朝日新聞元記者が語る、新聞に取材される五つのコツ

2014年2月19日、IT系広報関係者のための学びのコミュニティ「広報寺子屋 番外編」が朝日新聞社で開催された。「朝日新聞メディアラボ」の竹下隆一郎氏がメディアの未来について熱い思いを語った。

新聞という枠組みに囚われず様々なチャレンジに挑戦する「アイデアの受け皿」が誕生したことで、今まではメディアの枠に当てはめて諦めてしまっていた、あるいはくすぶっていたアイデアが続々と寄せられ「新たな風」が吹き始めているという。

この組織が出来たことで朝日新聞社内で新規事業のためのアイデアを公募したところ、180件ものアイデアが寄せられた。今後どんなアイデアが世に出てくるのか、とても楽しみだ。

新聞にとりあげられる五つのコツ

そんな竹下氏は元朝日新聞記者でもあるため、広報パーソンに向けて「新聞にとりあげられる五つのコツ」が解説されたので紹介したい。

1.ベンチャー企業はとりあげられにくい
 一般的に新聞の読者層は50代以上が大半であるため、ベンチャー企業、特にIT系の企業は取り上げられにくい、といきなり厳しい「現実」が突きつけられた。
 では、どうするかということで、次の四点を工夫すれば良いとアドバイスがなされた。

2.働き方とスター社員
 近年「働き方」には社会全体の注目が集まっており、今はこの文脈に乗せると取り上げられる可能性があるという。特にIT系企業の場合はユニークな働き方を実践している企業も多いため、こういう切り口では取材対象になりやすいそうだ。

 また、スター社員を作り出すなど「社員」にフォーカスすることも取材の間口を広げることになるとのこと。
 

3.事件に気を付けろ
 自社の社員が犯罪を犯せば新聞に取材される・・・ということではない。
 世間を騒がせるような事件がおきた時に「対策案」を提示出来る企業や、事件の解説が出来る企業は「事件が起きた時」に取材対象になりやすいという。例えば、ネットいじめが大きく社会問題でクローズアップされれば、それを防ぐソリューションを持っていそうな企業にメディアは取材に訪れる。

 何か事件が起きた時には、その事件の対応策を記者に伝えれば、新聞紙面の一面を飾ることも夢ではないかもしれない。

4.業界のトレンドを作る
 同じ業界の数社が集まって、一つの取り組みを行ったりすることで、その活動自体が取材対象に成り得る。トーマツベンチャーサポートらが開催している「Morning Pitch」と呼ばれる朝活の事例が紹介された。「Morning Pitch」はIPOや世界市場を狙う有望ベンチャー、ビジネスの種を探している大企業、証券会社、ベンチャーキャピタル、監査法人などの「出会いの場」。一社だけの勉強会なら取材価値は乏しいが、3、4社が集まって活動しているだけでも取材対象となる可能性が出てくるという。

5.オピニオンリーダになる
 新聞には「オピニオン枠」というコーナがあるため、企業の社長などが業界内で著名だったりする場合にはこの枠に取り上げられる可能性がある。

IT系企業に関わらずプロモーションという視点で考えるとどうしても「自社の製品」のPRに思考が傾きがちになってしまう。それでは名も無いベンチャー企業の商材はニュースとしてインパクトが少ないことが多く、新聞の紙面を飾ることは難しい。しかし、少し切り口を変えてみることで企業の大小に左右されないチャンスが広がっているとも言える。

これからの広報部は「プレスリリース」を書くテクニックだけでなく、どうすれば取材対象として見てもらえるかを「頭」を使って考えることが求められている。



この記事のタグ: , ,


関連する記事

  • 車が疾走するカッコよさが秀逸。進撃の巨人×スバル フォレスターコラボCM

  • 食べログが導入し注目が高まる、口コミサービスの信憑性を向上させる「携帯電話番号認証」

  • ブランドイメージを傷つける間違いだらけのFacebookプロモーション

  • EmpowermentとMarketing

  • ソーシャルメディア時代の企業広報活動を考察する。


  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。