認知獲得とブランドイメージ毀損どちらが重要か?

ネットで大きな話題となった、キノコ大手「ホクト」のCM、「立派なキノコ」。

過激すぎるということで、CM放送は打ち切り。ネットではこのCMに対する意見は賛否両論。私の周辺では男性からは「面白い」という声もあったが、当然のことながら女性層からの評判は良くは無かった。このCMはどんな狙いがあって作られたのか、日経BPが取材をしていたので紹介したい。

※囲み部分は「立派なキノコ」のCMはなぜ生まれたのかからの引用。

CM作成の背景
「我々ホクトが扱うキノコはいずれも大きくて形が整っていて新鮮。それを“立派なキノコ”と表現して、“ホクト=立派なキノコ”というイメージを消費者に根付かせたかった」。

同社の経営は2011年3月期に営業利益が98億6100万円あったが、2年後の2013年3月期には23億5900万円まで激減している。この窮地から脱出するために、非難を承知で「生まれ変わる」ために放送に踏み切ったという。大きな反響はあったものの、結局CMは放送中止。だが、同社の小竹貴子取締役は

「普段食品スーパーに行かない男性や10代の若い世代にも、ホクトの名前を覚えてもらうことができた」

と振り返る。

■認知かブランドイメージか
確かに、小竹貴子取締役の言うように、ネット上で大きな話題になり普段リーチ出来ない層に「ホクト」という名前は認知されただろう。普段スーパで買い物をしない私もこの騒動で「ホクト」という社名を知った。しかし、知ったとはいうものの「下品なCMを作る会社」という認識になってしまった。ホクトのCMは面白いから好きという声もあるため、こういうシリーズなのだと知っているファンからすれば、このCMはネタとして笑ってすませられるものかもしれない。だが、私のようにホクトのCMを見たのはこれが初めてという人にしてみれば、単なる下品な会社でしかない。

ましてや、キノコ業界の特性として、秋から冬にかけては最需要期である。ネット上での話題と引き換えに、多額の広告費用をかけたCMが放送中止になったことは、本当に経営にとってプラスなのだろうか?今回のCMがどのようにホクトの経営に影響をもたらすのか、Q3の決算を待ってみなければわからない。

コンテンツマーケティングという言葉が浸透するに従って、「面白ければなんでも良い」という声を耳にすることもあるが、認知と引き換えに失ってしまうブランドイメージもあるのではないか。認知かブランドイメージか。ホクトのCMの決算への影響はマーケタにとっても興味深いものとなるのではないだろうか。



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プロフィール

大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。