嫉妬というより、「哀れみ」でした

この件については、前回のエントリーで終了としたかったのですが、想定外の反論を頂いたので、あえて書きます。

まず、本当に驚きました。「その批判に嫉妬心はないか」というタイトルなのですが、これは「私は誰かから嫉妬される存在である」という視点にたっているということですね。PVがとれるということはそんなに人から嫉妬されるほど偉いのでしょうか?ちなみに、私のヤフーニュース個人の7月のPVは270万PVだったのですが、個人的に嬉しいとは思っても、世間の大多数の人たちにはどうでも良い話だと思っています。

実はイケダハヤトさんをモデルにした物語を書いていました

このエントリーに驚いたもう一つの理由、それは「嫉妬」を感じるどころか「哀れみ」に近い感情を抱いていたからです。

イケダハヤトさんも登壇されたソーシャルメディアウィークの時、私が講演したのは、「情報を食べる蜘蛛」というセッションでした。

これはインターネットの遷移を「蜘蛛」で現した物語であり「蜘蛛」とはウェブをさしています。この物語の中で「蜘蛛(ウェブ)」を便利に利用していたはずの村人達が、いつしか「蜘蛛(ウェブ)」の虜になり、中毒になって蜘蛛が生きるために、生きるようになるという、スマートフォンやソーシャルメディアの登場で「ネット中毒」になっていく人を現した、ちょっとダークなストーリです。

実はこの話の中で「ネット中毒」に陥る村人のモデルはイケダハヤトさんでした。当初はウェブを活用する側だった人間が、ネット上で「忘れられない」ために、毎日ブログを更新し、Tweetし、時には話題作りのために「ネットプロレス」を演じることもある。初めは楽しくてやっていたけど、いつのまにか生きるために「やらないと」いけなくなってしまった。

「自由な生き方」と語りつつ、実は自由を奪われ、むしろ「感想文」を生産することに、貴重な20代の時間を奪われている、そんな風に感じていました。こういう風に見ていた事に対して、気を悪くされたら謝ります。しかし、これが本音の部分であり「嫉妬」なんて微塵も感じていませんでした。にも関わらず「嫉妬してる」と感じる位に、自分の周囲しか見渡せなくなってしまっているんだなと、驚いてしまったのです。

ソーシャルメディアの怖さ

その昔、人と会うのが難しかった時代の人達は自分達が無知であることを知っていて、それでも「三人寄れば文殊の知恵」でると考えていました。ソーシャルメディアを通じて人と会うのが簡単な時代となり、スマートデバイスの登場でいつでもどこでも情報に接触出来るようになり、人はまるで世界中の知見に触れてると錯覚するようになりました。そんな世界で同質の価値観を持った人が集まり「三人寄れば時代が来てる」と勘違いするようになったように思います。技術の進歩はむしろ人を退化させていくのではないか、時折そんな風に感じることがあります。

PVが集まれば「凄い」、ネットで生きていけば「凄い」、確かにそう考える人たちは居ると思いますし、その考えを否定することはありません。しかし、それはその同質性の人達だけで通じる価値観であり、世間の大多数の意見でもなく、その価値観の枠に入っていない人に「嫉妬心」を感じさせることなどありません。

最後に、イケダハヤトさんの考えているサラリーマン的生き方ですが、私が見ているサラリーマン達は、みんなかっこいいです。確かに「組織の壁」は大きいです。しかし、それにも負けずに組織を動かして新たな事業を立ち上げていく人がいます。私が嫉妬するなら、そういう人達です。

私にとって「嫉妬」とは、自分の目指すべき方向に対して成功している人です。そういう人達に対して「嫉妬」できることは自分の足りない部分を自覚出来たということでもあり、自分の伸びシロはまだあるんだと解釈するようにしています。ですから、私にとって「嫉妬」の感情はネガティブな物では無いかもしれません。

そして、そんなサラリーマンが居るはず無いと思うなら、私の新著に「日本を代表する大企業の中で組織の壁を突破したヒーロ達」を取り上げていますので、目を通して頂ければ幸いです。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。