月額2100円で使えるリア充スマホ「PANDA」

freebitがスマホ端末代+データ通信費込みで月額2100円という格安プランを開始し話題を呼んでいる。今回、話題の「PANDA」をお借りして一週間が経過したのでレビューをしたい。

PANDAの料金プラン

PANDAの基本利用料は下記の通り。freebitが提供するスマホと基本のデータ通信、IP電話が利用可能で月額2100円(税込み)。これに、初回申し込み時のみ、初期費用3150円(税込み)が必要となる。なおこの基本プランでSMS、1GBのオンラインストレージも利用可能になる。
PANDA基本料金

もし、090/080で始まる通常の音声通話を利用したい場合は、これに月額1000円加算することで、通常の音声通話が可能になる。音声通話を申し込む時にはMNPを利用して他キャリアから電話番号を引き継ぐことも可能だ。

携帯大手三社のスマホ利用料金は月額6千円~8千円で高止まりしている。四人家族がPANDAに移行したとしたら携帯三社のスマホ一台分の料金で家族四人分をまかなうことが出来る。

安さの秘密はMVNO

なぜこんなに安いのかと疑問を持つ人も多いだろう。これはMVNOという事業形態を利用している点にある。MVNOとは簡単に言えば通信設備を持たない「通信事業者」のこと。freebitがNTTドコモから通信回線を借用し、freebitの顧客に提供している。そのためfreebitは通信設備を持つ必要が無いので通信費を安くすることが出来る。格安と言えどもNTTドコモの回線であるため日本全国でNTTドコモの接続品質を期待出来るというわけだ。

しかし、良い話ばかりではない。料金が安い分、速度制限が存在する。PANDAは最大通信速度が150kbpsに制限されている。youtubeや通信が大量に発生するゲームを頻繁に利用する人にはお勧めしない。

WiFiを上手に使って通信費用を節約

ただ、私が実際に一週間使ってみて感じたことは、150kbpsと言えどもTwitterやLineといった「文字中心」のアプリを利用する分には特に不満は感じない。私の場合はIS03を利用していたがそれに比べれば端末性能が大幅に向上しているため、むしろ快適と言って良いくらいだった。

PANDAはWiFiも利用可能であるため、自宅に居るときはWiFiを利用すればyoutube等も問題無く視聴出来る。移動中はLINEやメールによるコミュニケーションツールを主に利用し、動画などのリッチコンテンツはWiFi環境で使えたら十分という人は自信を持って薦められる。

私が実際にアプリを利用した体感値を下表にまとめた。PANDAと書いている列は移動中の3G回線での利用、PANDA+WiFiはWiFiでの利用を表している。なおhuluはhuluのアプリ自体が動作対象外であった。

PANDAアプリ体感

150kbpsの通信制限を解除する独自アプリの提供

一部の人には「あれ、Facebookは重いんだ」と気になる人も居るかもしれない。正直な感想を述べるとFacebookの利用は少し重いように感じた。しかし、ここでもPANDAは一工夫がなされている。

PANDAには「SiLK Sense」という独自アプリがインストールされている。このアプリで通信速度制限を解除したいアプリを事前に登録しておけば、そのアプリが起動されたら”自動的に通信速度制限がそのアプリの分だけ”解除される。例えばFacebookをSiLK Senseに登録しておけばFacebook利用時には通信速度制限がかからない。この通信速度制限枠を100MB単位263円で購入することが出来る。

下図はSilk SenseにFacebookを対象アプリとして追加し、Twitterは対象外としている時の動作例だ。Facebook起動時にはSilk Senseが動作しているが、Twitter閲覧時にはSiLK Senseは作動していない。
SiLK Sense動作例

こういった通信速度制限の解除は他の格安SIMでも提供されているが、解除中に起動したアプリ全てが対象になったり、利用前にオン/オフを実行しなければならないなど、無駄な通信や、操作が面倒という問題があった。しかし、SiLK Senseでは登録したアプリ起動時に自動的にオン/オフが切り替わり、そのアプリのみが通信速度制限の解除の対象となるので、無駄が生じない。

前述した表の中で△となっているアプリはSiLK Senseを利用すれば、それほどストレスなく利用できるようになるはずだ。

実はこのSiLK Sense、今通信業界で話題のSDNの仕組みを取り入れたものであり、高度な技術が生かされている。BtoC向けのSDN事例としては国内初の事例でもある。

PANDA外観

端末は5インチ液晶ディスプレイを搭載しているため、片手で握るには少し大きいと感じる。ただ、液晶が大きくなっている分Kindleアプリは読みやすかった。
PANDA 方手持ち

手元にあったIS03(3.5インチ)との比較。
PANDAとIS03の比較

男性からは特にデザインに関する不満は出なかった。デザインにこだわる女性からは賛否両論の意見があったが、コストパフォーマンスを考えると問題無いという所に落ち着いた。

リアルを充実させる「リア充スマホ」

一週間使ってみて、フリーズすることが二回あったが、これはPANDAというよりはAndroidの問題ではないかと思うので、それを除けば大きなトラブルはなかった。これまでの実体験からPANDAに向いてる人、向いてない人を考えてみた。

 PANDAに最適な人
  1) スマホを使いたいけど、通信費用は安くしたい
  2) 移動中にLINEとメールと電話が出来れば十分
  3) 家にWiFiが有り、動画は家でWiFi通信時に見る
  4) 通信費用を削減して、もっと友達と遊びたい
  5) 音声の電話は用件伝われば十分。あとはメールかLINEで。

 PANDAをお勧めしない人
  1) 端末スペックに目がいってしまう
  2) 移動中でもどこでも動画やウェブ、ゲームもバリバリ遊びたい

月額一万円近くかかっていた通信費を友達との飲み会に回せば、1~2回は飲み会の回数を増やせるかもしれないし、毎回の飲み会を少し贅沢に出来るかもしれない。スマホは友達との連絡用で、もっとリアルを充実させたいと思う人にはピッタリだと思う。ネットの生活ではなく、リアルを充実させる「リア充スマホ」。PANDAを使えば、もっと生活が楽しくなるかもしれない。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。