スマートフォンを軸に広がる「繋がる」社会、集中から分散へ

翔泳社さんの承諾を得ることが出来ましたので、自著「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」最終章を、何回かに分割して掲載します。なお、この原稿は校正前の物であり、本書とは一部内容が異なることが御座いますので、ご了承下さい。

ここまでの章は、既に世の中が動き出していることを書きました。ここからは、「変化はまだ始まったばかり」だということを、お話したいと思います。
ここからの話は私の思うほんの少し先の未来の話です。

スマートフォンを軸に広がる「繋がる」社会

「4+1の力」の一つ「モノのインターネット」。2020年には500億のデバイスが接続されるとも予想されていますが、既に私達の周りにはデバイスが溢れています。スマートデバイスの形状もいつのまにかスマートフォンとタブレットの中間のファブレットと呼ばれるジャンルも登場しました。
 
私もスマートフォン、タブレット、ファブレット、これにアマゾンのkindleも所有しています。気がつけば鞄の中に常に四台ほどのデバイスを持ち歩くようになっています。
 
こういう生活をしているとあることに気づきます。当初スマートフォンしか無かった時には、スマートフォンで全てをこなそうとしていました。ウェブの閲覧、メール確認、ソーシャルメデイアから映画、読書まで。しかし、タブレットを購入すると映画はタブレットで見るようになりました。理由は画面が大きくて見やすいからです。次にKindleを購入すると、電子書籍はKindleで読むようになりました。
 
最後にファブレットを購入し、外出先でのウェブの閲覧はファブレットで行うようになりました。スマートフォンは今ではソーシャルメディアやメールといったコミュニケーション用のデバイスになっています。いつしか、特定のサービスを利用するために最適な端末を選択するようになっていました。

コンテンツに最適な形状のデバイスを選択する
 

集中から分散へ

第二章でビット化出来る、あらゆるコンテンツやアトム(物質)がスマートデバイスとクラウドに集約されていると書きました。これはリンゴやバナナといった果物をミキサーに放り込む状態に似ています。紙の新聞やCDは従来の技術のしがらみで仕方なく「その形」をしていました。サービスやコンテンツが一度ビットに変換されると、クラウドはミキサーの役割を果たします。
 
ミキサーにかけられたミックスジュースを、スマートフォンというグラスに容れて見ている。そういう状態です。
 
しかし、これから起きることはこのミキサーの中に入ったものがより最適な形状をしたデバイスへと分散して行きます。

既にその一部は前述しました。電子書籍というコンテンツを読みたいなら電子書籍リーダが最適です。映画を見るならタブレットか大型テレビが最適です。ウェブならファブレット、携帯性とリアルタイム性が求められるサービスには常に持ち運ぶスマートフォン。今はまだ「フィーチャーホンからスマートフォンへの移行期」ですが、今後スマートフォンに慣れたユーザから「コンテンツに最適化されたデバイス」を選択する動きが始まるでしょう。
 
これからは「使いたいサービスに最適なデバイス」を購入する変化が起きるのです。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。