テレビ局が動画配信をやるべき理由

自分のライフスタイルから「テレビ」が消えて、もう何年になるだろうか。指定された時間に、指定されたテレビという媒体で提供されるそのスタイルが、私のライフスタイルにはそぐわなくなってきていたからだ。だから、今テレビでどんなドラマが話題になっているのか、なんて気に留めることもなかった。もちろん、半沢直樹くらいのテレビを越えて話題になるドラマの存在は知ってはいたが。

しかし、今年は毎週放送を楽しみにしているドラマがある。日本テレビの「戦力外捜査官」と「明日、ママがいない」の二つだ。先日紹介したとおり、日本テレビは現在放送中のドラマをネットで配信している。これによって、自分の自由な時間にドラマを見ることができるようになった。週末はベットで横になりながらiPadでこの二本のドラマを楽しんでいる。

テレビが自分のライフスタイルに入ってきた

大半のメディアとの接触がスマートデバイス経由になっていた私にとって、テレビは「わざわざ点ける」ものだった。テレビ局の人が「テレビを点けろ」と一生懸命話題作りに励むのだけれど、「めんどくさい」と感じていた。テレビのリモコンが手元に無かったという理由だけでテレビを見ようという欲求はリモコン探しにかき消される。「テレビを録画するのがめんどくさい貴方には、全録できるこの機械がお勧め」と言う人も居たが、なぜそこまでしないといけないのか理解できなかった。

しかし、日テレの番組配信によって日テレの公式サイトでも、Youtubeでも、Gyaoでも自分の良く利用する動画配信サイトで自由に見れるようになった。ようやくテレビ局の方から「スマホ世代」の領地に足を運んで来てくれたのだ。

そして、感じたことは「日本のドラマ」はやっぱり面白いということ。「明日、ママがいない」は大きな社会問題になっており賛否両論あるが、ネットにはないスケールで世の中が見ないようにしていたものにスポットライトを当てている。私は独身であり、子供も居ないためか「子供視点から親を見る」このドラマの描写に素直に感動している。こういう環境に子供が巻き込まれないためにはどうすれば良いかを、ドラマを見るたびに深く考えさせられている。米国のドラマも面白いが、日本人だからこそ心揺さぶられるテーマは、やはり日本人にしか作れないのだろう。

自分がテレビから離れていった理由は「特に見たいというものが無い」という理由がまず先にあり、次第にテレビから離れだした。それが、いつしかスマホ中心の生活になりテレビから物理的にも心理的にも時間的にも離れてきてしまっていた。そこで流れるコンテンツの良し悪しとは違う理由でテレビから離れていたことに今更ながら気がついた。

こうして、テレビ局側から「スマホ領地」に進出してきてくれたことで、「特に見たいものがない」という思い込みは晴れていくかもしれない。少なくとも今クールのドラマについては毎週続きを楽しみにしている。

テレビ局が動画配信を「やるべき理由」は、「テレビは面白くない」と思ってテレビを離れてしまった人に「あれ、最近のテレビ面白いかも?」と気づき、再びテレビに関心を持ってもらうことではないだろうか。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。