グーグルグラスの技適申請状況について

「ゲッコー・アンド・カンパニー」が並行輸入代行を発表したことによって、大きな話題を集めた「グーグルグラス」。グーグルグラスに限らず無線機能を有した機器を国内に持ち込むには、総務省の定める無線機器基準認証制度、通称「技適」をパスしていなければならない。

無線は目には見えないが有限の資源であり、国によって無線周波数の利用方法は厳しく定義されている。そのためルールの異なる国外の製品を持ち込むこと、周辺の機器が誤動作したりする可能性がある。こういったトラブルを予防するために国の定めた基準に則っているかをチェックするための制度、それが「技適」だ。

今回のグーグルグラスの騒動について、総務省 関東総合通信局に聞いた。

Q1 グーグルグラスは技適が認可されていますでしょうか?

A1 平成25年12月16日時点のデータについて、「グーグルグラス」について「Google」、「株式会社ゲッコー・アンド・カンパニー」として技術基準適合証明(以下、技適と称する。)等を受けた機器は、確認できませんでした。
 ※著者注、技適は無線機器のパーツで申し込んだり、個人名で申し込んだりすることもあるので、他の名称で登録されている可能性はある。

Q2 技適が認可されていないと知りつつ、輸入代行を請け負うことは罪にはならないのでしょうか?

A2 輸入代行を行うこと自体は、電波法に違反することはありません。
ただし、電波法に違反することを知って販売等した場合、ほう助罪に問われる可能性も否定できません。

Q3 技適が認可されていない機器でも、電源を投入しなければ国内に持ち込んでも罪にはならないのでしょうか?

A3 国内に持ち込むこと自体は、電波法に違反しません。
ただし、その機器が使用できる状態にあるときは、その機器を使用し得る者は電波法に違反する可能性があります。

正規取り扱い開始と、単なる輸入代行の違い

今回は無線という観点で総務省に問い合わせたが、電源部分などの技術適合などは別途経済産業省に確認を取る必要があるのだが、そこまでの問い合わせは行わなかった。

海外のメーカが日本国内で製品販売を開始する場合には、通常はこういった審査を通過したものと考えても良いだろう。しかし、今回のようにメーカ側が何のコミットメントも行っていない製品を国内に持ち込もうとした場合には、このような審査を輸入代行業者、あるいは購入者が自ら行わなければならない。

メーカによる正規取り扱い開始と、輸入代行では商品が届くという所だけに着目すれば、大差ないように見える。しかし、国の制度という点から見れば大きな違いが存在する。最近は海外の珍しい電化製品を販売するオンラインショップが増えてきたが、購入する人は「うっかり犯罪者」にならないように注意することをお勧めする。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。