不動産購入検討時に便利なインターネットサービス

5月から、新居購入に向けて準備を進めてきましたが、なかなか物件が決まりません。気が付けば三ヶ月が経とうとしています。これだけ不動産について調べていると、物件を評価するために色々なツールがインターネット上に存在していることに気づきました。もし、これから住居を購入しようとしている方が居れば参考にして頂ければ幸いです。

1) 購入目的の決定

 まず、住居を決定するにあたって、物件調査に入る前に「方向性」を決めることが大切です。通勤の快適性、暮らしの利便性、子育て環境、老後の暮らしといったように住居を選ぶ時には、殆どの場合「目的」が存在する筈です。その目的をまず明確にしましょう。

 目的が決まったら、住居に求めることを十個リストアップします。特にこの七つが決まっていると、不動産仲介業者との話もスムーズになります。

  1) 住みたい場所
  2) 家から駅までの距離
  3) 間取り
  4) 新築 or 中古
  5) マンション or 戸建て
  6) 予算(新築の場合と中古の場合)
  7) 入居時期

 多くの方が「予算」によって「妥協」を強いられます。全ての要求を満たしてくれる物件は殆ど存在しないか、あったとしても都内ならば億近い金額になることを覚悟しなければなりません。上記の必須項目七つに、あと三つほど「これは絶対譲れない」というものを同居される方と相談してピックアップし、物件探しに取り掛かると良いでしょう。

2) 土地柄のチェック

大雑把に住みたい地域が決まったら、その地域がどんな場所なのかを調べましょう。

■治安のチェック
警視庁の発表している犯罪統計から、住もうとしている地域にどのような犯罪が発生する傾向にあるのかを見ることが出来ます。侵入犯罪やひったくり、粗暴犯が多い地域は女性の一人暮らしは避けた方が賢明です。

 ・犯罪情報マップ

 なお、私は物件選定にあたり下記の内容を重視しました。
 ・住居近隣の侵入窃盗が2件以下であること
 ・最寄駅までの区間で、ひったくり、粗暴犯が2件以下であること

■災害のチェック
不動産を購入するにあたって予防出来ないのが「自然災害」です。昨今の防災意識の高まりから国が災害発生リスクを地域毎、災害毎にまとめてくれています。これらの情報を参考に、どのような災害が発生しやすいのか、保険から省くもの、手厚くするものを検討する材料として使うと良いでしょう。

 ・東京建設局 洪水ハザードマップ

 私は「床上浸水、洪水などの水害リスクが無い」ことを物件の選定対象としました。

 ・東京都都市整備局 東京23区 震災地域別危険度マップ
 ・東京都都市整備局 区市長別 地震危険度一覧表

 私は下記二点を満たすことを物件選定対象としました。
 - 東京都内23区 地域危険度マップでリスク2以下であること
 - 区市長別 地震危険度一覧表でリスク2以下であること

■地質の土地の利用用途をチェック
家の建つ地盤が埋立地なのか、あるいは昔水田だったのかなどを調べることが出来ます。本格的な地盤調査は物件購入時に別途行うことをお勧めしますが、それが出来ない場合などに、過去の土地の状態から戸建てを建てるのに適した土地なのかが推測出来ます。

 ・日本シームレス地質図
 ・地質図Navi

 私は、埋立地でないこと、過去から住居用の土地であることを重視しました。

■周辺環境のチェック
地図サービスを利用して、物件の周辺環境を調べましょう。Google Mapsがストリートビュー等の機能は豊富ですが、公園までの地域に密着した情報はマップファンの方が充実しているように思います。(地域にもよると思いますが)
 ・Google Maps
 ・マップファン

■子育て用施設のチェック
 乳幼児のお子さんが居る場合はベビーカーでも難なく移動出来る圏内にこれらの施設があると良いでしょう。
 - 保育園、幼稚園までの距離
 - 小児科、産婦人科までの距離
 - 公園までの距離

 徒歩圏内(1km前後)に下記の施設があること
 - 小学校、中学校までの距離
 - 病院までの距離

■商業施設のチェック
 スーパなど普段の生活に必要だと思う商業施設をリストアップし、それが存在するかを調べます
 ・スーパや商店街、美容院が徒歩圏内にあること
 ・鍵屋や工務店が近くにあると、何かあった時に便利です

■騒音施設のチェック
 騒音が気になる範囲に下記の施設が存在しないこと 
 ・学校、緊急病院、消防署、警察署、クラブ、ライブハウス

3) 物件のチェック

住んでみたい地域が決まってきたら、候補となる物件について調べましょう。

■物件の口コミのチェック
マンションの場合は、口コミ情報を確認することが出来ます。既に済んでいる人の生の声を事前に知ることが出来ます。
 ・マンションコミュニティ

■地価公示・路線価から適正価格であるかをチェック
不動産売買においてその物件の価格が高いのか、安いのかを一般人が知ることは困難です。こういった問題に対処するために、国土交通省が毎年「公示価格」と呼ばれるものを公表しています。

 - 国土交通省 公示価格

ここから、購入しようとしている物件の近隣物件の公示価格を見て、相場とどの程度乖離があるのか確認することが出来ます。また、過去公示価格も確認出来るので相場が下落傾向なのかどうかを知ることも出来るため、将来その土地が値下がりするリスクがあるのかもある程度想像することが出来ます。なお、公示価格は建物の価値を含まない「更地評価」である点に注意しなければなりません。

土地の相場を知るもう一つの手段として、国税庁が住居の相続税を算出する「路線価図」というものが存在します。

 - 国税庁 路線価図

これらのツールを利用して購入対象の物件が、高すぎないか、あるいは安すぎないかを知る判断材料の一つとして利用すると良いでしょう。

 - 高すぎる場合
   人気が高い、建物代が高い、業者の値付けミス
 - 安すぎる場合
   違法建築、再建築不可、借地、事故物件

「不動産に掘り出し物なし」と良く言われます。不動産の流通経路は限られているため「掘り出し物」とプロが思う物件なら、一般人に知れ渡る前に業者が買い取ってしまいます。そのため周辺物件との相場と比較して「安い」物件にはそれなりの理由があります。

その安い理由を納得して購入する分には問題ありませんが、良く理解せずに購入するとあとあと大きなトラブルになる可能性があります。例えば「再建築不可物件」の場合などは、火災等で家が全焼した時にも再建築することが出来なくなりますので、良く考えて購入するようにしましょう。

インターネットを活用することで、十年前には考えられなかったほど、素人であってもその土地や物件に対してある程度調査することが出来ます。ただ、冒頭で述べたように「全ての条件を満たす物件」は、存在しません。しかし、自分で調べて「納得」出来る物件を探し出すことは可能です。「納得」出来る物件を手に入れることが出来れば、きっとそこは家族にとって「住めば都」に変わっていくのではないでしょうか。



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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。