2013年振り返り ライフスタイル

2013年も残り僅か。幾つかのテーマにいて今年を振り返ってみたい。今年の初めに「今年は”脱パッケージメディア”を目指したい」という記事を書き、テレビやDVDから意識して利用しないようにしようと考えていた。

かなわなかった、”脱パッケージメディア”

”脱パッケージメディア”を試みて意外と難しいと感じたのが、これらのメディアが社会の基盤に深く根付いているため、自分だけの意思だけでは完全に利用を停止することが出来ないということだった。それが顕著だったのがDVD。「映画のDVDを買う」という行為を止めることは出来た。ただ、映画の試写会へ参加する時に「前作のDVD」を手渡されることや、自分が出演した番組のDVDがテレビ局から送られてくることもあり、これらを見るためにDVDプレイヤーを起動してしまった。

テレビについては「半沢直樹」の話題性、「リーガルハイ」の魅力に負け数回つけてしまった。SNSで自分の周囲の人たちが盛り上がっていると、ついつい興味をかきたてられてしまった。

完全に「ゼロ」にすることは難しかったが、生活の中での必需品ではなく「必要な時に利用する」レベルの物へと、意識が完全に変化した。

映画館、図書館利用の増加

テレビとDVDが「必要な時に利用する」ものとなったのに対して、スマートフォン、iPad、Kindleが家庭の中の必需品として定着した。自宅に帰ればiPadでhuluを見て、就寝前にはKindleで本を読む。そんなライフスタイルが定着した年だった。

しかし、これによって当初予想していなかった変化がおきた。まず、huluで映画を見るようになって、リアルの映画館へ足を運ぶ回数が圧倒的に増えた。もともと保有DVDが百枚を超えるほどの映画好きだったのだが、映画館に足を運ぶのが億劫で、ここ数年は映画館で映画を見る回数は多くても年数回というレベルだった。しかし、今年はほぼ毎月、多い月には数回映画館で映画を見ることもあった。huluによって私のマインドシェアに映画が入り込み、「新作も見たい」という欲求が高まったのだ。古い映画を日常的にhuluで見て、新作を月一回映画館で見る。こんな映画視聴行動が定着した。

次に書籍も購入回数が増えた。これもKindleによって「読書」という行為が私のマインドシェアの中で大きくなったからだ。Kindleの何時でも買える、何処でも読めるという利点から、読書が身近になった。では、読書も映画同様に書店に足を運ぶ回数が増えたかというと、残念だがこれは違う。会社の近くの書店、自宅近くの書店が閉店し、私の生活圏では書店に行くには電車移動しなければならなくなってしまったからだ。行こうと思っても書店がないとうい状況になってしまった。そのかわり図書館へ足を運ぶことが多くなった。Kindleで特定のテーマの本を読み、より深く調べたくなったら図書館へ行き同種のテーマについて書かれた書籍を複数借りる、という読書スタイルが今年一年で定着した。残念なことに映画のように、新書を買うためにわざわざ書店に出向くということはなかった。なぜそうなるのかは出版関係の人が一番心辺りがおありなのではないだろうか。

デジタル機器が生活の中に入り込むことで、映画館や図書館といった普段の生活から遠ざかっていたものへ訪れる回数が増えた。もっともコンテンツの配信状況などに変化が生まれればこれらの状況はまた変わるかもしれないが。また、各々のコンテンツに対する購入額も増えた。電子機器によるコンテンツが身近になったことが原因だ。

マインドシェアから消えたもの

映画や読書に費やす時間が増えたので、遠ざかったものもあった。年齢的なものもあるがPS3、Wiiなどのゲーム機の電源を入れることはなくなった。新聞、雑誌もすっかり読まなくなった。ただ時事を伝えるもの、暇つぶしに読むものはすっかりネット上の他コンテンツに置き換えられるようになった。

情報収集としてのTwitter利用もすっかりなくなってしまった。参加者の増えたTwitterは一日川を眺めて「桃」が流れてくる奇跡を待つような状態なので、必要な情報は自分で調べるか当事者に聞きに行くようになった。

2014年は大きな変化なし

今年定着したライフスタイルが来年大きく変化するとは思えない。加えてみたいと思うものはウェアラブルコンピュータを活用したヘルスチェックだが、「興味」はあるものの、まだ本格的に利用したいとは思っていない。

私個人としては、「ケーブルレス」の生活が家庭内の電子機器購入の大きな選択基準だ。無線通信、ワイヤレス給電が可能なものへと順次置き換えていきたいと考えているが、ワイヤレス給電可能な製品はまだまだ選択肢が少ない。電化製品に大きなイノベーションがおきなければ、ひょっとするとあと三年ほどは今年のライフスタイルのまま進むことになりそうだ。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。