パラレルキャリア継続のコツは「余裕」を持つこと

サラリーマンでありながら、社外で講演や執筆活動を行う、いわゆるパラレルキャリアを行う人も最近は増えてきた。私も2009年からパラレルキャリアを実践してきた。その中で時折「どの程度仕事を引き受けて良いか」ということで悩むことが多々あった。というのも、基本的に講演や寄稿を頼まれることは光栄なことであり、出来れば引き受けたい。それに断ってしまうと次から誘いがこなくなってしまうかもしれない。そんな様々な思惑があり、極力仕事は断らないようにしてきた。

それでも、例えば一ヶ月の間に書籍を書きつつ、講演四回、連載二本というように仕事が集中してしまった時にはパンクしそうなほどきつかった(勿論会社にも通勤している)。そもそも他の人はどれ位のこなしているんだろうかと検索してみると、年間講演回数百回とか公言する人も多く居る、自分のキャパシティが低いだけだろうか?とも考えたが、講演業の人や芸人の人たちの回数を基準としても比較にならないと考えた。

サラリーマンにとって自分の得意な分野で講演活動や専門誌への寄稿を行う手段は、自分の知識の整理にもなるし、所属企業のイメージアップにも繋がる自分と会社双方にメリットのある活動だと思う。どの程度ならこなせるか、私の体験を紹介したい。

 ・理想の回数 月 講演一回、連載一本 単発一本
 本業があるサラリーマンにとって理想はこれ位。講演はイベント主催者にもよるが、事前打ち合わせや、資料作成で取材を行うこともあるので時間がとられる。安易に引き受けすぎてしまうと思ったより稼動がかかってしまったなんてことにならないように注意しなければならない。
 執筆も連載と寄稿をそれぞれ持っていると、一つのテーマを深堀していく楽しさと、いつも新鮮なテーマに挑戦できる単発原稿が一本一本あるとバランスが良い。

 これ位の回数だと、楽しみながらこなすことが出来る回数だと思う。パラレルキャリアを継続させるコツは「楽しみながら」できることだと思うので、心身が疲弊するまで詰め込みすぎると、本業の方に悪影響が出てしまい、最悪会社から社外活動の禁止を言い渡されることもあるのでバランスを考えることが大切だ。

 ・平常運転 月 講演二回 連載二本 単発寄稿一本
 定期的に仕事を依頼されるようになってくると、この位の数はこなす必要が出てくるかもしれない。昨年私が毎月これに近いペースで推移していたが、なんとかこなせる回数がこれ。気分的には「ちょっと忙しいかな」といった状態。

 ・限界値 月 講演四回 連載四本 単発寄稿二本
 昨年何回か一ヶ月の講演回数が四回前後になる時があった。この状況になると「相当忙しい」と感じるレベル。ここまで詰め込みすぎるのはあまりお勧めしない。一つ一つにかけられる時間が減少することからクオリティは低下する可能性が有るし、もし体調不良で数日休むようなことがあれば、色々な所に迷惑をかけることになるからだ。

■自分の限界を理解すること、余裕を持つことが大切
上記の数値はあくまで私の体感値であり、誰もがそうというわけではない。ただ、自分が普通にこなせるボリュームと、限界を知っておくことは仕事を引き受けるかどうかの判断材料にもなるので、自分なりの基準値を知っておくことは大切だと思う。何かの参考になれば幸いだ。

また、常に余裕を持っておくことも大切だ。余裕を持っておくと「チャンス」に対応できるからだ。例えばある日突然書籍の執筆を持ちかけられるかもしれないし、テレビやラジオの取材の話もあるかもしれない。そういった「チャンス」が訪れた時に「余裕」がなければ「チャンス」は逃げてしまう。それに、余裕がなければパラレルキャリアを楽しみながらこなすことが出来ない。「楽しむ」ことを捨てて「副収入」のためだけに頑張るのであれば、結局本業に集中した方が良いという結果になりかねない。

パラレルキャリア継続のコツは「余裕」をもって望める自分のペースをつかむこと。それが出来れば本業にプラスの効果をもたらすパラレルキャリアの道を進んでいけるだろう。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。