Google+が教えてくれるたった一つの大切なこと

既に会員数も1000万アカウントを突破し、快進撃を続けるGoogle+。先日書いたこのエントリーも1万PVを超え、Google+の注目度の高さを実感しています。

Google+については、書きたいことは山のようにあるのですが、今回は、私が思うGoogle+が与えてくれる大切なことについて書いてみたいと思います。

■友達の意味を改めて考えさせてくれたこと
機械的に物事を考えるGoogleにそんな狙いがあったとは到底思えませんが、google+が私たちに教えてくれる一番大切なこととは、「あなたの本当の友達は何人ですか?」という極めてシンプルな問いかけでは無いでしょうか。

Google+に初期登録されている友達サークルの説明にはこう書かれています。「安心して個人的な話の出来る人たち」。Google+の「友達候補の中に表示される100人以上の人達から、皆さんは何人位「友達サークル」に入れましたか?

■私たちは繋がりに何を求めるのか?
こんなことを考えるきっかけになったのは、星出さんの書かれた、こちらのエントリーを読んでからです。

このエントリーの中の印象的な一文

アナログの世界の紹介者は,お互いに長い時間一緒にいて「この人物なら大丈夫だろう」という期間をへてはじめて生じるものです。その中には,多少いに沿わなくても,関係性を維持したいという濃い交流があります。同様の信頼関係をソーシャルメディア上で作る場合であっても,アナログ世界と同等の時間とやりとりが必要でしょう。

誤解を恐れずいえば,アナログの世界のソーシャルな関係というのは,両者の利害対立が非常に激しく対立しており,それを解消するために導入されるものであって,その効果に見合った投下資本をおしまない,非常に濃く,暑苦しい関係です。そのようなものを,単なるボタン一個で生じさせることは無理だと思うのです。

非常に考えさせられる一文でした。Facebookの「いいね」は誰かが書いたコメントに対して「いいね」を押すだけで、コミュニケーションが完結します。これは、非常に素晴らしいアイデアであると思うのですが、Facebookをきっかけとして繋がり、「いいね」の関係で維持されたコミュニケーションだけで、「本当の友達」となる人は何%位存在するのでしょうか?

いや、デジタルコミュニケーションだけで完結するという方も勿論いらっしゃるでしょう。しかし、私は「安心して個人的な話の出来る人たち」とは、やはりデジタルだけの繋がりの存在の方では、そこまでは至らないというのが本音であり、実際にお会いした方でも、そういった仲になるまでにはある程度の「時間」が必要だと感じています。

■色んな意味のある「いいね」
Facebookを眺めていると「いいね」の意味は一つでは無い事に気づきます。
 - 純粋に「いいね」と思った
 - ブックマーク代わりに「いいね」をした
 - 元気だしてね!の意味を込めた「励ましいいね」
 - 好意を寄せている人なので「アピールいいね」をした
 - 仕事上の利害関係のある人なので「接待いいね」をした
 - 告知目的の「宣伝いいね」

他にも色々とあると思うのですが、「いいね」という単語の裏側には、色々な意味と想いが込められていると感じます。純粋に「いいね」と思い友達とコンテンツを共有することはとても素敵だと思います。しかし、「接待いいね」や「宣伝いいね」で繋がった、デジタルな繋がりは、本当の「友達」に変化して行く事はあるのでしょうか。

特に「接待いいね」をする友達ばかりが周囲に居れば、自己を過大評価し、世間に対して盲目的になってしまうこともあるかもしれません。

■友達の意味にも色んな意味がある
「いいね」に色んな意味があるように、ソーシャルメディア上の「友達」にも色んな意味が出来ているのでは無いでしょうか?例えばこんな感じです。

 mixi = 時間をある程度共有した友達。
 Facebook ビジネス中心利害関係のある友達。
 Twitter 知人、興味ある人。
 Google+ 本当の友達。

ソーシャルメディアは人と人との繋がりを加速します。アナログの世界ではシンプルだった「友達」という存在は、色んな「友達」が存在するようになっているのでは無いかと感じます。

■繋がりに求めるもの
私自身、ソーシャルメディアは「人との繋がりを作るための最良のツール」であり、ソーシャルメディアを活用している人と、そうで無い人の間に「絆の格差」が生まれ、やがてそれは「ソーシャルメディアデバイド」として将来問題になるだろうと自著「ソーシャルメディア実践の書」に書きました。

それ位私自身も「ソーシャルメディアを活用した縁のセーフティネット作り」は無縁社会と呼ばれる日本の中でも重要な物になっていくと考えています。

しかし、デジタルな繋がりを「頭」は理解出来ても、人の心はその繋がりの数の増加にそう簡単には順応することは出来ないのでは無いかと感じています。その繋がりは本当の「友人」なのか、単なる「イベント要員」と考えられているのかを、見抜く事は難しいのでは無いでしょうか。

ソーシャルメディアによって人と繋がる事がとても簡単になり、友達申請が承認されれば、「友人」になったと頭が錯覚を起こします。しかし、心の部分で「本当の友人」になるためには、恐らくはそんなに簡単にはいかず、ソーシャルメディア登場以前と、以降も変わってはいないのでしょう。ソーシャルメディアは「友人」になるきっかけを与えてくれるにすぎません。友達承認はそのための「第一歩」であり、そこから本当の友達になるためには、アナログ同様の時間が必要になるのでは無いでしょうか。

そんな全てを「友達」と一括りにして表現されたデジタルな「数値」。デジタルによって誰とでも簡単に繋がれるようになった時代に、google+は「その友達は、本当の友達ですか?」と、「本当の友人」になるためにはアナログ時代からなんら代わらないということを、考えるきっかけを与えてくれました。

ソーシャルメディアにより「繋がる事」が簡単になり、忘れそうになってしまう、とても大切な事。どれだけ繋がりが増えたとしても「腹を割って話せる友人」は大切な存在であり、デジタルで出来た「繋がり」を単なる「接待いいね」の場にすることなく、「友人サークル」に入れて貰える、そんな人間関係を築きたい。

Google+はそんな事「当たり前」の事を、ソーシャルメディアの繋がりの魔法によって、見えにくくなっていたものを考えさせてくれました。
皆さんの、「友人」サークルには、何人の人が入っていますか?

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  • プロフィール

    大元隆志(おおもと たかし) 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。Yahoo!ニュース講談社 現代ビジネスCNET翔泳社EntepriseZineITmedia マーケティングITイニシアティブ、等、様々なIT系メディアで活躍する。SNSビジネス特集でNHK教育テレビに出演。ソーシャルメディア系イベントしては国内最大級となるソーシャルカンファレンス主催者。著書に「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」「ソーシャルメディア実践の書」、「IPv4アドレス枯渇対策とIPv6導入」がある。所有資格 米国PMI認定PMP、シニアモバイルコンサルタント等。