半沢直樹、あまちゃんのヒットに感じた、テレビがある空間の温かさ

私はさっぱりテレビを見ない。正直に告白すれば半沢直樹も二回位見ただけだし、あまちゃんに至っては見たこともない。どんな番組かもわからないので、うっちゃんが尼さんにでも恋でもしたんだろうかと、そんな程度にしか知らない。

しかし、それでも、Facebookのタイムラインがテレビ番組の話題で埋まっていると、なんだかホッとする。何故だろうかと考えてみると、テレビの前の光景を想像するからだ。視聴率30%を超える番組なら、テレビの前には何人か集まってみているんじやないだろうか、と思うからだ。普段は会話をしない家族がその時間になるとテレビの前に集まってくる。ちょっときまづくなった夫婦がテレビの前に集まって、会話の糸口を見つける。

半沢直樹を見ていた人がこう言った「普段は息子がニコ生やyoutubeばかりみてるから、家族の会話をするのが難しかった。でも、半沢直樹は息子も見てて「半沢どう思う?」とか聞いてきてくれた。半沢直樹が終わると、こういう家族で共通の話題で盛り上がるという機会が無くなるのが、寂しい」と。

スマートデバイスの普及でコンテンツは「個人」で楽しむスタイルが定着してきている。家族、学校の友達、会社の同僚、同世代、同性であったとしても接触しているメディアはバラバラになってしまっている。情報に接触する時間は増えているが、目の前に居る「皆」の共通の話題はむしろ見つけにくくなっている。(だから、共通の話題を楽しむ人とバーチャルな世界で繋がるのだが)

この流れが簡単に変わるとも思えない。しかし、目の前に居る人たちより、スマートフォンの向こう側の世界に居る人たちに向かって「笑顔」を伝える暮らしに、怖さと「孤独」を感じることもある。

このテレビという不便な文化は、決まった時間に見ないといけない、決まった場所で見なければならない。しかし、強制的に人を一箇所、決まった時間帯に集中させる。Facebookのタイムラインがテレビで埋まっていると「ホッと」する理由、テレビは「傍に居る」人たちとの関係性を強化してくれる。そんな気がしたのだ。

半沢直樹や、あまちゃんの大ヒットによって、私以外にも「テレビがある空間の温かさ」に気付いた人たちが、「少し」増えたんではないだろうか。人々がテレビに求めるものは、芸能人でもエロでもなく、「家族との会話作り」なのかもしれない。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。