応
スマートフォンの利用規定を定めることを推奨する。
 ・スマートフォンは勤務開始と共に店舗側で一括管理し、休憩時間や特別な用件が無いときには利用禁止とする。
 ・緊急時の連絡は店舗の代表電話に電話して貰うよう指示する

SNS/スマートデバイスの潜在リスクが新たなフェーズに

SNSの炎上対策とは企業の公式アカウントや、従業員の発言内容から炎上することを防止するものが多かった。しかし、発言内容から生まれた炎上の多くはは企業側に実害が及ばないことも多々ある。(もちろん例外もあるが)

しかし、一連の「SNSで目立ちたい症候群」の場合には、店舗側は機材の交換や清掃といった「実コスト」が発生することになる。また、万が一マスメディアに報道された時のイメージダウンのリスクも高い。スマートデバイスも従来のリスクは情報漏えいが懸念されたが、今や「企業の恥部」を拡散するリスクが露になった。

スマートデバイスとソーシャルメディアの普及が進んだことで参加者が増加し、黎明期に期待された「集合知の活用」はどうやら「集合恥のリスク」へ向かう圧力の方が強まっているのかもしれない。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。