SDNはフランス料理、従来ネットワークは寿司職人

最近、Cisco、Juniper等の大手ベンダーがSDNへの取り組みを本格化させてきたこともあって、SDNコントローラやOpenflowの技術検証を行っている。いざ、実際に触ってみると、触ってみなければ実感出来ない「従来ネットワーク」との違いを感じる。

従来のネットワークは一本道を極める寿司職人

ネットワークと一言で言っても様々だが、私が主に担当してきたキャリア系ネットワークは、伝送系や、IP Core系等の特定用途の技術が年々進化するため、それを担当しているエンジニアは特定方面の技術に強くなっていく。

例えば、インターネットゲートウェイ担当ならBGP、中継網ならMPLS、VPN網ならVPLS等、それぞれの分野毎に道があり、その道を何年もかけて極めていく「職人」のような世界だ。

料理の世界では寿司職人に近いのでは無いだろうか。一見するとご飯の上にさばいた魚の切り身を乗せただけの料理に見えるが、道を極める為に、シャリの握り方、魚の選び方、鮮度、等にも気を配る。その繊細な心配りから、マグロを食べたい客にはマグロ、イクラを食べたい客にはイクラを出すシンプルで奥が深い料理だ。

SDNはフランス料理のフルコース

しかし、SDNのインフラを構築しようとすると「フランス料理のフルコース」のように感じる。ウニと言えばウニが出てくる寿司と違って、フランス料理はメインデッシュにたどり着くまでに前菜や食前酒を堪能し、スープを飲み、魚と共にワインを楽しみ、ようやくメインデッシュが出てくる。メインデッシュを食べた後も、デザートやコーヒで食後の一時を楽しむまでが「料理」だ。

一言でフルコースといっても、季節や時期によって、その組み合わせは変化する。

SDNもとにかくカバーすべき技術領域が多岐に渡る。ネットワーク、サーバの基礎知識は勿論、OpenStackやストレージ、OSSの知識が無ければ、基盤を作り上げることが出来ない。さらに、それら多岐にわたる技術領域を「客の望むオーダ」どおりにしあげければならない。

昨年までのSDNの議論は「OpenFlow時代にネットワークエンジニアはプログラムを覚えるべき」という議論を見かけることが多かったが、その視点ではネットワークエンジニア視点の域を出ない。SDNの時代に求められるエンジニア像は従来のネットワークエンジニア、サーバエンジニアというくくりではなく、多岐に渡る技術を顧客の要望に基づいて柔軟に料理出来る、フランス料理のシェフのような「クラウドエンジニア」ではないかと思う。

「クラウドエンジニア」への道のりは厳しいが、これを極めれば今後十年は食うに困らないのではないか、そんな予感を感じさせる。

★クラウドエンジニアを目指すエンジニア必読本★




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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。